車名の由来 3

2024年05月24日

 車名を決めるにあたっての理由を聞いてきました。
 
 谷島俊行...ウンテブレカー。「(ウンテブレカーってどういう意味なんですか?)遮断機です。ええと、ウンテブレカーは、何語だっけなあ。ちょっと待って。ウンテブレカーはドイツ語で、ブリザール『以前に乗っていた車名』はフランス語です。(抜かせないぞ、とそういう思いで?)そうそうそう、自分が走ってるときに左足が出ていることを、みんながいじってくるから、その逆返しで、遮断機で、行かせないよっていう、止まってくださいっていう、そういう返しで。まだ使ってないけど、ほかの言語で遮断機も登録してあります」『走法的に左足をピンと突っ張ってコーナーを回る選手は何人かいるが、それが元で車名の由来になるケースもあるようだ』
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 木村悦教...クリームソーダ。「これね、俺らが中学ぐらいの時にすごく流行ったのよ。あのね、原宿のお店の名前で。小物とか洋服とか、ようは中学生が好きそうな。で、ちょっとおしゃれみたいな。(飲み物のクリームソーダではないんですね?)あのクリームソーダも好きだけどね。(けっこうお店には行ったんですか?)そうね、格好いいのが売ってるのよ。一応、1950年代のロックンロールみたいなアレで、店内にウッドベースが響いてるのよ。お店の近くに行くと、そのウッドベースが聞こえるだけでいい、みたいな。俺らの時はめっちゃくちゃ流行っていたよ」『昔を懐かしんで、思い出の店を車名にしている選手もいる』
 
 高橋絵莉子...フウコ。「由来は、伊勢崎は風が強いんですけど、自分がけっこう風が得意なのもあって。『風の子』でフウコと。(伊勢崎ホームで風に強いのはいいですね?)そうですね。他場の選手は苦戦する所なので。1、2コーナーからだいたい吹くんですけど、そっちの風は基本的に強いですね。たまに逆もあるんですけど。割りと周りにも得意だねって言われるので。あと、一番はアニメのキャラクターなんですけど、そこからも来てます。(どんなアニメですか?)クラナドってアニメの、好きなキャラクターで。(じゃあ、ダブルの意味があるんですね?)そうですね」『車名の由来にもなっている風。強い時ほど車券的に狙い目となるか』
 
 山本将之...サンフラワー。「特にはないですね。黄色い花を選んだだけなので。(黄色い花が好きなんですか?)そういうわけではないです。ただ、黄色から連想していって、花にしてみようと思ったんです。(好きな色は黄色なんですか?)黄色ですね、はい。(それは?)金運アップじゃないですけど、なんかそういうの聞かないですか。それで、黄色を選んでいるんです」『好きな色から、それに関係するものを選んだようだ』
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 中山光...ヒカルンデス5。「これは養成所で同期が考えてくれて、それで付けました。(このシリーズはずっと続けていくんですか?)そうなんですけど、9までしか入らないんですよ。文字数的に。(あと4回までは大丈夫ですね。6、7、8、9と)はははっ。(しかし、デビューしてから10年ぐらい経ちますけど)他の選手でいるのかな、10年も同じような車名なんて」『同期の仲間が決めてくれた車名を大切にしている』
 
文/高橋


 

