試走のチェックポイント

2024年01月19日

  
 オートレースの予想にあたって、大事な要素になる一つが試走。1周回ってタイムを計測し、100メートルあたりを何秒で走ったのかが公開される。タイムだけを見ればどの選手が速く走れているかは分かるのだが、実際に走っている様子でどこを見ればいいのか。人によって重要視するポイントは違うが、そのポイントをいくつか挙げていく。
 
車間距離 
 まず一番分かりやすいのは車間距離。試走の入り口からゴールまでの間に、前を走る車よりも距離が縮まれば、その車は少なくとも前を走る車よりはエンジンが出ていると判断できる。8車一斉に走る試走で、その全体を見てどの車が前との差を詰めているかを一度に把握するのは経験がいるが、気になる1、2車だけに注意を払えば状況を掴みやすい。試走が始まる前の段階で勝ちそうな車をある程度想定し、試走で前後の車との距離の変動を見る。この方法だとよく分かる。だんだん慣れてきたら全体を見渡すような見方にシフトできればいい。それともう一つ、前を走る車との距離が近すぎると自分の走りたいところが走れなくなり、本来、走りたいところを走れていた時よりもタイムが出にくくなる。実質的にエンジンはタイム以上に良いとみていい。
 
コース取り
 次はコース取り。基本的に大きなコースを回った方がスピードに乗るし、タイムも出やすい(もちろん、しっかりとグリップを開けて回れていることが条件にはなるが)。逆に小さいコース取りになると、立ち上がりでスピードが乗らずタイムは出にくくなる傾向がある。そのため、試走タイムの数値は良くなくても、小さいコースを回った選手は数値以上の走りをレースでできる可能性がある。
 
試走の入り方
 コース取りとも関わってくることだが、試走の入り方も試走を見るポイントとしては大事。試走は助走を付けてゴール線を通過し、1周回って再びゴール線を過ぎるまでのタイムが計測される。試走の入り方で内線に近い方のゴール線を通過した場合は当然、コース取りは小さくなるのでタイムが出にくくなる。逆に外線に近い方のゴール線を通過して試走を始めた場合は、コースを大きく回れるので2コーナーの立ち上がりでのスピードの乗りが良くなる。
 
4コーナーを立ち上がってからのコース取り
 4コーナーを立ち上がってからのコース取りも選手によって違うので、試走での良し悪しを見極めるポイントになる。立ち上がってから外線の方に向かってグリップを開けていくようならタイムは出やすくなる。外線の方に向かわず、レースで走る時と同じようなライン取りならタイムは出にくくなる。
 
タイヤが滑っているかどうか
 試走で1周する間にタイヤが滑っているかどうかも気にして見てみたいポイント。特に立ち上がりや、コーナーに突っ込むあたりでひと滑りしているようならタイムは出ない。ただし、この判断は難しい。タイヤの選定ミスや、セッティングが合っていなくて滑りにつながっているならタイム通りの仕上がりとみていいが、ただ単に乗り手の操縦ミスならエンジンはタイムほど悪くないことになる。試走で滑りがあった影響でタイムが出ず、オッズ的に人気になっていないようならあえて狙ってみる、という手もある。
 
 オートレースの試走タイムはオッズの変動に大きな影響を与える。ただ、その数字自体を自分自身でどう取り扱うかによって高配当を狙えるチャンスが広がってくる。試走タイムが出ていない選手にそれなりの理由がありそうなら、その選手から買ってみると高配当をゲットできるかも。

(文・高橋)

 

最新記事

月間アーカイブ