車名の由来 9
2025年10月17日
車名を決める理由は選手によってそれぞれ。その由来を聞いてきました。
猪熊龍太...ニジハナ。「子どもの名前です。子どもの名前が虹に花って書いて『ニカ』って言うんですけど、そこから虹の花で『ニジハナ』にしました。(では、お子さんと一緒に走っているぞって感じですか?)いやあ、そういうわけでもないんですけど(笑)。付けられる名前が思いつかないから、たまたまです。特に重い意味はないです」
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杉本雅彦...ワープ。「瞬間的に前に行くって意味でつけたつもりなんですけど、どういうわけか逆方向になっちゃってますね(笑)。瞬間移動するぐらいの走りをしたいって気持ちなんですけどね」
中野政則...アディクトG。「アディクトは『魅了する』って意味があるみたいで、ディオールの口紅でアディクトっていう商品名のモノがあって、そこから付けました。中毒という意味もあるみたいで、でも、そこから取ったわけじゃなくて、商品名から取ったのが直接の理由です。Gは、新エンジンを買った時におじいちゃんが生きていたから『じぃ』をアルファベットにして当てたんだと思います。特に重い意味はないですよ」
鈴木将光...シャドウDEC。「シャドウは前からつけていたんですけど、それにDECもプラスしました。DECはなんというか、説明が難しいんですが、自分は志村けんのあるコントが好きで...。DECの意味はファンの方に推理していただければと思います」
中野憲人...ユキパナ。「3匹犬を飼っているんですけど、その3匹の名前を足してつけました。室内犬でチワワなんですけど、朝と夕方に2回散歩に連れて行ったりしていますよ」
小栗勝太...ピンクタイガー。「師匠(山陽20期・元オートレーサーの畑吉広さん)の車名が『ピンクパンサー』だったので、それで『ピンク』を取って『タイガー』は、パンサーより強いのにしろって言われて、それで『タイガー』にしました」
広瀬豪彦...ワニクン。「UFOキャッチャーでたまたま取ったワニのぬいぐるみを家で『ワニクン』って呼んでるから付けただけですよ。そんなに大きな意味はないですよ」
山脇孝志...ドアラ1994。「中日ドラゴンズのマスコットの名前です。1994はドアラがデビューした年と、背番号の数字なんです。根っからの中日ファンってわけでもないんですけど、愛知県出身で今、本格的に野球を見だしてって感じです」
小田雄一朗...ステイフリー2。「ステイフリーは元々、歌の名前なんですよ。前に『ステイフリー』って車名で乗っていたんですけど、乗り換えた時に2を付けたんです。ステイフリーは曲名で、自分がハタチぐらいの時に好きだったんです。KATZE(カッツェ)っていうバンドで、山口のグループなんですけど、その一番有名な歌みたいな感じです。インディーズではなくて、メジャーで出ていて、当時トップ10に入るくらいのレベルではあったんですよ。自分も世代じゃないんですけど、兄とかがCDを持っていて、格好いいじゃんって思って付けたんです。同期の篠原とか、その辺は知っていますよ。地元が山口で一緒なので。新人で2級の時もステイフリーでデビューしたんで、新人終わって10年くらいしてから車名をどうしようかって時にステイフリーに戻るかと思ってまた付けたんですよ」
9月に目立った気になる若手選手
2025年10月10日
9月は3日間の短期決戦を含め、開催が多くあった印象。その序盤で特に気になったのは4日に優勝戦が行われた飯塚オーバーミッドナイトだ。ここでは最も若い期である38期の竹尾竜星が自身初優勝を遂げた。これは同期の中での一番乗りとなり、仲間たちに良い刺激を与えた出来事になった。デビュー後の初勝利は重走路で、その後も重走路では好走があったものの、良走路ではなかなか結果が出ないでいた。しかし、7月11日に良走路で初白星を挙げると8月中旬からは1着を量産するようになった。デビュー直後は他の同期が目立っていたが、これで完全に同期の中でも上位グループの仲間入りした。9月24日のレースで周回誤認してしまうアクシデントはあったが、復帰後はまた快進撃が見られるかも。
8日に行われた山陽オーバーミッドナイトの優勝戦は37期の村田光希が制した。これは約一年ぶりとなる自身2度目の優勝だったが、試走タイム32の上がり3・429という素晴らしい数字をマークした。8月には準優勝があるし、6月のG2ミッドナイトチャンピオンカップでも準優勝と、注目の若手株となっている。来年1月からは待望の1級車乗りが待っているが、大きな飛躍が見られそうだ。
14日の山陽昼間開催では永島潤太郎が優勝したが、ここで準優勝だったのは三宅真央。0ハン単騎から必死に逃げていたが、青旗過ぎで交わされてしまった。2級車時代は散発的に勝利を挙げることもあったが、苦しんでいる姿の方が多かった印象。1級車に乗ってからも最初は思うような結果が出ないでいたが、5月に入るあたりから成績が上向いてきた。7月最初の川口開催では初日から連勝を決め優出。そこではフライングをしながらも3着に食い込んだ。その後も成長を遂げ、スタート面は不安がないし、スピード面でも磨きがかかっている。念願の初優勝を決める日も遠くなさそうだ。
