川口勢のSG優勝は?

2024年11月15日

 
 先のSG日本選手権は川口の若手・黒川京介の優勝で幕を閉じたが、川口勢のSG優勝は2020年に森且行が日本選手権を制して以来となる。久しぶりに川口にSGのタイトルを持ってきた黒川は立派。近5年のSG競争では青山周平と鈴木圭一郎のどちらかが優勝するケースが多く、先述の森の他では荒尾聡(飯塚)、金子大輔(浜松)、篠原睦(飯塚)が1回ずつ優勝している。
 
 黒川はこの後もSG戦線で活躍できることを証明したが、他にも川口の若手の中に将来性を感じさせる選手はいる。まずは佐藤励。2021年にデビューした佐藤励は、ここまで順調な成長を見せている。デビューしてからは3連勝。デビュー後10走中、1着が8本といきなり鮮烈な印象を残した。その後もメキメキと力をつけていき、自身初優勝がなんとG2若獅子杯争奪戦だった。優勝戦は0ハンに2車並んだ外枠に置かれ、スタートこそ内枠の選手に行かれたが、1周目で先頭に立つと後続をブッチ切ってゴール線を駆け抜けた。2級車ながら試走29、上がり417のタイムをマーク。大器っぷりを結果で証明してみせた。G2若獅子杯争奪戦は2024年にも制しているし、G1も2023年に山陽のスピード王を獲っている。これまで通算で14回の優勝があり(2024年11月8日時点)、SGで優勝するだけの舞台は整っている。そのSGでのこれまでの実績はと言うと、初出場となる2023年の全日本選抜の初日にいきなり周回誤認の反則。そのまま参加解除になった。ある意味、大物感を残したが、その後のオールスターでは準決に進めなかったものの後半3日間は3連勝。続くオートレースグランプリでは初日から2着を3連続で取っていた。ここでもSGで十分通用する走力を見せつけた。今年に入ってからもSGのシリーズ中に上位着を取るシーンは多い。
 佐藤励 3.JPG
 佐藤励の1期先輩になる上和田拓海もポテンシャルは高い。デビュー戦から4連勝を決め、前評判の高さを結果で証明。勝ち上がり権利発生後3節目で初優勝を決めてみせた。2021年1月から1級車に乗り換わり、その節で5日間オール1着の完全優勝を達成。2021年のオールスターでSG初出場すると、初日にいきなりSG競走で白星を挙げた。そこから頭角を現しそうな気配はあったが、SGでの優出はまだないし、近況はやや伸び悩んでいる感じがなくもない。ただ、本人の潜在能力は確実にあるので、それを発揮するだけの起爆剤があれば、もうひと皮むけるだろう。
 上和田拓海.JPG
 もはや若手とは呼べない域に入ってきている加賀谷建明も、SGタイトルを獲得できるだけの可能性を秘めている。2022年に一時休養する期間があり、戦線離脱していたが、復帰してからの活躍は見事だった。復帰戦となる飯塚のG1開設記念レースでいきなり優勝。これが初のG1タイトルとなった。続く浜松のG2オートレースメモリアルでも優勝し、記念レースで連続V。更にその後の地元では一般開催ながら4連勝で完全V。3節連続の優勝を決めていた。戦線復帰後は以前よりパワーアップした印象すらあった。現在では選手間でも雨巧者として高い評価を受けており、SGシリーズ中に雨が降ったり、優勝戦が重走路になるようなら悲願のSG初優勝も十分ある。
 加賀谷建明 2.JPG
 次に川口にSGタイトルを持ってくるのはどの選手か。
文/高橋

 

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