飯塚オート・新メインスタンドがオープン
2025年06月27日
昨年12月17日のGI開設記念(ナイター)最終日で有観客レースを終え、ミッドナイト開催は今年1月29日まで続いたが、あとは主に場外発売を行っていた飯塚オートレース場が令和4年からおよそ3年の月日を経て、6月21日のナイター開催から新しいメインスタンドに変貌を遂げ、お披露目となった。
今までは1Rの発走時刻は一般ナイター開催だと15:00なのだが、「スマートリレー」の試行期間ゆえに1R発走は16:25に変更された。そのナイター開催の1Rでいきなり3連単20万超える配当が飛び出し波乱の幕開けに!
それだけでは済まず、5Rでは3連単17万超えの配当(その間にも5万円台あり)。とどめは8Rに311万4160円の超弩級配当。これはオートレース史上5番目に高い配当となった。(ちなみに1位は2006年5月22日・伊勢崎12Rの1572万1720円)このあとは9R・10R・11Rと3連単3ケタ配当で固く決着。最終11R発走は20:50と通常より遅い時間。そして、この後にオーバーミットナイトが行われ山陽オートへ場所は移る。
一夜明けて飯塚オート2日目は6月22日。川口でデイレース初日が行われ最終11Rの発走は16:15。ここからリレーが始まり飯塚オートの1R発走は16:25と若干せわしない印象は受ける。今まではデイレースの9R~12Rとナイター1R~3Rの時間が重なっていたことを考えると、たしかに「スマート」にレースは移行してるようだ。飯塚ナイターが終わり山陽オーバーミッドの8R発走は24:30。
この日だけで川口デイレース1R...10:56~山陽オーバーミッドナイト8R...24:30、全レース参加すれば11R+11R+8R=じつに30Rになる。
6月23日にナイター3日間が終わると24日からミッドナイト連続開催の幕開け。ナイターで優勝した荒尾聡は不在だが、有吉辰也・篠原睦が優勝戦へ進出(25日現在)。ミッドナイトも11R制で行われ、1Rの発走は19:20。最終11Rは23:40だ。通常の飯塚ミッドナイトは8R制だったことを考えると3R分余計にオートを楽しめるのだが、1Rは薄暮の状態で正直「ミッドナイト」の雰囲気はない。レース数が増えるので売上的には上がるのだろうが、筆者個人の感想としては「ミッドナイト」は遅い時間帯でのレースがふさわしいのでは。
とにもかくにも試行開催「スマートリレー」は7月13日まで。凝縮した日程ゆえにお財布事情と照らし合わせながら、オートレースを楽しんでくださいね。
(文/中村)
【飯塚オートレース場メインスタンド施設概要】※JKA発表
〇オープン:令和 7 年 6 月 21 日(土)飯塚ナイター開催
〇構造:鉄骨造 3 階建(一部 4 階写真判定室)
〇延床面積:2,532.04 平方メートル
(1F 998.74 平方メートル、2F 902.47 平方メートル、3F 611.63 平方メートル、4F 19.20 平方メートル)
〇1F 無料スペース、発売ホール(モニター、投票機、授乳室、喫煙室を配置)
屋内ベンチ、屋外観覧席(300 席)
〇2F 有料観覧席
個人テーブル席:98 席 500 円
ペアシート席:54 席(27 シート×2 人) 1,000 円
グループ席:9 ブース(5 人程度) 2,000 円
ラウンジ席:2 室(8~10 人程度) 3,000 円
車いす席:3 席 500 円
〇3F 開催本部、審判室、番組編成室、集計センター、放送スタジオ等
「スマートリレー」始動!
