車名の由来 5
2025年01月10日
車名の由来
永島潤太郎...ユニコーン。「ガンダムユニコーンっていうアニメとパチンコがあって、それが好きで、響きもいいし格好いいなって思って付けました。ただ、それだけです。特別に何も意味はないし、響きがいいし格好いいし。まあ好きなんで。一角獣っていう幻想上の生き物で格好いいなって思って」
浜野翼...シュワッチャン。「全然、意味はないです。普通にパッと思い浮かんだだけで、ほんとうに意味はないんです。後々、考えたらウルトラマンの『シュワッチ』みたいな感じですけど、ほんとうに意味はないです。何か思いを込めたわけでもないんです」
西村昭紀...アンヘル。「ゲームのキャラクターです。赤き龍、ドラゴンの名前がアンヘルなんです。主人公なんですよ。angel(エンジェル)って書いて、アンヘルって読むんですよ。ドラッグオンドラグーンっていうゲームです。最後、あまりハッピーエンドがないようなゲームなので、あんまりおススメするゲームじゃないですけど。興味があったらやってみてください。おもしろいですよ」
山際真介...タープ。「なにかいい車名がないかって義弘(川口29期・高橋義弘選手)と話した時に、何でもいいですよってなって、何でもいいってなったからどうしようってなって。その時、ちょっとキャンプ道具を集めていたから、その一つのタープでいいやねってなって。ちょっとずつ道具を揃えてる時だったので、テントでも焚き火でも何でもよかったんです。でも、一応そういう由来です。思い入れは、強くはないっちゃないですね。前はサッカー関連の名前を付けてやってたんですけど、それに比べたらやっぱり思い入れは弱めですね」
山田真弘...レイジールーク。「ポッポSLの運転手のおじさんの名前です。自分の車名のシリーズです。格好いい車名がないかなって考えても浮かんでこないんですよね。ただ、これは響きがいいって言われるんですけど、ただの運転手のおじさんの名前です」
西原智昭...クロデュメニル。「高級シャンパンの名前らしいです。50万くらいするらしいし、飲まないんですけどね。知り合いが付けてくれたんですよ」
間中大輔...マミーD。「マミーDは、ライムスターっていうヒップホップグループのMCで、2人いる内の1人なんですよ。マミーDが凄く好きで。ライムスターが好きなんですよ。でも、ライムスターって車名は永井さん(川口25期・永井大介選手)が付けてたから、それは付けられなくてマミーDにしたんです。日本でもトップクラスに格好いいと思います。ずっとヒップホップ系で車名を付けていて、前回『ドープネス』って付けたのも、鎮座DOPENESSって人がいて、それからで、『バダサイ』って付けたのも『舐達麻』っていうラップのグループがあって、それのMCなんです。2級の時はアメリカのヒップホップグループの名前を付けたりしてたんですけど、『ファーサイド』とか。ヒップホップはメッチャ好きですよ。たぶん、ヒップホップとかブラックミュージックとかだったら、選手で一番詳しいんじゃないですかね。ホントにそれぐらいだと思います。アメリカの黒人の歴史から語れますよ(笑)。でも、今は日本のラッパーの方が好きですけどね」
文/高橋
SSトライアルの流れ
2025年01月03日
2024年SSトライアルについて、前検日から王座決定戦の枠が決まるまでの流れを説明したい
前検日となる12月26日に川口オートレース場内の会議室において枠番選択が行われた。これはSSトライアルへの選考順位の高い選手から順に枠番を選んでいくというもの。大事な初戦の枠が決まるとあって、会議室内はひりひりとした緊張感に包まれる。実際には順番に選手が呼び上げられ、テーブルに置かれた各枠番の色の勝負服を手に取る。今年は11Rも12Rも結果的に選択順番通りに1枠から埋まっていった。各選手が枠番を選び終わると、施行者やJKAから注意事項の連絡が行われる。これは朝練のスタートに関することや、トライアルで1着を取った選手のその後のメディア対応の流れなどの伝達となる。
一通り説明が終わると、初日のトライアルの枠番に対応した勝負服を着用した選手が揃っての記念撮影が行われる。毎年恒例で、選手宿舎の中庭とも言うべき外からの陽光が差し込んでくるエリアに集合する。翌日の戦いを前に、各選手はいよいよテンションが上がってくる。
