10mオープンってなぁに?
2024年08月30日
オートレースは通常、0mに選手がいて、実力に応じて10mずつハンデキャップが付けられていく「ハンデ戦」と、全車が同一ライン上に並ぶ「オープン戦」がある。
そんな「オープン戦」で、特殊と言えるのが「10mオープン」。通常オープン戦と言うと、0M線に出走全車が並ぶことが基本だが、その名の通り10m線に全車が横並びとなるレースだ。
0mオープンとの違いは、10m線でハンデラインに角度がついているため、最内の1枠と大外の枠ではスタート直後の距離にかなり差ができる。実際に1枠と大外枠では2~3mは差があるのではないか。そのため、オープンと言いながらも、実質はハンデ戦の側面が強い。
10mオープンの競走が初めて行われたのは、2000年前後の船橋もしくは川口だったと記憶するが、その趣旨は「0~10mのハンデ戦にするには、0ハンが有利過ぎる」、「0m」オープンにするには、一部の選手の実力が抜きん出ている」というメンバー構成の時のバランスを取るためだったと思われる。
以後、10mオープンは独特の面白さがあり、定着していったが、車券戦術でも、0mオープン戦とは違った狙い方がある。それは「1枠選手」の連対が多い事だ。前述したとおり、10m線の角度を活かして、「1枠選手」がスタート後の1コーナーで先行や好位置につけるシーンが目立つ。それが、ややランク的にも格下で、普段は10m前に位置付けられている選手でも先行できてしまう事が多々あるのだ。
そして、10mオープンで先行した「1枠選手」は、0~10mのハンデ戦で0mからスタートをした時と同じ様な体系になり、結果的に「1枠選手」の連対する確率がかなり高まる。
選手の心理的にも10mオープンの1枠は気合が入る事が多いそうで、普段スタートが苦手だと語る某選手は「スタートを切る時に前に人がいると気になってしまうが、オープン戦はそれがないので、思い切って切れるし、1コーナーにも突っ込んで行ける」との事。
1枠は前に目標がなく、試走が出にくいうえに、格下でスタート力も高くなければ、車券的に嫌われるケースが多い。よって10mオープンの「1枠選手」は、試走タイムが多少劣勢でも、スタート先行からペースを握って好配当の使者となる事が多いので、車券戦術の一つとして覚えておいてください。
文/金子