SG第39回スーパースター王座決定戦 トライアル戦出場選手16名発表!
2024年11月08日
今年の12/27~31に川口オートレース場で行われる『スーパースターフェスタ2024』。大みそかにスーパースター王座に輝くのは誰か? 下記のトライアル戦出場16名が11/4にJKAから発表された。各日11Rと12Rで8名ずつに分かれてトライアルが行われる。(枠番は未定)
【SG優勝者】
◎青山 周平 伊勢崎 31期 12大会連続12回目
第43回オールスター・オートレース(飯塚)
第28回オートレースグランプリ(伊勢崎)
伊勢崎競走成績第1位
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◎黒川 京介 川口 33期 2大会連続3回目
第56回日本選手権オートレース(川口)
川口競走成績第1位
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◎金子 大輔 浜松 29期 2大会連続15回目
第37回全日本選抜オートレース(川口)
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※11/4の日本選手権(川口)優勝戦でフライングを犯しながらも、ついにSGホルダーの仲間入りを果たした黒川京介。昨年末のスーパースターは先行も青山周平に捌かれ3着と涙を飲んだが、今年はリベンジも可能なモチベーションと川口のニューヒーローとして恥じない成績を挙げている。SS3連覇の実績がある青山周平は昨年に続く連覇を狙う。金子大輔は3つめのSGタイトルとなるか、動向に注目したい。
【各場の競走成績1位】
浜松競走成績第1位 鈴木圭一郎 浜松 32期 10大会連続10回目
飯塚競走成績第1位 荒尾 聡 飯塚 27期 21大会連続21回目
山陽競走成績第1位 松尾 啓史 山陽 26期 3大会連続12回目
※今年まだSGタイトルないのが不思議な鈴木圭一郎。No.1ランキングに返り咲いて年間勝利数も100を有に超えており、勝って2024年を締めたい。荒尾聡は2017年にスーパースター獲ってる。今年の選手権では優勝戦6着と不本意だったが、飯塚のトップレーサーとして徐々に動きはピークへ進んでいる印象。松尾啓史はSG無冠ながら、後半の追い込みは鋭いモノがある。今回の選手権ではスタート切れてたので不気味だ。
【SG・プレミアムカップ優勝戦ポイント上位】
SG・プレミアムカップ優勝戦得点1位 鈴木 宏和 浜松 32期 2大会連続2回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点2位 有吉 辰也 飯塚 25期 5大会連続11回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点3位 佐藤 摩弥 川口 31期 2大会連続5回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点4位 中村 杏亮 飯塚 33期 初出場
SG・プレミアムカップ優勝戦得点5位 中村 雅人 川口 28期 18大会連続18回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点6位 長田 稚也 飯塚 34期 2大会連続2回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点7位 若井 友和 川口 25期 3大会ぶり9回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点8位 加賀谷建明 川口 27期 2大会ぶり3回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点9位 佐藤 貴也 浜松 29期 2大会連続9回目
SG・プレミアムカップ優勝戦得点10位 木村 武之 浜松 26期 2大会ぶり16回目
※オート界のさらなる発展へ佐藤摩弥のSG載冠が望まれるなか、現状はワンパンチ足りないか。鈴木宏和は記念タイトルに無縁なのが不思議な選手で、特に全国区を誇るスタート力は魅力タップリだ。有吉辰也は言わずもがな、大舞台での実績は抜群。スーパースター初優勝へ見せ場を作りたい。今年の選手権でジャンプアップしたのは中村杏亮。ガチの選手権優勝戦3着は自信となったに違いない。SS台風の目となるかも。長田稚也も同様に川口の走路には合ってる感じで、スピードにも対応できるが、課題はスタートか。勝負強さでは中村雅人・佐藤貴也・木村武之も存在感アピールできる。もし、天候が崩れるなら加賀谷建明にもSG初Vのチャンスが出る。若井友和は気持ちに見合う機力になれば...。
《2024年スーパースターガールズ王座決定戦出場選手》12/27の初日に実施(枠番とハンデは未定)