体重管理

2024年05月17日

 体重管理の話
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 角南一如...「マックスは養成所で、体重増えてましたけどね。食べるのも飲むのも好きなので、食べる分、動くようにしています。レース場では朝と夕方に運動するようにしています。朝に運動するのはどちらかと言うと腰のためなんですけど、まあ、なるべく運動するようにしてるってのは、やっぱ、食べる分、食事制限で(体重を)落とすっていうよりは、動いてどうにかしてって感じです。ただ、歳とともに代謝が落ちてくるんですよね。やっぱり若い時より1キロ、2キロくらい増えています。でも逆に、落としすぎてフラフラするよりは、何かいい気はするんですよね。『以前、夕方練習の後とかに歩いているのを見かけましたが、今もやっているんですか?』今もなるべくやってます。朝に4周、夕方に6周とか、10周を目安にしてます。まあ家でも、どれくらいですかね、やっぱ、30分くらい、ランニングとウォーキングを合わせて1時間くらいするようにはしてますね。朝、決まったコースがあるので、河川敷を走ったりして、だいたい決まった所を走ってますね。それで、だいたい今日は体調いいなとか悪いなとか分かりますね。それもまあ、絶対しないといけないとなると、今度はできない時にストレスになるので、できるだけするようにって感じで。でも、しない日が続くと気持ち悪くなります。『素晴らしいですね』いやいや、そんなことないですよ。上には上がいます。そういうストイックさっていったら山陽では飛竜(山陽29期・丹村飛竜選手)ですね。『飛竜さんも昔から体形変わらず細いままですもんね』う~ん、どっちかって言ったら、昔よりも更に細いかも。『ミスターストイックですか』ですね。なかなかマネできないです。(自分とは)比べ物にならないくらい」
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 丹村飛竜...「食事、運動、まあいろいろできる限りやってます。『食べる量も多くしないでって感じですか?』いや、食べる量っていうより食べる質ですかね。『運動もけっこうされているんですか?』そうですね。夕方走ったり、空腹時の有酸素運動をやるようにしています。『それって何か勉強されてやっているんですか?』そうですね。空腹時が一番、脂肪燃焼しやすいので。『食べるものの質っていうのはどんな感じなんですか?』食べるものもそうですし、PFCバランスを守ったりとか、GI値の低いものを食べたり。まあタンパク質、脂質とかのバランスと、GI値ってのは血糖値が上がりにくいものを選んで食べたりとか。それだけじゃ体に栄養がいかないので、サプリメントを摂取したりとか。『ラーメンとかは食べないんですか?』食べません。そういうジャンクなものを食べるとしたらもう、チートデイじゃないですけど、何週間に1回とか、そうやって決めて食べますね。体に揺さぶりをかけるじゃないですけど、ちょっと停滞してる時とかは、揺さぶりかけて1回バンッと上げとこうかなと。『そういうやり方もあるんですね』まあ、人それぞれやり方はあると思うんですけど、自分に合ったやり方がいいんじゃないですかね。こればっかりは。元々、太りやすいので。『いろいろされてすごいですね』いやいや、全然。まだまだだと思います。まあ、この仕事につながると思ってやってるだけで。きついですけどね。何よりもお金がかかります。サプリメントとかもかかるし、食品にも気を使うのでお金かかるし、まあ家族には迷惑をかけますね。『その分は仕事で取り返してって感じですか?』まあ、そうですけどね。取り返せればいいですけど。『なんとなく角南さんが言っていたことが少し分かってきました。ストイックだと言っていたので』ほんとですか。知識だけはあるので。昔みたいに(減量を)がむしゃらにやってて、体調を崩すっていうことがないので今は。昔はがむしゃらに食事制限とかして、まあ、体重が落ちてるだけで、寒いし風邪も引きやすいし、抵抗力も落ちてたし、風邪はよく引きましたね。今は体調もいいし、いいんじゃないですかね」
 
 文/高橋


 

4月を振り返って

2024年05月10日

 
 4月の出来事
 
 【青山周平がまたまた...】
 月が変わって初旬、またとんでもない記録が達成された。青山周平が史上11人目の100V達成。それも、デビュー最短での記録を更新した。それまでは高橋貢が持っていたデビュー後13年0ヶ月0日だったが、青山はデビュー後12年8ヶ月8日で達成し、高橋貢の記録を塗り替えた。ちなみに、青山のデビューは2011年7月30日。初優勝は2011年9月2日。100V達成日は2024年4月6日である。本人のコメント「すごく嬉しいです。100Vは意識しないように、いつも通りやれることをやろうと思いました。少しホッとした気持ちと次に続く1勝に向けてまた頑張りたいです。レース道中は浅倉選手がすごく早いので冷静にいこうと思って走りました。地元で100Vを決められて、思い出に残るし良かったです。ファンの皆さんの応援のおかげで100Vを達成することができました。ありがとうございました。次の一走も頑張ります」
 