そして、初日を迎えトライアル戦が終了すると、2日目の枠番を決める抽選会が行われる。初日のレースは枠番『選択』で枠が決められたが、2日目から4日目までは枠番『抽選』となる。よく商店街などである福引きで使用されるようなガラガラと回る道具に白、黒、赤、青、黄色、緑、オレンジ、ピンクの小さい玉が入れられ、トライアル戦で着順が良かった順番に選手が取っ手を持ち、本体を回していく。出た玉の色がそのまま翌日の枠番になる。何色の玉が出てくるかは完全に運の要素になるので、飛び出した玉の色に選手たちは一喜一憂することになる。これが、2日目、3日目とトライアル戦の終了後に繰り返し行われる。
そうして4日間のトライアルを戦い終えると、競走結果に応じたポイント上位の選手がSS王座決定戦の枠番を選んでいく。ここではトライアル中の頑張りが反映されるように枠番『選択』となる。4日目のレース前の時点ですでに王座決定戦乗りが確定している選手はいるが、枠番選択順が早くなるように少しでもポイントを重ねようとするのはこのためだ。この枠番選択は、川口オートレース場のステージでファンも見ることができる公開で行われる。ここでも選択順1番の青山周平選手が1枠を選ぶと、その後も2、3と順番に埋まりそうだったが、7番目に選択順だった佐藤貴也選手が7枠ではなく8枠を選択した。7枠よりはスタートで明らかに不利な8枠を選んだことにより会場は大いに賑わった。それも、ただ単に会場を盛り上げただけでなく、実際に3着まで追い上げていたのでレースでもしっかりと見せ場を作っていたのは流石の一言。
文/高橋
歴代チャンピオンの仲間入り果たした 黒川京介
2024年12月27日
黒川京介選手は、川口所属の33期生で現在26才。2017年にデビューして今年7年目の川口期待のホープです。すでにGIを2回、GIIを4回獲得しており、自身最高ランクはS3。次世代のスター候補としてすでに、名をあげていました。
川口オート生え抜きの選手がSGを獲ったのは2020年SG日本選手権の森且行選手以来。長らく続いているオート界2強時代(青山周平、鈴木圭一郎)に、ついに割って入るニュースターが誕生した瞬間でした。
今回はその黒川選手にSG初制覇などについてインタビューしました。
--優勝戦の試走から質問します。試走タイムは3秒30だったのですが、のちのインタビューでは、もっと出ていたと思ったとの事でしたが。
黒川 そうですね。準決で試走が3秒28出ていて、優勝戦の試走は感触的に3秒27くらい出たかな?と思う感じがあったので。30秒って発表されて不安はあったけど、ピットの中のVTRで確認したら直線で伸びているのが確認できたので(感覚は)間違いじゃないと思いました。
--1回目のスタートはフライング。準決後のインタビューで「スタートのタイミングも掴めている」との事でしたが...
黒川 プレッシャーに負けました(苦笑)
--フライング後に動揺はなかったのですか?その時、どんな事を考えましたか?
黒川 動揺は...意外となかったですね。考えていたことは、来年の選手権に出られないなぁと思いましたが、それと同時に、こんなにエンジンの状態が良くて、1枠で優勝戦に乗れる事はめったにない。自分の中で一番のビッグチャンスなんだから、と気持ちを切り替えていました。
--SG優出9回目にして、SG初制覇となりました。その前の9月のプレミアムカップでも、トップスタートを決めるも青山選手やられて2着でしたが、今回何か作戦はあったのですか?
黒川 今までの優勝戦では、何回か序盤で大きく走ってペースを上げようと思って走っていたんですが、(青山選手に)やられてしまう事が多かったんです。そこでプレミアムカップ直後から小さいコースを走る事を、一般開催の夕練で重点的に練習しました。
--日本選手権の優勝戦では練習通りの走りができたのですか?
黒川 自信はなかったですけど。実際まだ下手で、序盤で膨らんでしまったりして...でも、それっぽくは走れたかな?と思います。まず、序盤の5周を(青山選手に抜かれずに)クリアできたのが大きかったです。あとは徐々にペースを上げていって勝てました!
--優勝したゴールの後、青山選手に祝福されていましたよね。どう思いました?
黒川 嬉しかったですね。
--優勝した直後にどんな事が思い浮かびましたか?
黒川 優勝して嬉しいのは半分、やはり、最初にフライングを切ってしまって、他の選手の方に迷惑をかけてしまった事の反省が浮かびました。
それと今まで色々な人の応援や支えが一杯あったので「ありがとう」という気持ちがあり、本当に感謝したいと思いました。
--SGを獲る前と獲った後の心境の変化はありますか?
