新走路の特徴
2025年12月26日
12月21日に行われた浜松のG1スピード王決定戦は、鐘ヶ江将平の記念初優勝で幕を閉じたが、開催中はいろいろと波乱が多かった。まず優勝戦のメンバーだが、G1にしてはやや異色の顔ぶれとなった。準決が重走路で行われた影響もあるが、近年は全国ランク上位者で重走路が極端に苦手という選手は少なくなっている(以前はランク上位の選手でも重走路では全く乗れないという選手がいた)ため、それだけが原因とはなりにくい。となると、考えられるのは新走路となってから3節目の開催だった点が主な要因になりそう。
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↑写真はイメージです
以前から言われていることだが、新走路になってから数節までは、重走路になるとタイヤが食い付きにくくなる。そのため、通常の重走路のような走りをしているとコーナーで思わぬ滑りが発生してしまう。もちろん、各選手がそれを踏まえて競争をするのだが、どこまでコーナーを攻めていいのか把握するのが難しく、ハイスピードでコーナーを回ろうとすると大きく流れてしまうケースが少なくない。レースの序盤で先頭に位置することができれば自分の好きなグリップ開閉で走れるからいいが、後ろから追っていくとなると仕掛けるタイミングを図りづらくなる。こういったことが波乱を生んだ要因と考えられる。
また、重走路の時に限らずスタートで空回りするシーンが通常の時より多発する。これもタイヤが走路にグリップしづらい状況から生じるアクシデント。ただ、良走路ではレースが始まると強烈な上がりタイムが出やすい。良走路では回り出すとタイヤがしっかりとグリップするため、高速で走ることが可能になるからだ。ただし、この時もある条件をクリアすることが必要になる。
新走路ではセッティングが合った状態と合わない状態とで、エンジンの仕上がりに大きな差異がある。セッティングが合った状態ならコーナーの立ち上がりで思い切りグリップを開けられるようになるし、トルクも出てくるので加速感や最高速が高まる。逆にセッティングがズレていると車の進み方が悪くなる。新走路と呼ばれる期間を過ぎた走路では、セッティングが合う合わないの差が新走路の時より大きくない。浜松の新走路2節目は、高橋貢が上がりタイム3・337を出して優勝したが、これは高橋貢のこれまで培った調整力がなせる業ともいえる。しっかりとエンジンを合わせることが大切なのだ。
では、車券を買う側からすればどのようなことに注意したらよいのか。良走路に関しては試走タイムにエンジンの良し悪しがはっきりと表れるので、いつも通りで問題ない。重走路も基本的には試走タイムが参考になるのだが、実際に試走で走っている様子をよく見て、こわごわ乗っている選手や乗りやすそうに走っている選手を確認したい。そして、乗りやすそうに走っている軽ハン勢でオッズ的に人気になっていない選手を積極的に狙うと高配当をゲットできるかもしれない。新走路と呼ばれる期間は、はっきり決まっていないが、新しくなってから半年くらいまでであろうか。
文/高橋