 青山はこの後、4月下旬にSGオートレースオールスターで101Vを達成。これでSGは通算16度目の優勝。SG優勝回数で歴代単独2位になった。
 
 【鈴木圭一郎が...】
 4月11日に鈴木圭一郎が自身3度目の10連勝を達成。「(10連勝を達成して)緊張していたので、1着が取れて緊張がほぐれました。明日もいいレースができるよう頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメント。
 鈴木圭はこの後も勝ち続け、4月26日に16連勝を達成。それまで中村雅人が持っていた連続勝利記録15連勝を塗り替えて新記録となった。「記録を更新できて嬉しいし、ホッとしました。ピットの中で、16連勝を意識するか、普通にレースに挑む気持ちでいくか、どういう気持ちで挑んだらいいか考えました。でも、16連勝の意識しかなかったです。レースは冷静にいけました。明日からもリラックスして気を引き締め直してまた頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメント。この後、2つ勝ち星を増やし結局、18連勝まで記録を延ばした。この数字は今後、なかなか抜かれないだろう。
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 【オートレース第38期選手候補生】
 4月15日にオートレース選手養成所で第38期選手候補生の入所式が行われた。21名(男子16名、女子5名)が入所し、9ヶ月の養成期間を経て正選手として登録される予定。第38期選手候補生代表として竹尾竜星候補生が「本日は、私たちのために入所式を挙行して戴き、誠にありがとうございます。候補生一同を代表し、御礼申し上げます。また、有難い御訓示並びに激励のお言葉を賜り、感謝に堪えません。私たち第38期選手候補生は、これらの教訓を肝に銘じ、諸規則を遵守し、礼節を重んじ、感謝と決意を胸に刻み、日々切磋琢磨しあい、皆様のご期待に応え、立派な選手となることを誓います」と力強く宣誓した。デビューまでの期間が待ち遠しい。
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 【レジェンド健在】
 4月29日に、飯塚オートレース場で開催していたSG第43回オールスターオートレース第3レースにおいて、篠崎実が1着でゴールし、自身が持つSG最年長勝利記録を更新(75歳63日)した。まだまだ走りは血気盛ん。今後も更なる記録更新に期待がかかる。
 
文/高橋

 

最終日の1着は...

2024年05月03日

 最終日の成績はその後の心の持ちように影響を与えるようです。そんな中、最終日1着を取った選手に心情をお聞きしました。
 
 60歳代選手A「最終日に1着だと、休みの間にちょっと気持ちが楽ですね。逆に着が悪いと次の開催までに何をやろうかと考えてしまいます。今も雨で勝てたけど、晴れがあまり良くないので、今度バルブを交換しようかなと思ってます。それでダメならクランクを換えようかと思ってます。予選中とかの大事なところで勝てないし、連対率が悪いですもん」
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 50歳代選手B「最後良ければいいけど、ダメな時は次に来て何の整備やろうかなって考えますよ。最後良ければ、次は何を上積みしようかなってなるけど、悪い時はどうやって調整しようかなって。いい時は上積みだけだからね。晴れのエンジンは重かった。回転が上がってないもん。まあ、バネと電気をやろうかな」
 
 50歳代選手C「そりゃあ気分いいですよ。最終日に惨敗して、家に帰って不機嫌だと嫁に文句言われますよ。【最終日の成績って大事ですね】大事ですよ。【今回は1着で良かったですね?】暗くならずにすみます。開催中はレース場にいる分、いいですけど。最終日はどうしても引きずってますから。1日、2日は引きずりますから」
 
 20歳代選手D「休み中は特に変わらないですけど、帰る時は気持ち良く帰れますよね。どんなレースでも1着は。一般戦だろうが優勝戦だろうが一緒だと思いますけど、今日は気持ち良く帰れそうです。【逆にエンジン状態が悪いまま節が終わった時ってどうですか?】いろいろ考えなきゃいけないですし、次のレースまでに何かパーツを換えようとかって感じにはなると思います。まあ今、自分もエンジン自体がいいわけじゃないので、現に一般戦モレしているし、何か改善しなきゃいけないんですけど。エンジンのベースが良くないですね」
 
 40歳代選手E「【最終日の成績が悪いと、その後、家で何か考えたりしますか?】一瞬だけ(笑)。そうじゃないとイライラじゃないですけど、家族にも迷惑かけちゃうので。次の開催ではアレをやろうとか思って、1回忘れて、整備日とかに来てやってる感じです。あまり家に持ち帰らないようにしています」
 
 50歳代選手F「何よりの薬です。気持ちがいいですね。どんなレースであれ。たとえそれが1Rでも何でも。まあ、それは後ろのレースに越したことはないですけど。最終日の1着は誰しもそうだと思うけど、次の開催に向けてのモチベーションも上がるし、その節、やったことが報われたと思って、何よりの活力源になります。なんだかんだ言って、これが1番です。【逆に最終日に成績もエンジンも良くなかった時ってどうですか?】考えちゃいますよね。でも、自分の場合はもう年齢的なモノもあるのか、若い頃に比べれば割り切って考えられるようにはなってます。若い頃は次に前検行ったら何やろうか、これやろうか考えちゃってましたね」
 
