検査場のお仕事

2025年04月18日

 
 オートレースの競技が安全に執り行われるために、さまざまな人が運営に関わっています。今回はオートレースの車体の安全を確認する検車員の仕事について係りの方にお話を聞いてきました。
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 検車場にはバイクがずらっと並んでいます。バイクとバイクの間には十分なスペースがあり、ここに入って検査員の方がいろいろと作業をします。ちなみに、タイヤの部分に巻かれているのはウォーマーで、走路に出る前にタイヤ表面の温度が下がらないようにする器具です。
 
 -まず、検査ではどういった箇所の点検をするのですか?
 『ネジとかにヒビや緩みがないかとかを打検で確認します。その音を聞いて緩んでいたら、選手を呼んで締め付け直してもらったりします。あとはハンドルやフレームなどの一部が割れてたりしていないかを確認します。とにかく場所は全体ですね。フレームからエンジンの細かい所まで一ヶ所一ヶ所見ます。あとはオイル回りを見て、漏れがないかとか。それとガソリンタンクの中を見て、ガソリンを入れ忘れてないかとか。クラッチのワイヤーを見て、切れてないかとかですね』
-ごく稀に不具合がある時もあるんですか?
 『ありますよ。そうすると選手を呼んで締めてもらうんです』
-検査員の方で修正はしないのですか?
 『トルクとかあるし、本人の持ち物ですから選手自身にやってもらいます』
-タイヤの空気圧とかも確かめるのですか?
 『それはパンクしていないかを確認するぐらいです。空気圧は選手の好みもあるから、そこまでは確認していないですね』
-叩いて、音で分かるものなんですか?
『意外と分かりますよ。緩んでいるといつもと違う音がして、締まっていないのが分かります』
-検査員になるには研修とかあるのですか?
『とりあえず打検のテストをやります。練習用のバイクで、わざと何ヶ所かネジを緩めておいて、それで叩かせて気づくかどうかを確かめます。それをクリアしないと任せられないですから。いつテストをやるとか決まりはないんですけど、だいだい、検査課に配属されたら最初にテストをします。それで全部、間違いなく指摘できたら明日から叩きましょう、みたいな感じでやっています。開催中は一日あたり10人くらいでやってます。基本、バイクの両側に分かれてやってもらったりしています。でも、人が少ない時なんかは1人1台まるまる見ます』
-試走に出るどれぐらい前に検査をするのですか?
『例えば、今が8レース発売中だったら、9レースと10レースに出場するバイクを点検します。ですから、2個レース前には検車場にバイクを運んでもらうかたちです』
-こういった工程を経て、安全なレースが行われるのですね。
『そうですね。更に言えば、仮に検車場で見落としてしまった場合があったとしても、走路内のピットでも打検していますので、そちらで気づく場合もあります。二重三重じゃないですけど、何度もチェックして万全の状態にします』
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 オートーレースのファンには目に触れることのない作業ですが、検査員の方々の入念な確認があって安全なレースが執り行われます。
 
文/高橋

 

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