ガールズトライアル平均得点1位 新井日和 伊勢崎 35期
ガールズトライアル平均得点2位 西翔子 浜松 35期
ガールズトライアル平均得点3位 伊東玲衣 川口 35期 初出場
ガールズトライアル平均得点4位 高橋絵莉子 伊勢崎 33期
ガールズトライアル平均得点5位 藤本梨恵 伊勢崎 32期 前年ガールズ王座決定戦優勝
ガールズトライアル平均得点6位 三宅真央 山陽 36期 初出場
競走成績上位1位 松尾彩 山陽 34期
競走成績上位2位 小椋華恋 川口 35期 初出場
※佐藤摩弥はスーパースター王座決定戦トライアル戦に出場予定で、上記8名による争いとなる。この中では記念ホルダーの小椋華恋、新井日和や松尾彩が重ハンからの戦いで経験を積んでおり追い上げ十分。三宅真央は独走態勢に入ると手が付けられないので、アタマか着外の評価。藤本梨恵は昨年に続くガールズ王座連覇を狙う。
「2024年スーパースターガールズ王座決定戦」出場資格
①ガールズトライアル戦平均競走得点上位者 6名
②上記①を除く、開催年の1月1日から10月31日までの10カ月間の競走成績上位者2名
なお、補欠選手(2名)は、ガールズトライアル戦平均競走得点上位者の次順位選手とする
(文/中村)
なぜ速く走れる!?
2024年11月01日
速く走れる選手とそうでない選手は何が違うのか
基本的に同じメーカー、同じ排気量(新人としてデビューしてからの一定期間は排気量の少ない2級車に乗るルールはあるが)のエンジンで競争しているオートレース。試走タイムや上がりタイムに差が出るのは、どのような要因があるからなのだろうか。筆者なりに考察してみたい。
まずはエンジン作り。その日の天候などによりエンジンの回転数に変化が出るが、それを細かい調整で最高出力を出せるように取り組む。キャブレターの調整、電気位置(点火時期)の調整、カム位置の調整、バルブスプリング(通称バネ)の調整などいろいろ扱える箇所がある。それが完全に合っている状態でもエンジンが上向かなければ、今度はパーツ交換などの整備に取り組む。簡単なところから言えばピストンリング(通称リング)の交換。他にもカムやキャブレターの交換、ヘッドの交換、シリンダーやピストンの交換、ロッドの交換、ケースやクランクの交換。これでもどうにもならなければ、エンジン本体の乗せ換えなどが行われる。エンジン状態の仕上がりの差は、試走タイムなどに大きく影響すると言っていい。
ただ、それよりももっと大事なのはグリップワークや乗り方ではないだろうか。オートレースの競争車はギアが2段階ある。スタートする時はローギアで、そこから数十メートル走った後はトップギアに入れる。その後はゴールするまでずっとトップギアのまま走ることになる。つまり、トップギアに入れてからはギアによるスピードの変化は起こらない。同じトップギアで走っている時にスピードの変化が起こるとしたら、グリップ開閉によるものとなる。スタートしてからゴールするまでの間、少しでもグリップを開けている時間が長い方がスピードに乗って走れていると言える。
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↓右足を乗せるステップの少し上にあるのがギア変動を行うチェンジレバー
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速いスピードで走れている選手は、コーナーの立ち上がりで早くグリップが開くし、コーナーに突っ込んで行く際、グリップを絞り始めるタイミングが遅い(少しでもスピードを落とさずコーナーに入っていく)。ただ、スピードに乗ったままコーナーを回ろうとすると、そうでない場合と比べて遠心力が大きくなる。つまり、コーナーの途中で車が外へ流れてしまうのが物理の法則。ここで大事なのが車のコントロール。車の乗り方や寝かせ方となるのだが、S級選手になるとこの技術が高い傾向がある。スピードに乗ったままコーナーを回っても、大きく流れることなく車の向きを変えて立ち上がり、直線を迎えられることになる。ここに各選手の技量が表れるのではないだろうか。
言葉で言うのは簡単だが、このグリップワークと車のコントロールがスピードの差、そしてタイムの差につながっていると思われる。オートレースの直線距離は想像以上に短い。コーナーをどれだけ減速せずに回れるかが、速く走れるかどうかの大きなカギとなってくる。
文/高橋
0mオープンの選手の心理
2024年10月25日
これからオートレース界は、SG日本選手権、SGスーパースター王座決定戦と、クライマックスに向かいます。
いずれも「0mオープン」でのスタート争いが車券のカギになってくると思います。
そこで、実際にSGレースでトップを争ってきた川口所属のN選手に、0mオープンでスタートを切る時の選手の心理を聞いてきました。質問に答える形式でお伝えします。
【Q1】SGで0mオープンを戦う時に、理想的なスタートタイミングはどのくらいですか?