 70歳代選手G「最高の気分。【逆に最終日に悪い成績だと?】ガックリしちゃうよ。今は最高の気分。次の開催までいい気分でいられるからね」
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 優勝した50歳代選手H「いやいやもう、ほんと、僕らはもうこの歳だから、何にも変わらないですよ。仕事だから淡々と走るだけですよ。全然浮かれないですし」

文/高橋

 

なぜ、新人選手がすぐ活躍できるのか

2024年04月26日

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◆新人選手がデビュー後すぐに活躍するようになった理由◆

 今年1月のデビュー以来、各地で大活躍している新人37期生。

 その中でも伊勢崎の浅倉樹良(伊勢崎37期・24歳)はデビューから13連勝と、現全国No.1の青山周平(伊勢崎31期・39歳)のデビュー連勝記録を塗り替えて優勝。その後も優勝を飾り、現在通算18勝優勝2回と、今から将来のスーパースターを予感させる走りで、すでにファンを魅了しています。小柄で眼鏡を愛用している浅倉の強さと穏やかさのギャップもまた魅力だ。

 また、浅倉と同期の福岡鷹(飯塚37期・23歳)と、森下輝(浜松37期・24歳)もデビューから白星を重ね、福岡は1着16回、2着なし、3着1回、着外4回、優勝2回。森下は1着16回、2着5回、3着なし、着外1回、優勝2回(いずれも2024年4月15日現在)と、デビューからわずか3ヵ月足らずでの快進撃に、驚かされている。

 更に1期先輩で、2023年度最優秀新人賞を獲得した栗原佳祐(浜松36期・26歳)と、優秀新人賞を受賞した吉林直都(浜松36期・25歳)も、デビュー直後から絶大なインパクトを残す走りを見せてきた。

 ロードレースから転向した栗原佳は、デビュー直後から衝撃のスピードを見せ、ハンデも新人とは思えぬ早さで重くなっていった。関係者の中には「すでに技量は新人のレベルを超えており、規定の2年間の2級車乗車期間を改訂し、1級車に乗せるべき」という意見が出る程であった。
 デビュー半年でSGオートグランプリの出場を決めるなど、現在まで1着32回、2着27回、3着19回、着外50回、優勝2回と新人選手としては突出した成績を収めている。

 吉林も昨年、デビュー2ヵ月後に初優勝を遂げると、同年10月、11月にも優勝を飾り、現在は1着36回、2着10回、3着11回、着外69回、優勝3回と優勝数では栗原を上回り、最重ハンの20m前という2級車としては過酷な条件でも健闘している。

 これまでの新人選手は、養成所で最優秀賞を受賞するくらいの選手でもここまで記録的な活躍は見られなかったが、近年35期デビューの佐藤励(川口35期・24歳)辺りから、デビュー直後にすぐに活躍するシーンが目立つようになった。

 要因は何なのか...

 振り返ると、今年1月に第37期生の卒業式を取材した際に、養成所での訓練状況を説明する書類に気になる項目を見つけた。それは...、

〇走行訓練映像システムの増設
 36期から取り入れた走行訓練の映像システム(3・4コーナー撮影)に、1・2コーナーを撮影するためのカメラを増設し、日々の走行訓練終了ごとに走行フォームの確認、落車事故の原因究明等に活用した。また、GPSロガーを競走車に装着し走行軌跡や最高速度到達点を確認するなど走行技術の向上に努めた。
とあった。確かにVTRにGPSがあった方が、技術の確認やレベルアップにつながるであろう事は容易に想像できる。

 そこで、養成所の小俣所長に「36、37期のデビュー直後からの活躍は導入されたVTRシステムによるところも大きいのですか?」と聞くと、

「そうです!今までは候補生に指導するときも、教官の感覚による話でイメージがしづらかった部分もあったと思います。そこを候補生とVTRを見ながら指導、修正したりできるのは、大きかったと思います」とのことでした。

 選手養成方法が年々進化しており、養成方法がアップデートされているのが、デビュー後に早い段階から活躍できる理由の一つだったのでした。

 オートレース業界では、現在ツートップと呼ばれる青山周平、鈴木圭一郎が、長くけん引しています。
 しかしここへきて、その牙城を崩せるのではないか、と期待を持てる新鋭選手の登場で、近い将来、群雄割拠の若手がしのぎを削り、大いに盛り上がるオートレースになるであろう事に、今からワクワク感が止まりません。


(文/金子)

 


 

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