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↑三宅真央選手
15日の伊勢崎ナイター優勝戦では37期の佐藤智也が準優勝。0ハンから悠々と逃げていたが、青山周平に捕まってしまった。ただ、捕まった後もそれほど離されることなく付いていけたのは一定の収穫。佐藤智はデビュー節で初勝利を挙げたものの、そこからは緩やかな成長と停滞を繰り返していた。それでも重走路では好成績を残すことが多いし、夏場に入ってからは良走路でも1着回数が増えてきた。着実に力を付けており、1級車乗りになるのが楽しみな一人。
最後に挙げたいのは福岡鷹。29日の飯塚オーバーミッドナイト優勝戦では圧巻の走りで優勝した。そのレースの中では最もハンデが重い大外からの競争だったが、グリップ全開の走りで前を走る車を全て捲ってみせた。2級車でレースをするお手本のような走りで、しかも上がりタイムが3・417。ただ逃げるだけではなく、追っていく競争でこのタイムは驚異的だ。来年1月から1級車になると、差しも使いやすくなるので走りの幅が広がる。乗り換わった最初の記念レースでも大注目の存在になることは間違いないだろう
文/高橋
黒川京介 No.1への道
2025年10月03日

川口所属の33期・黒川京介選手が、「川口生え抜きの選手」としては初の全国No.1への道を着実に登っています。
2017年にデビューし選手生活8年目となる新鋭選手ながら、爆発的なスタート力と独走力を武器に、瞬く間に川口オートのトップレーサーに成長しました。
グレードレースの優勝は14回(SG 1回、G1 4回、G2 9回)と、いまやグレードレースでは常に優勝候補に挙げられる存在となっています。
そんな黒川選手は、2025年後期適用ランクでは、前期から一つ順位を上げて、全国第2位となりました。全国第1位はご存じ青山周平選手ですが、2025年の黒川選手は絶好調で、先日の特別GIプレミアムカップを優勝するなど、青山選手を追い越すほどの勢いがあります。
長らく続いた「青山・鈴木圭時代」に割って入り、今やオートレース界は「青山・黒川・鈴木圭の3強時代」突入しました。
ところでオートレース界において、「全国競走成績」(全国No.1)という制度ができたのは2002年(平成14年)の事。それまでは、各レース場の1位(船橋A1など)が採用されていました。
初代の全国No.1は山陽の岡部聡選手。雨のSGを無敵の強さで獲りまくっていた頃ですね。その後は「絶対王者・高橋貢選手」が、全国No.1に君臨。そこに永井大介、中村雅人選手がトップに立っていきました。
しかし、川口所属の選手で全国No.1になった選手はいるのか、と思い起こして調べてみると、永井大介選手と中村雅人選手が、全国No.1に輝いていますが、船橋所属時代で、2016年前期には船橋オート廃止により、川口オートに移籍した中村雅人選手が、記録上では川口所属の全国No.1になっていました。
川口オートでデビューした生え抜きの全国No.1選手はまだいないのです。そこへ成長してきた黒川選手が、初めて全国No.1を獲得する事が現実味を帯びてきたように思えます。川口オートファンの悲願とも言えるでしょう。
2026年前期ランクの採点期間は2025年7月~12月。ランク決定には平均競走得点が中心となってくるのですが、フライングや反則による減点などもあり、12月31日まで誰がNo.1になるのかは分かりません。
2025年7月以降の青山選手と黒川選手、更に鈴木圭一郎選手のグレードレースでの活躍具合いを見ると、
【青山周平】
8月26日 飯塚G1ダイヤモンドレース優勝
【黒川京介】
7月21日 川口G1キューポラ杯優勝
8月3日 浜松G2ウィナーズカップ優勝
9月23日 山陽特別G1プレミアムカップ優勝
【鈴木圭一郎】
7月13日 山陽G2小林啓二杯優勝
8月15日 伊勢崎SGオートレースグランプリ優勝
と、黒川選手がグレードレースのタイトル3勝と一歩リードしているように見えます。ただし、黒川選手は10月29日からの飯塚SG日本選手権には、前年優勝戦でフライングをしたため出場不可となっており、青山、鈴木圭選手が巻き返す可能性は大いにあります。

黒川選手が全国No.1になるためには、日本選手権以外で好成績を積み重ね、年末のSGスーパースター王座決定戦で優勝する事が必要となってくることでしょう。
来る2026年に新たなNo.1が誕生するのか、現王者が地位を死守するのか、今後の戦いに注目です。
文/金子
Road Of Super Star 2025(プレミアムカップ終了時点)
2025年09月26日



今年末に開催されるSG第40回スーパースター王座決定戦へ10月29日~11月3日に行われるSG日本選手権を控えてトライアル16名の枠へ入るべく最終段階へ突入した。
SG全日本選抜で優勝の青山周平、オールスター優勝の佐藤励、グランプリVの鈴木圭一郎と3名は出場資格を有しており、残る椅子は13。