【A1】そうだね、タイミング自体は0.05~0.10で切れて、なおかついい感じで伸びていく、のが理想かな。身体がそのくらいのタイミングに自然と反応するように感覚を慣らしていくのも大事だね。
逆に0.01~0.02というタイミングは狙って切れない。フライングをしたら終わりだからね。だから、0.05~0.10くらいを狙っているのに、実際には0.01~0.02だと感覚が合ってないという事だね。
また、自分がスタートが切れてないと思っているときは、タイミングを攻めてフライングになりやすい。
その点、地元の時計だとタイミングに慣れているから、地元選手が有利。伊勢崎や浜松はまた感覚がちょっと違ったりする。
【Q2】朝練習の時のスタートタイミングが0.01や0.02だと、レース本番でも切りづらくなりますか?
【A2】ビビッて切れなくなってしまうね。フライングになったらいけないと、身体が反応しちゃう。
【Q3】オープンレース用にセッティングを変えたりするんですか?
【A3】その人次第だと思うけど、自分はエンジンのセッティング自体は変えないね。クラッチのバネを強くしたりするくらい。
【Q4】レース場によって有利な枠とかはありますか?
【A4】僕はあまり感じないけど、どこの場でもやはり1枠だと思う。特に川口は外が利かないから内枠が有利になりやすい、くらいかな。
【Q5】1枠のメリット、デメリットはありますか?
【A5】1枠はやはり有利だけど、スタートに自信がないとダメだろうね。包まれたら2コーナーの立ち上がりもグリップが開かなくなって厳しくなる。その辺がデメリットかな。
《考察・補足》
Q1のスタートタイミングは、レース後に発表されますが、0.05(専門紙新聞の表示などは05)から0.10(新聞表示は10)くらいのタイミングが続いている選手が安定して切れていると言えます。
Q2の朝のスタート練習で、0.01や0.02だと本番で切りづらくなるというのは、スーパースター王座決定戦のトライアルでは朝練習のスタートタイミングが発表されるので、参考になるのでは。
Q4の1枠のメリットは、川口オートでは2コーナーの立ち上がりまでが捲りが利きづらく、特に1枠が有利との事で、元々のスタート力がある選手なら、多少試走は悪くても3連単圏内に狙って面白いかもしれません。
Q5の1枠のデメリットは、位置的に有利な1枠にはいったとしても、スタートが切れなければ゛、外枠にかぶせられて1コーナーまでグリップを絞らざるをえなくなり、2コーナーの立ち上がりまで影響してしまう、との事で、スタートで外枠より1車身以上遅れてしまう選手は、車券圏内に絡みづらくなりそうです。
0mオープンが増えるこれからのシーズン、選手の心理も予想しつつ、車券の的中に近づけていきましょう。
文/金子
37期・勝手に通信簿(若獅子杯を戦い終えて)
2024年10月18日
◎たいへんよくできました◎
福岡 鷹...24年4月9日の飯塚ナイターで自身2度目の優勝果たし、9月26日の飯塚ミッドナイトではV3を飾った。若獅子は予選→準々決勝戦を突破し準決へ進み4着。最終日も4着だったが、ここぞの準々決勝戦で1着取ったのは立派。勝ちを1つ増やし通算38勝と稼ぎ頭。今年のGPで10m前のハンデ経験してるが現在、最重ハンの20m前(若獅子準決から10m前)で健闘しておりこれからも精進して行くことだろう。
若獅子杯の成績《2・7・1・4・4 節間の本走最高タイム3.42》
田中崇太...父・田中茂がSGホルダーというプレッシャーはないと思うが、優出3回して準優勝が2度と、初優勝までもう一歩まで来てるのは確か。若獅子杯では準決へ進み節間3勝挙げており、経験値も上昇気配で将来の走りに期待が持てる。勝利数は25。