2025年06月20日
6月~7月限定での「スマートリレー」が実際に行われたので検証してみましょう。
デイ、ナイター、ミッドナイト開催において、発走時間帯が重ならない、「オートレース スマートリレー」はレース数を11R制で実施し、デイ開催・ナイター開催においては8車立て、浜松アーリーレース、川口ナイトレース、飯塚・山陽ミッドナイトオートレース においては、7車立てで行う。
6月13日、浜松アーリーレース2日目で一日が始まる。1R発走は9:30、最終11Rは13:45。鈴木宏和が勝って締めた。この日は本場入場1,029人、売上は87,959,600円だった。
そのあと伊勢崎ナイター「稲妻賞」3日目の1R発走は14:13。その間、約30分あり車券の購入にも余裕。1Rは木村享平が逃げ切った。最終12Rは20:43に変更され、金山周平が青山周平の追撃を振り切って3日目は終了。伊勢崎本場の入場は2,098人、売上は201,601,600円。
オーバーミッドの1R発走は21:22。ここも約30分間空いており、記念の余韻を残しながら、場所を山陽へ移動。濡れ走路を田方秀和が勝利し、最終8Rは24:30。雨巧者の山本智大が藤本剛を交わし逃げ切った。ミッドナイトは無観客なので入場は0人、売上は166,138,200円と結構売れてる印象。
◎6月13日(金)
浜松アーリーレース4日間の純売上は 337,465,400円(1日平均 84,366,350円)
伊勢崎GII「稲妻賞」5日間の純売上は 1,201,992,400円(1日平均 240,398,480円)
山陽オーバーミッド3日間の純売上は 455,080,200円(1日平均 151,693,400円)
比較としては、5月22日に浜松アーリーレース、GII川口記念ナイター、山陽オーバーミッドナイトがある。もちろん、この時点ではスマートリレーは実施してない。
浜松アーリーレース1Rは9:34~最終9R発走は13:55。この日は天候にも恵まれず本場入場は956人、売上は56,633,400円とさびしいものに。
川口記念の1Rは14;43。最終12R発走は20:45。本場入場は1,970人、売上は204,764,000円だった。
山陽オーバーミッドは準決日。1R発走は21:22で同じ開始時刻。8Rも24:30とスマートリレーと終了時刻は変わらない。売上は139,879,900円だった。
◎5月22日(木)
浜松アーリーレース4日間の純売上は 339,106,300円(1日平均 84,776,575円)
GII川口記念5日間の純売上は 1,224,588,000円(1日平均 244,917,600円)
山陽オーバーミッド3日間の純売上は 488,507,000円(1日平均 162,835,666円)
浜松アーリーレースはスマートリレー導入後と売上的には変化はないが9R~11Rへ2R増えたことを加味すると、1レース平均の売上は9R制の方が多い。
記念レースは伊勢崎と川口のレース場が違うため、単純には較できないが、同等と言えよう。
山陽オーバーミッドに関しては安定した売上を示している
こうして文章にしてみると大差はないように思えるのだが、実際としては確かにスマートリレーの方が流れがいい印象は受けた。
皆さんは「スマートリレー」どう思われましたか?
(文/中村)
車名の由来 7
2025年06月13日
君和田裕二...プンバァ2。「いつものディズニーシリーズからです。この前は『ジーニー』で、今回はライオンキングに出てくるイノシシの『プンバァ』です。(2を付けたのは何でですか?)いつも2は付けるんですけど、お守りのナンバーなんですよ。全部2を付けるようにしてるんですけど、そうするとみんなに1があるのか?って言われるんですけど、ないんですよ(笑)。(ディズニーは好きなんですか?)子どもが小さかった時に最初付けて、車名をまとめようとするとディズニーシリーズならいっぱいあるなって思って、それ以降付けてるんですよ」
浅田真吾...ウーパールーパ。「元々、最初に1級車に乗った時に『ランドシャーク』っていう車名にして、そのシャークからのつながりで次につけたのが『ベルーガ』っていう自分の地元の水族館で有名な白イルカなんです。そういうのを踏まえたら水族館シリーズになっちゃって。他にも『マンタ』とかも思ったんですけど、ウーパールーパーも水族館で印象深かったし、かわいいし好きなんで車名にしました。ほんとだったら『ウーパールーパー』ってしたかったんですけど、車名は7文字までなので、しょうがなく『ウーパールーパ』にしました(笑)」
広瀬勝光...フドウシン。「不動心は吉岡さん(元競輪選手・吉岡稔真さん)の座右の銘を頂戴しました。吉岡さん大好きなので。おととしに新車で『タツヨシ』っていうのも乗ったんですけど、全く出なかったので(笑)。『フドウシン』が一番、自分には合うと思ったので今も乗っています」
