向日葵は大輪の花を咲かせるか?
2024年07月26日
6月19日の川口ナイトレース優勝戦。黒川京介は20メートル4車並びの大外枠、スタート巧者・小林瑞季の外からカマシを決めて快勝した。それから昼開催2節を経て臨んだ川口伝統のG1キューポラ杯。初日に大木光を豪快に捲って勝利した黒川は、7月15日の決勝では8車立て10メートルオープン戦の7枠、永井大介・佐藤摩弥・加賀谷建明といった強豪たちより外で、8枠には鈴木圭一郎と試練の位置に置かれたが、スタートをぐんぐん伸びて岩見貴史に続く2番手発進から3周で岩見を捲ると3.350秒で1着ゴール。2着の鈴木圭に1秒の大差をつける圧勝だった。
さかのぼって黒川は2月12日の山陽デイレースG2若獅子杯争奪戦にも優出した。この決勝も8車立て10メートルオープン戦となり、黒川は6枠。外は7枠に鈴木圭と8枠に青山周平。当時は鈴木圭が年末のSGスーパースター王座決定戦を皮切りに17走連続で2連対中、青山周はSS王座決定戦~G1シルクカップを立て続けに優勝したばかりで、両名とも充実していた。そんな状況で黒川は、ダッシュ力は全国ナンバーワンとも称される5枠・鈴木宏和の外から鋭く飛び出すと、道中いったん青山周に前へ出られる瞬間もありながら4周過ぎに先頭へ立ち、後続を引き離す一方的な展開。冬季とはいえ昼間の開催で3.324の猛スピードを発揮してみせた。
2021年のSGオールスターは鈴木圭が優勝、青山周が2着、黒川はS1・S2両雄の後塵を拝して3着。
2021年(秋)のSG全日本選抜は青山周が優勝、黒川は全く歯が立たず8着。
2021年のSS王座決定戦は青山周が優勝、黒川は2着。2023年のSS王座は青山周が優勝、鈴木圭が2着、黒川は3着。
2023年のSGオートレースグランプリは青山周が大会2連覇、黒川は鈴木圭には先着したが2着。
これらのレースにおける黒川は、先頭に立ちながら捌かれたり、不安定な走路状態に足を取られたり、2着とはいえ勝者にブッチ切られたりと、その時点での実力の違いや経験の差を見せつけられた感があった。しかし今季、特にキューポラ杯の勝ちっぷりを見て、若獅子杯のレース内容も合わせて思い返し、流れが黒川に向いてきている感があるし、あの頃よりレベルが上がっている印象を受けた。
オートレースグランプリは、これがSG初戴冠というシーンを数多く産み出している大会であり、今回チャンスの順番が黒川に巡ってくるかも知れない。
文/鈴木