若獅子杯の成績《3・1・1・6・1 節間の本走最高タイム3.43》
森下 輝...フランチャイズの浜松が施設改善の工事で開催できず、遠征回りを余儀なくされている。0ハンから逃げるレースが少なくなり、追い上げるレースでも持ち前のグリップワークで勝利数は34と福岡に次ぐ。伊勢崎のGPでは雨走路1着、そのあと伊勢崎走路で雨3勝と天候に左右されない強みもある。現在、最重ハンの20m前。若獅子杯では準決進めなかったが、最終日のアウト戦は目を見張るものあった。
若獅子杯の成績《4・7・4・5・1 節間の本走最高タイム3.43》
○よくできました○
丹下昂紀...8月9日の山陽ミッドナイトで初優勝。波はあるが着実に力を付けており現在18勝と数は少なめだが、ここ最近の動きには目を見張るものがある。同期の村田光希をインから抜いたこともあり。若獅子では4日目にスタート落車して停止。2日目1着の内容が良かっただけに残念。
若獅子杯の成績《7・1・7・停・6 節間の本走最高タイム3.46》
村田光希...6月の川口で4戦3勝とキッカケを掴んだのか、その後に9月3日の山陽ミッドナイトで初Vを完全優勝で飾る。その前に飯塚で3連勝しており都合6連勝。勝利数も24といつの間にか上位級の力を付けてる印象。若獅子杯も初日2着と好発進したが2日目以降は見せ場なく終わった。
若獅子杯の成績《2・5・8・5・6 節間の本走最高タイム3.47》
北市 唯...地道に勝利数を伸ばしてる印象。特に0ハン単騎の逃げで力を発揮する。勝利数は14だが、2・3着も多い。若獅子杯でもタイムが足りず準決へは進めなかったが、着取りは安定。最終日はブチ走路で1着。
若獅子杯の成績《2・3・3・5・1 節間の本走最高タイム3.48》
●もう少しがんばりましょう●
浅倉樹良...デビュー13連勝とオート界に衝撃を与えたのは確かなのだが、ハンデが後ろになるにつれてスタートの甘さが露呈してしまう。さらには、前を抜こうとする意識が強い裏返しなのか、反則を取られたり挙句の果てには周回誤認の大失態。持ってる素質は優秀なだけに、近況の動きには不満残り評価を下げた。勝利数も23と伸び悩んでおり巻き返しなるか。若獅子杯は準決へ進めなかったが着はまとめており、これから走路が冷えてスピード勝負になるので楽しみにしたい。
若獅子杯の成績《3・6・1・5・2 節間の本走最高タイム3.46》
石橋啓士...今年7月に初優出を決めており。逃げがハマるととんでもないパワーを発揮する。勝利数も気がつけば17に。
若獅子杯の成績《3・2・7・6・4 節間の本走最高タイム3.47》
菅原すずの...山口と同じ川口所属。こちらも7勝と伸び悩んでるが、2・3着に残る粘り腰を持ち合わせており、時折タイム出す意外性もある。
若獅子杯の成績《7・3・5・2・6 節間の本走最高タイム3.50》
佐藤智也...主に逃げのレースが多いが、展開に左右される面もある。 もう少し地力を付けて後続を突き放すことができれば...。勝利数8、2着7、3着8。
若獅子杯の成績《6・4・5・6・5 節間の本走最高タイム3.50》
山口航太...川口所属で一時、勢いが付きかかったのも長続きせずタイムも物足りない。いまだ6勝と奮起をうながしたい。
若獅子杯の成績《8・6・6・8・5 節間の本走最高タイム3.50》
滝谷 圭...8月4日に初勝利。現在3勝のみだが、少しずつスタミナを付けており序盤の勢いを保てれば勝利数は増やせるかも。
若獅子杯の成績《6・6・3・7・8 節間の本走最高タイム3.51》
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【浅倉樹良】
(文/中村)
久しぶりに森且行の優勝が見たい!