田辺誠...リフザファンク。「友達の昔のメールアドレスです。一緒にオートレーサーの試験を受けた人がいて、その人のです。今はそのメールアドレスを使っていないと思うんですけど、高校の時からの友達で、当時は1週間のうち5日くらいは一緒に遊んでいたぐらい仲が良かったんです」
高塚義明...ウラジツ9。「出身校から付けたんです。自分、浦実(浦和実業高校)の野球部だったので付けました。9は野球のナインという意味で。この前、春の選抜で甲子園に出ていましたよ。それがあってかどうか分からないですが、エンジンも良くなりました(笑)。野球は小中高とずっとやっていました。高校は自転車で3、40分かけて通っていました」
町田龍駿...R・ドラゴン。「元々、デビューした時に『ターボドラゴン』だったんですよ。ターボっていうのは地元の自分のあだ名で、ドラゴンは自分の名前の龍駿の龍から取って付けたんですけど、そこから『T・ドラゴン』に変わって、今の『R・ドラゴン』は息子が生まれた時に、りょうまと名前を付けたので、Rに変えたんですよ。ただ、今、悩んでいるんですよ。娘もいるから、また車名を変えないといけないかなと思って」
上原大輝...ビッグ・グロー。「自分の名前から付けました。『大きい』に『輝く』なので、それを英語に変えて付けました。最初、エンジンに名前を付けるんだと思って、どうしようかなと思ったんですけど、最初はこれでいいかなと思いました」
文/高橋
落車後の作業について
2025年06月06日
オートレースに落車はつきもの。そこで今回は落車した後の競走車の修理作業やその様子についてお伝えしたいと思います。
落車が起こったあと、負傷した選手はそのまま医務室にて診断、治療が施されます。軽傷や無傷の場合はそのまま自分のロッカーに戻りますが、重症の場合は救急車で病院に搬送されます。
競走車は検査場という所に運ばれてきます。
検査場に運ばれてきた競走車。時にはハンドルが曲がり、時にはフェンダーが飴のようにひしゃげ、時にはタイヤのスポークまで折れて飛び出している事もあり、落車時の衝撃の強さに驚かされます。(もし、こんな衝撃が人体に直接加わったら...)と身震いする思いです。改めて、選手は命がけで走っているのだと気づかされます。
競走車は、各レース場の競走会の検査課の方が破損している場所をチェックします。この時、被害落車した選手の競走車の、破損場所の部品は全額修理代が保証されます。ただし上限金額はあるとの事。また、落車妨害した選手の競走車も一部は保証されるようです。
ギリギリの所を攻めて競走をしている以上、事故はつきもので仕方ないのですが、部品の保証はあったとしても、ケガ以外に、エンジンのバランスが崩れてしまい不調になったり、ヒザ当てと言われるバイクを膝で抑えるバーが破損して、乗り心地が悪くなるなど、選手は「落ちなくて(落車しなくて)良かったー」という声が良く聞かれます。落車した後の後遺症がけっこう大きいからですね。
さて、検査課の検査の後、5~10名の選手が一斉に落車した選手のロッカーでの修理に集結します。その姿はまるで、人間がケガをして出血した時に、傷口をふさごうと一斉に集まってくる白血球のようです。(わたくし、某映画に影響されすぎですね...汗)
主に落車妨害をしてしまった選手が、被害を受けた選手の競走車を直すシーンが多く見受けられます。ただ、落車妨害をした本人が負傷してしまった場合は、同じ整備グループの選手が、代わりに競走車を直す姿が通常のシーンとなります。
また、遠征車の場合は多少ルールが違うようで、たとえば川口に遠征に来ている山陽の選手が落車した場合、同じく遠征で川口に来ている山陽の選手が派閥、年齢関係なく修理を手伝うといった流れのようです。
それゆえに、落車した選手が翌日勝利した時の勝利者インタビューで「周りの人に競走車を直してもらって(出走できた事を)感謝しています」というコメントが聞かれたりするのです。
山陽のベテラン選手は「自分らの若い頃は、今みたいに派閥を超えて修理しに行くことはなかったんだよね」と語ります。以前は「派閥内で修理する、派閥以外の手は借りない」という、矜持というか結束も強かったのでしょう。
落車は「百害あって一利なし」に近いのですが、まれに「落車してフレームを換えたら、落車する前より乗りやすくなった」という事が聞かれます。
これは、フレームの悪さ(経年劣化や輸送によるゆがみやひびなど)が乗りにくさの原因であったが、なかなか気づく事が難しく、落車によってフレームを換えざるを得なくなったことにより、乗りにくさが解消したというケースです。
(文/金子)