SSトライアルの流れ
2025年01月03日
2024年SSトライアルについて、前検日から王座決定戦の枠が決まるまでの流れを説明したい
前検日となる12月26日に川口オートレース場内の会議室において枠番選択が行われた。これはSSトライアルへの選考順位の高い選手から順に枠番を選んでいくというもの。大事な初戦の枠が決まるとあって、会議室内はひりひりとした緊張感に包まれる。実際には順番に選手が呼び上げられ、テーブルに置かれた各枠番の色の勝負服を手に取る。今年は11Rも12Rも結果的に選択順番通りに1枠から埋まっていった。各選手が枠番を選び終わると、施行者やJKAから注意事項の連絡が行われる。これは朝練のスタートに関することや、トライアルで1着を取った選手のその後のメディア対応の流れなどの伝達となる。
一通り説明が終わると、初日のトライアルの枠番に対応した勝負服を着用した選手が揃っての記念撮影が行われる。毎年恒例で、選手宿舎の中庭とも言うべき外からの陽光が差し込んでくるエリアに集合する。翌日の戦いを前に、各選手はいよいよテンションが上がってくる。
そして、初日を迎えトライアル戦が終了すると、2日目の枠番を決める抽選会が行われる。初日のレースは枠番『選択』で枠が決められたが、2日目から4日目までは枠番『抽選』となる。よく商店街などである福引きで使用されるようなガラガラと回る道具に白、黒、赤、青、黄色、緑、オレンジ、ピンクの小さい玉が入れられ、トライアル戦で着順が良かった順番に選手が取っ手を持ち、本体を回していく。出た玉の色がそのまま翌日の枠番になる。何色の玉が出てくるかは完全に運の要素になるので、飛び出した玉の色に選手たちは一喜一憂することになる。これが、2日目、3日目とトライアル戦の終了後に繰り返し行われる。
そうして4日間のトライアルを戦い終えると、競走結果に応じたポイント上位の選手がSS王座決定戦の枠番を選んでいく。ここではトライアル中の頑張りが反映されるように枠番『選択』となる。4日目のレース前の時点ですでに王座決定戦乗りが確定している選手はいるが、枠番選択順が早くなるように少しでもポイントを重ねようとするのはこのためだ。この枠番選択は、川口オートレース場のステージでファンも見ることができる公開で行われる。ここでも選択順1番の青山周平選手が1枠を選ぶと、その後も2、3と順番に埋まりそうだったが、7番目に選択順だった佐藤貴也選手が7枠ではなく8枠を選択した。7枠よりはスタートで明らかに不利な8枠を選んだことにより会場は大いに賑わった。それも、ただ単に会場を盛り上げただけでなく、実際に3着まで追い上げていたのでレースでもしっかりと見せ場を作っていたのは流石の一言。
文/高橋