最終日の仕事
2024年05月31日
オートレース場、最終日の流れ
オートレーサーはレースをするだけではなく、他にもやることがたくさんある。それも最終日となると次の戦いの場へ向けての準備が...。
まず当日のレースが終わるまでは基本的に最終日前日までとそう変わらない。その日のレースに向けてタイヤを準備したり、選手によってではあるが、試走路と呼ばれるエンジン音を確認するために簡単な走行ができるエリアとロッカーを行ったり来たりして調整を繰り返したりする。もちろんレースが始まるちょっと前には競走車を検車場に出し、フレームなどに不具合がないか検査員に点検をしてもらう。やがて出番がやってきて、試走が終わるとピットで待機し神経を集中する。
そしてレースが終わると、自分で競走車を自分のロッカーまで押していく。ちなみに、新型コロナウィルスが蔓延する前は、レースが終わった選手の競走車やヘルメット、手袋などをその選手の仲間(ロッカー所在地が同じ選手や同期、整備仲間など)が受け取って、その選手のロッカーまで運んだりしていた。いわゆる、レース後のお出迎えは現在、新型コロナウィルス感染予防のため、行われなくなっている。
レースを終えた選手は自分のロッカーで整備道具、レース中に着ているつなぎ、タイヤなどの荷造りを始める。ひと通り終わると、運送会社のスタッフが競走車、整備道具などが入った梱包、運びやすくまとめたタイヤなどを引き取りにくる。それらの物は、その選手ごとに次に出場するレース場の札を付けられ、大きなトラックに運び込まれていく。
消音マフラーを装着して行われる開催の場合はこなす業務が一つ増える、消音マフラーはレース場ごとの持ち物なので、最終日のレースが終わると競走車から取り外し、所定の場所に返却しなければならない。消音マフラーを所定の場所まで運ぶ作業は、主に新人選手や若手が行う場合が多い。消音マフラーはそんなに軽くないので、これがそこそこの重労働。
そうして全ての作業が終わった選手は参加解除となり、レース場を後にする。ただ、例えば第3レースで競走を終えた選手であっても、仲間の選手が後半のレースで走るような場合は、その仲間の選手がレースを終えるまでは待っているケースもある。特に仲間が優勝戦に乗っている場合はその傾向が強い。いつも整備などを手伝ってくれる仲間がもしも優勝したら、一番に祝福の言葉をかけたいというものだろう。
開催を終えた選手は、しばし休息に入る。次の戦いに向けて万全の状態で臨めるために。しかし、最近ではリレー開催が増えている。例えば、5月19日から飯塚でナイターの3日間開催があったが、その最終日の21日がそのまま飯塚ミッドナイトレースの前検にもなる。この場合、連続で参戦となる選手は飯塚オートレースに居残りで、休息もなくすぐに次の戦いが始まる。選手の方々はオートレースファンへ興奮をもたらすために、まさに身を粉にして働いている。
文/高橋