2024年のオートレース その1

2025年01月24日

青山周平 10.JPG

鈴木圭一郎 10.JPG


 今回から数度に分けて2024年のオートレースを振り返ってみたい。


 まずは1月。前年2023年をSS王座決定戦5度目のVで締めくくり、年明け9日には通算5度目となる2023年の賞金王に輝いたことの発表された青山周平が、翌1月10日に伊勢崎G1シルクカップ優勝戦に勝利。そして1月24日には鈴木圭一郎が浜松G1スピード王決定戦を優勝。両者とも、その年の最初に地元で開催されるグレードレースを制したことになり、地元エースの面目躍如。2024年もこの両雄を中心にオートレースが回っていく予感を抱かせた。


 一歩あと戻りして1月9日。前年4月から訓練を積んできた第37期選手候補生12名がこの日に養成所を卒業。その中で養成訓練の最優秀賞を受賞した浅倉樹良(伊勢崎)、優秀賞を受賞した森下輝(浜松)と福岡鷹(飯塚)の3名が、それぞれ直後に迎えたデビュー戦以降、怪物ぶりを発揮することになった。
 浅倉樹良は2月15日、青山周平が持っていたデビュー最速優勝記録(デビュー35日)を塗り替える、デビュー22日目での初優勝。同時にデビューから無敗の10連勝も達成。2月28日にはこの記録を13連勝まで延ばして、デビュー無敗のまま2節連続優勝の快挙を成し遂げた。ちなみに勝ち上がり権利を得た最初の節に優勝したケースは、24期以降では史上5人目となる。
 森下輝は、勝ち上がり権利を得たデビュー3節目の初日を2着に敗れて、デビューからの連勝が6で止まるとともにその節の準決勝戦進出を逸したが、3月上旬のデビュー4節目は3日間を全勝して初優勝した。福岡鷹も勝ち上がり権利を得たデビュー3節目の準決勝戦が雨に苦しみ大敗したが、翌日の最終日から次節の3日間まで4連勝して初優勝。
 前年2023年にデビューした36期生からも栗原佳祐をはじめとする逸材が出現しており、オートレースの明るい未来を期待、確信させてくれた。


 2月のはじめに、高橋貢がまた記録を樹立した。小林啓二(引退)が持っていた従来の通算最多勝利数を超える1637勝を決めたのだ。通算V回数218とともに前人未到の領域を独走し続ける現役レジェンド、それが高橋貢という不滅の大スターである。


 中旬には山陽でG2若獅子杯争奪戦の決勝戦がおこなわれて、黒川京介が鈴木圭一郎と青山周平に完勝。下旬には川口SG全日本選抜にも優出し、一層の地力アップを印象づけた。その全日本選抜を制したのは金子大輔。自身9年ぶりとなる、3度目のSG制覇を果たした。この開催では35期の新鋭である佐藤励が1級車では2度目となるSG挑戦で6戦2勝を挙げており、のちに振り返ると、青山周と鈴木圭の2強で推移していた近年の状況に変化をもたらすターニングポイントがこの2月に潜んでいた。


 だがしかし、3月の川口G1開設記念グランプリレースは青山周、特別G1プレミアムカップは鈴木圭が優勝。そして4月には青山周がデビュー最速100Vを達成すると、鈴木圭はG1令和グランドチャンピオンカップも制して、プレミアムカップからの山陽G1連続Vを決めると、続くSGオールスター3日目の勝利で通算16連勝。オートレース新記録を打ち立てた。オールスター決勝戦は4着に敗れて連勝は18でストップしたが、この年の鈴木圭はその後も勝って勝って勝ちまくることになる。
 勝てば史上最多となった、鈴木圭のオールスター4連覇を阻止したのは、青山周。2016年以来2度目の大会制覇で、今後2度目のSG全日本選抜Vが成れば、ダブル・SGグランドスラムも達成することになる。


~中編に続く~

 

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