2024年10月11日
2021年1月24日、飯塚オートで落車し、大怪我を負った森且行は長期間による休養とリハビリを終え、2023年4月6日に地元・川口で戦線復帰を果たした。復帰戦は白星、次のレースでも勝ち切り、不安視されていたレース勘は何ら問題ないと証明した。そして、復帰後3節目ですでに優出を決めてみせた。結果は8着だったが、これなら復帰後の初優勝もそう遠くない雰囲気を感じさせた。しかし、そこから優出する機会は何度もあったが、優勝まではなかなか到達していない(2024年10月10日現在)。
復帰後の優出回数は実に18回。その中には準優勝が6回含まれている。最初の準優勝の時は山陽の永島潤太郎に敗れてしまった。森にとって得意の重走路だったが、この時の永島は森の30M前からの競争だった。森は5車並んだ最重ハンからトップスタートを決め、早々と永島を追う態勢を作ったが交わし切るまではいかなかった。
次の優勝チャンスを阻んだのは武藤博臣。武藤は森の20M前に置かれていたが、この時の武藤は減量に成功し、スピードが増していた。レース中盤で抜け出すとペースを上げて走り、森の追い込みを僅かな差で振り切ってみせた。次は加賀谷建明。この時は0ハンに1車、40線に7車並ぶという珍しいハンデ構成だった。最内の森はしっかりと枠ナリスタートを死守し、0ハン単騎の伊東玲衣を追っていたが、その前に加賀谷に交わされてしまう。その後は離されながらも付いて行き2着入線だった。その次は佐藤摩弥が森の優勝を阻止した。最重ハン最内に置かれた森は、大外からカマシを仕掛けてくる佐藤摩を1コーナーで突っ張ってみせたが、バックストレッチで内側に潜り込まれてしまった。その後は巻き返しを図ったが、2番手に上がるのがいっぱいだった。5度目の準優勝の時は佐藤励の速攻に屈してしまった。20線に6車並んだ中枠からトップスタートを切った森だったが、やはり悪くないスタートを決めた佐藤励が2周1コーナーでインに突っ込んでいった。森は離れた2番手で入線となった。
そして、直近のレースでは再び加賀谷に敗れて準優勝となった。その開催では準決を終え、優出を決めた段階で優勝戦の日は降雨の予定だった。最近の重走路では無類の強さを発揮している加賀谷が断トツの優勝候補に推されていたが、優勝戦でも人気に応えて1周回った頃には先頭を走っていた。必死に食らい付いていた森が仕掛けのチャンスをうかがうが、最後まで逆転はできなかった。
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レース後に森は「滑るねー、みんな滑ってる。乾き始めで走路が滑るんだよ。俺のは直線いいけど、流れ込みがない。付いていこうとすると滑っちゃう。あいつ(加賀谷選手)足つかないのに突っ込んでいくんだよ。エンジン良くても勝てないよ。でも、食らい付いて行こうと思って。ちょっと入れそうな感じもあったけどね」と悔しそうな表情を浮かべながらも、相手の技量をリスペクト。談話の後半には「新聞に書いておいて!『2着だったら優勝って』」と冗談も飛び出した。
対する加賀谷は「(競争中)ビジョンを見ると狙われてるなと思って。ずっと森さんいたもん。俺、滑ってるし、いつかやられるなと思って」と、いつ抜かれてもおかしくないくらいプレッシャーを感じていたようだ。
負けた森も収穫があった様子で「とりあえず、これで選手権の晴れタイヤができた。(付いて行けたのは)そのタイヤが良かったのかも。いつもは離されちゃってるから。雨ならもう少し先を作らないと。これでまた一つ勉強になりました」と、50歳になった現在でもレーサーとしての総合力アップに余念がない。復帰後の初Vを迎える日は近い。
文/高橋