日本選手権を獲った選手はもちろん出場資格を得るが、現在ではSG・プレミアムカップ優勝戦ポイントで
黒川京介、金子大輔、佐藤摩弥、鈴木宏和、荒尾聡、中村雅人が上位に付けており、佐藤貴也や伊藤信夫、有吉辰也らも名を連ねている。
《SG・プレミアムカップ優勝戦ポイント順位》
1位...黒川京介 2位...金子大輔 3位...佐藤摩弥 4位...鈴木宏和 5位...荒尾聡
6位...中村雅人 7位...佐藤貴也 8位...伊藤信夫 9位...有吉辰也、高橋貢、篠原睦
※最終的な順位はJKA発表のものでご確認ください。
これに加えて各レース場の2025年1月~10月末の競走成績上位者が発表されるが、だいたいは重複選手が出る模様。
ゆえに、優勝ポイント最下位でも出場できる可能性があるのだ。ちなみにその選手とは長田稚也(現在3ポイント)。
その上に有吉辰也、高橋貢、篠原睦がおり、松尾啓史は点数は同じだがプレミアムカップだけの点数ゆえ順位としては12位となる。
下記のSG・プレミアムカップ優勝戦ポイントを参考にして、日本選手権優勝戦の出場選手が出揃えば、レースは無論のことポイント争いを別の視点から見るのも面白い。
なお、昨年に日本選手権を獲った黒川京介はフライングを犯しており、今回の日本選手権は出場できない。
ただ、上記の通り現在ポイント1位におりスーパースター王座トライアル出場は当確ランプが点灯。黒川は10月からの後期適用ランキングでS2となる。
不動といわれた青山周・鈴木圭の2強時代は幕を閉じ、これからは黒川や佐藤励をはじめとする川口軍団がオートレース界を引っ張って行くのか注目したい。

《SG優勝戦ポイント》
優勝...SS出場 2着...10 3着...8 4着...7 5着...6 6着...5 7着...4 8着...3
《プレミアムカップ優勝戦ポイント》
優勝...10 2着...8 3着...6 4着...5 5着...4 6着...3 7着...2 8着...1
(文/中村)
SGグランドスラマー
2025年09月19日
鈴木圭一郎がSGグランドスラマーの仲間入り!
2025年8月15日、鈴木圭一郎がまた新たな記録を更新した。現在5つあるSG競争のタイトルを全て獲得するSGグランドスラムを達成。史上7人目となるこの偉業だが、鈴木圭一郎はなんと30歳と8ヶ月15日で決めてみせた。これは片平巧さん(船橋19期・元オートレーサー)が保持していた33歳6ヶ月4日を上回り、最年少での記録となった。
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鈴木圭一郎はSGグランドスラムを達成するまでにSGで15回の優勝があったが、オートレースグランプリだけは獲得していなかった。同じくグランドスラム達成までに数々のSGで優勝していた高橋貢も、なぜかオートレースグランプリだけは縁が遠かった。しかし、2012年9月19日に、ついに大記録を達成。その後は2017年のオートレースグランプリで優勝し、ダブルグランドスラムをも決めている。
ちなみに、これまでダブルグランドスラムを達成しているのは先述の高橋貢を含めて4人。片平巧さん、永井大介、青山周平だ。オートレーサーになったらSG優勝は誰もが目標にするところだが、それを全てのSGで2度ずつ以上制しているのだから、これは大変な実績となる。SGは開催時期が1年の中でまんべんなくあるので、苦手な季節があってはならない。エンジン調整も含め、選手としての全戦力が備わっていないと成し遂げられない。
以前は現行のSG5競争の他に、SG東西チャンピオンカップという大会があった。この大会も含めたSGグランドスラム達成者は片平巧さんと高橋貢だけ。しかし、この大会は1997年から2000年までの4回しか開催されなかったので、他のSGグランドスラマーがこの大会を含められなかったのは仕方のない話。この大会は勝ち上がり方式がやや独特だった。タイトルネームにもあるとおり、優勝戦に進めるのは伊勢崎、川口、船橋の東地区から4名。浜松、飯塚、山陽の西地区から4名となり、極端な話、同じ地区から8名優出するということができなかった。オートレース界の最高グレードレースであるSGでこの勝ち上がり方式だと、やや公平さに欠けていると言わざるを得ない面があったせいか、わずか4回の開催で中止となってしまった。
話は戻るが、SGグランドスラム達成者は他に浦田信輔、中村雅人がいる。どちらも走りの攻撃力は高く、整備に関しても納得いくまで手を緩めないタイプ。やはり、偉業を達成するとなると、それなりの裏づけがあると言える。
鈴木圭一郎は今回、グランドスラムを達成したが、それを決めたオートレースグランプリ以外のタイトルはすでに3回ずつ以上制している。来年のオートレースグランプリで優勝すればすぐにでもダブルグランドスラムを達成できる。もっと言えば、その次の大会でも優勝すれば前人未到のトリプルグランドスラムをも達成できる状況にある。オートレース史の記録を次々と塗り替えている鈴木圭一郎は、これからも話題を提供し続けるだろう。
文/高橋


