10月の出来事
2024年11月22日
10月14日、新記録のニュースが飛び込んできた。この日に行われていたG2若獅子杯争奪戦の最終日に鈴木圭一郎が1着でゴール。この勝利で今年の1着回数が98回となり、これまで青山周平が持っていた年間最多勝記録を更新した。この時点での出走回数は123。つまり、123走して1着が98回と、驚異的な1着率を叩き出していた。
その時の鈴木圭のコメントを一部抜粋。「自分が持っている(年間最多勝利数)94勝は144走以上走っていると思うけど、今年は120走ぐらいで98勝しているので早かったと思います。次節はしっかり勝ち上がって100勝できたら嬉しいと思います」。ちなみに、この節の若獅子杯争奪戦では3日目に落車妨害で勝ち上がり権利を失っていた。そして、次節となったSG日本選手権では初日から連勝決め、10月31日にオートレース史上初の年間100勝を達成。その時の鈴木圭のコメントは「100勝は嬉しい。だけど、開催日数も増えているので、そのうち抜かれますよ(笑)」。大記録樹立に素直に喜んでいたが、謙そんする気持ちも忘れていない。確かに、ミッドナイトレースなどの増加により、開催自体が多くなり全体的に以前より1年間の出走回数も増えているが、とはいえ年間100勝を越えるのはなかなか厳しいだろう。ましてや125走で100勝など異次元の勝率だ。これまでの年間最多勝記録は2023年に青山周平が打ち出した97勝。この記録は135走してのものなので、今年の鈴木圭の1着率は際立っている。更に「今年はできるところまで伸ばしていきたい」と語っており、11月以降も1着を量産している。
10月中の最初の優勝戦は、2日に行われた伊勢崎アフター5ナイターでのレース。ここで優勝したのは白次義孝だった。今年は春先から夏場にかけて苦しんでいたが、9月の中旬から上向いてきた。そして、10月の上旬に約2年ぶりとなる優勝を決めた。スピードが持ち味の白次はこれからの季節でこそ活躍が見込まれる。
同じく夏場はイマイチだった木村武之は、5日の山陽ナイターで優勝。その後の17日の川口でも優勝し連続Vを決めた。下旬から始まったSG日本選手権では2日目に反妨したが、その後の4走はオール1着。エンジン的には完全に復調していた。
20日の山陽ミッドナイトで優勝したのは落合巧。その後のSG日本選手権では苦戦を強いられたが、次の伊勢崎では準優勝していた。一時、伸び悩んでいる時期はあったが、ここにきて再成長の兆しが見えている。
16日の伊勢崎アフター5ナイターで優勝したのは佐久間健光。今年はおおむねエンジンが安定しており、その後の伊勢崎ナイターでも準優勝している。以前は課題に挙げられていたスタートも、だいぶ改善されている。同ハンに数車並んでいても枠ナリには出て行けている。
26日の山陽オーバーミッドナイトで優勝したのは長田恭徳。長田恭は今年最初の節で落車し、長期離脱を余儀なくされたが9月から戦線復帰。そこから5節目で早くも復帰後初Vで完全復活となった。
ちなみに、10月29日はオートレース発祥の日だった。1950年10月29日に千葉県船橋市にある船橋競馬場のコース内側で初めてオートレースが開催された。それから74年間、多くのオートレースファンを賑わすレジャーになっている。
文/高橋