黒川 早めにまず1つはSGを獲らないと、という変なプレッシャーがなくなりましたね。チャンスを逃しちゃうと獲れなくなっちゃう、という思いがありました。
最近は速い後輩が増えてきていて、佐藤励君なんか、どんどん自分に近づいてきてる感覚があったので。
--速い後輩が入ってくるという話で、以前ポケバイつながりで鈴木圭一郎選手が言っていた「今度、ポケバイ出身で黒川君が入ってくる。彼が入ってきたら僕もヤバイかも」という話があり、まさに現実になったんですね。鈴木圭一郎選手についてはどう思いますか?
黒川 まず、圭一郎さんは整備力が凄いですね。整備をしてエンジンを合わせるのと、レースでも思い切りの良さが凄い。ほぼほぼ弱点はないです。
決定力とか、展開を問わず常に1着の勝負圏に入ってくるのが凄い。
--SGを初制覇して今後の目標を教えてください。
黒川 今、自分がSGを勝てるパターンはトップスタートが絶対条件だと思います。でも、今後は捌いても勝てるようになるのが目標です。
それと今までのランクはS級3位が最高なので、まずは1回2位になって、2人(青山周、鈴木圭選手)に割って入りたい。S2を経験したいですね。
--いよいよ27日からスーパースタートライアルが始まります。豊富を聞かせてください。
黒川 スーパースターは選手になってから1度は優勝したいと思っている大会なので、まずはそこに向かってやっていきたい。
そして、その後も努力を怠らず、いい選手になれるように頑張っていきたいですね。
黒川選手はデビュー7年目と、比較的早くSGを初制覇したイメージですが、あのダブルグランドスラマーの永井大介選手でさえも、かつてはSG初制覇までにはかなり苦労しました。
反則や落車など肝心な所でのミスが続きましたが、デビューから11年目の2008年8月のSGオートレースグランプリで、SG初制覇を遂げるとそこから一気にSGを獲りまくり、2010年にスーパースター王座決定戦を制して、見事にSGグランドスラムを達成。2014年にはダブルグランドスラムを達成するなど、業界のトップに君臨しました。
黒川選手もSGを1つ獲ったことにより、次々とタイトルを獲得していくことになるのでしょうか。これから大いに期待したいですね。
文/金子
11月を振り返って
2024年12月20日
10月2日に伊勢崎で優勝した白次義孝は、11月24日の伊勢崎でも優勝した。10月の時は最重ハンの30メートル前からの競争だったが、11月の開催ではハンデが重くなり20メートル前からだった。しかし、白次の場合は独走力があるので、一人で走れる展開になればどのハンデからの競争でも問題ない。事実、24日に優勝した時も0ハン単騎からの競争で、序盤からスピードに乗ることができていた。タイムが出やすい冬場で、自分の展開になれば強い。
11月の最初の優勝戦は2日の山陽ミッドナイト。ここでは地元の永島潤太郎が優勝した。0ハンに5車並んだ大外からスタート一気。いきなり逃げに入ると、そのまま先頭を譲ることなくゴールしてみせた。今年の7月以来の優勝を決めると、その次の地元昼間5日間開催でも優勝を決め連続Vを達成した。2日のレースは夜の良走路、10日のレースは昼の重走路。レースの時間帯や走路状況にも左右されず対応力の高さを見せつけた。同期の35期の中では佐藤励の快進撃が続いているが、永島も佐藤励に追いつけ追い越せの活躍を見せている。
その佐藤励は11月13日の飯塚ミッドナイトで優勝。それも初日からオール1着の完全Vだった。優勝戦では試走25、上がり357の好タイムをマーク。そのポテンシャルの高さを証明したが、続く23日からの飯塚ミッドナイトでも完全優勝だった。この優勝戦では前回の試走タイムを上回る24を計時。通算優勝回数は16となり、同期をけん引。このままどこまで強くなっていくのかは今のオートレース界の楽しみの一つとなっている。
佐藤励がいずれは乗り越えなければならない大きな壁となる存在は青山周平。その青山周は11月も絶好調。2節走っていたが、最初の山陽G2オートレースメモリアルで優勝した。更に、その次の浜松G1スピード王決定戦では、初日からオール1着の完全優勝で、同大会2013年以来のタイトルとなった。このまま突っ走り続けて、年末のSGスーパースター王座決定戦の連覇を目指す。
