若井友和選手の通算1000勝にまつわる話

2025年09月05日

 
 
 8月26日に若井友和が史上33人目の1000勝を達成した。この日は飯塚オートで行われていたG1ダイヤモンドレースの最終日だった。
 
 若井友和.JPG
 
 達成後のコメントとして若井は「初日からあと2勝なのは分かっていました。初日、2日目で1本取りたいと思っていたけど、厳しかったです。4日目は展開が良く勝てましたが、もう少し良くなればと思っていました。試走から感じが良かったです。みんなも今日行くしかないと応援してくれていました。
 本当に周りに支えられてきたのでみんなのおかげです。自分は養成所でもダメだったので、加藤所長と八木橋さん(師匠)の教えを忠実に守ってきて、気がついたらここまで来ていました。飯塚のファンもすごく喜んでくれて嬉しいですし、ありがたいです。忘れられない1勝になりました。これからもいつも通り努力して、次の1勝を目標に頑張りたいです」と述べた。
 
 シリーズ開催前から大記録は意識していたことだろう。そのプレッシャーの中でシリーズ4日目と最終日で連勝を決め、ついに快挙達成。本人のコメントの中には『養成所でもダメだった』とあるが、デビュー戦は2着。5走目にして初勝利を挙げている。その後も上位着を取り続け、デビューして3ヶ月後には初優出も決めている。2級車時代は重走路で初優勝を遂げ、1級車に乗り換わってからはすぐのお正月開催で優勝。1級車の最初の頃は反則や落車も少なくなかったが、着取り自体は安定していた。優出や優勝も順調に増え、2002年の地元G1開設記念グランプリレースでグレード初制覇。そして、2004年には地元開催だったSGオートレースグランプリでSGタイトルを初獲得した。
 
 それからも川口を代表する選手の一人として、地元選手を鼓舞し、オートレースファンを沸かせ続けた。レーススタイルとしては的確で堅実な捌きを武器に、大混戦になるようなレース展開でも1車ずつ冷静に交わしていく走り。主戦車の車名である『モエルトウコン』が示しているようにガッツある走りが大きな魅力。しかしながら、レース経験に比例して、走りはクリーンさを増し反則行為や落車がほぼなくなっている。安定感ある走りやレース運びは若手のお手本となるほど。
 
 さて、通算1000勝の大記録だが、最初に達成したのは山陽のレジェンドレーサー・秋田敬吾さんで、1986年11月16日に決めている。秋田さんはその後、2005年7月25日に通算1500勝をも達成している。デビューしてから最速で1000勝を決めたのは『ミスターオート』の異名を持つ飯塚将光さん。デビュー後18年と223日で大記録を樹立した。先述のとおり、1000勝達成者は33名だが、1500勝を越えているのは秋田敬吾さんの他に小林啓二さん、篠崎実選手(川口9期)、鈴木辰己選手(浜松13期)、岩田行雄選手(伊勢崎15期)、高橋貢選手(伊勢崎22期)と6人いる。

 ちなみに2025年9月2日の時点で青山周平選手の勝利数は983。今年中にも通算1000勝を達成しそうで、更に青山周平選手は今年がデビュー15年目なので、最速記録を更新しそうだ。
 
 文/高橋

 

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