青山周と同期の大月渉は、27日の伊勢崎アフター5ナイターで優勝。今年5月以来、通算4度目の優勝となった。成績に安定感がある方ではないが、ここ一番で勝負強い走りを見せるケースが多くある。そういった時は、相手がどんなに強豪でもパワフルな走りを展開する。同じ伊勢崎勢では若手も着実に成長を見せている。17日の伊勢崎アフター5ナイターでは35期の菅野仁翔が優勝。エンジンの仕上げに手こずる期間もあるが、良くなればしっかりと試走タイムに表れるタイプ。同じレースで走るメンバーの中で、一番時計に近い試走タイムが出れば積極的に車券で狙える。
以前は重走路を得意としていた緒方浩一は、今年に入ってから重走路でスランプに入っていた。高い連対率を誇っていたが、思うような走りができないレースが続いていた。しかし、11月に入ってから最初の重走路で勝利を挙げると、26日の地元優勝戦の重走路でも勝ち切り優勝をゲット。昨年までの感覚を完全に取り戻した様子。今は良走路でも走りが良くなっている。
今年7月15日以来となる浜松オートの11月18日からの開催では地元の岩科鮮太が優勝した。同ハンに3車並んだ中枠からスタートこそ行けなかったが、素早い巻き返しから速攻を決め、同期の金子大輔を封じ切った。インコースをしっかり回れるタイプで、エンジン状態が良いと簡単には抜かれない技量がある。元々、センスは高い選手なので再成長に期待したい。
文/高橋
1級車での練習は
2024年12月13日
排気量が500ccの2級車でデビューするオートレーサーは、一定期間が過ぎると600ccの1級車に乗り換わってレースをすることになるが、その1級車に乗り換わる数ヶ月前から1級車で練習できるようになる。それまで乗っていた2級車との違いについて、2025年1月から1級車に乗り換わる36期の選手からコメントをいただいた。
祐定響...「いやぁ難しいですね。跳ねて全然乗れてない感じなので。フレームを点検したり、交換とかもいろいろしてはいるんですけど、跳ねてあまり乗れてないですね。2級車の時はあまり跳ねなかったし、跳ね持ちとかではないんですけどね。エンジンなのか他のところなのかまだ分からないですね。たぶんエンジンだと思うので、そこをやっていこうかなって感じです。練習できる期間も少ないので、どこやればいいか探し中です。まずはちゃんと乗りたいので。(エンジン的には)2級車よりはるかに進むので、車の行き方が全然違いますね。なんでこんな2級車に乗ってるんだろうっていうぐらい。びっくりしました。こんなに違うなら、そりゃあ抜かれるわって感じです。でも、やっぱりコーナーは2級車の方が乗りやすいんで、そこが有利なのかなとは思います。スタートもいろんな切り方を試してます。結構、(思い切り)クラッチを離そうとしたら(車が)浮いちゃうんで、そこの兼ね合いも2級車と違うなと思います。それで(エンジンの)噴かし方もいろいろ変えてみたりしてます。でも、楽しみですね1級車は」
帆影岬...「最初はこんなの乗っててズルイなぁって思ったんですけど、なかなか乗りこなせないですね。突っ込んでからも曲がれないし。2級車とは全然違います。1級車じゃ乗れないけど、そんなことも言っていられないので、とにかく練習するしかないですね」
浜野翼...「2級車との違いというか、とにかく時間がなさすぎて。復帰節(2024年11月18日)から1級車の練習を始めたんですけど、1級車の練習期間が合計で3節くらいしかなくて...。ちょっとやばいですね。乗り込むしかないなって感じですね。真っ直ぐスタート切ることと、ちゃんと6周回まともに走れるように。それができるようにしか考えてないですね。2級車は正直、整備だったり、タイヤとか意外となあなあでいいと言うか、そこまで白黒はっきりしてないって感じなんですけど、1級車はトルクがあるので、タイヤの良し悪しがほんとに分かれるのと、整備はそこまで分からないですけど、乗る面では力が強いので、ちゃんと抑え切れてないと乗れないので、難しいところばっかりですね。2級車と同じ感じで乗っちゃうと全然ダメだし、そもそもどういうコースを走るかっていうのからイチからまたやらないといけないので難しいですね」
やはり、デビューしてから乗っていた2級車とは勝手が違うようだ。しかし、1級車に乗ってから走力が飛躍的にアップする選手はこれまでに多くいた。選手にとっても大きな節目になることは間違いない。
文/高橋