オートレースドキドキコラム

2024年度前期ランクを考察

2024年03月22日

2024年度前期ランクを考察

近年は青山周平鈴木圭一郎のどちらかがナンバー1を獲得している全国ランキングだが、2024年度前期は青山周平が1位になった。これが2期ぶり9度目の全国1位となる。

青山周平の活躍ぶりはあえて述べるまでもない。昨年は最優秀選手賞にも輝いたし、年間最多勝利記録も塗り替えた。SGを含め記念レースでも好成績を残し続けた。走りの力強さは随一で、厳しいレース展開になっても強引に打開していく芯の強さがある。車券を買う側から見れば頼もしい存在だ。鈴木圭一郎は2位に陥落したが、高い連対率を誇っているし記念レースでも上位着でまとめている。

地区別で見ると川口に大きな変化があった。ここ近年は中村雅人永井大介が1位を争うことが多く、2期前は加賀谷建明、3期前は若井友和が1位になっていたが、2024年度前期は黒川京介が川口のナンバー1に始めてなった。更に言えば全国ランクでも3位に入る大躍進。前期の20位からは大幅なジャンプアップとなった。未だSGタイトルこそ取れていないが、あと一歩というところまでは辿りついている。SG未冠組の中では初Vに最も近い選手になっているのではないか。業界に新しい風が入る意味でも、黒川京介の川口ナンバー1奪取は嬉しいニュース。同じ川口地区では佐藤励が初のS級入り。前期はA級の100位だったので、こちらも急激な成長を感じさせるランクの変動。ランクの審査期間である2023年7月1日から12月31日までに9回の優出があり、その全てで連対している。その内、優勝が6回。その中にはG1とG2が1回ずつ含まれている。まだまだ成長の余地が大いにあるので、今後の走りにも注目だ。

伊勢崎地区は青山周平が10期連続でナンバー1だが、今期から初のS級昇格となる選手がいる。33期の伊藤正真だ。伊藤正真は数期前からA級の上位につけることはできていたが、S級になるのは初めて。言わずと知れた2世レーサーだが、実父の伊藤正司とは走りのタイプが真逆で、大外をブン回ってスピードを上げるスタイル。1級車乗りになってから課題点を一つずつ解消させている印象がある。スタートが安定して切れるようになってきたし、2023年5月からは重走路での成績が飛躍的に上がっている。いずれは伊勢崎を背負って立つレーサーへとなっていくだろう。

飯塚地区は有吉辰也が2期連続4度目の1位。それまでは荒尾聡が8期連続で1位を維持していたが、有吉辰也がここにきて盛り返しを見せている。大きなケガを乗り越え、少しずつ以前の動きを取り戻してきたが、ここ数期は全盛期の走りに近い状態になっている。若手では長田稚也が前期の17位とほぼ同じの18位。中村杏亮も前期の14位近辺の19位。この両者が将来の飯塚地区を担っていくか。

山陽地区は丹村飛竜が3期ぶり5度目の1位。エンジンの急激な変動が少なく、一度下降すると苦しい時期が長く続くこともあるが、その反面、好調時には1着を量産する傾向がある。基本的にスタートは切れるしスピードもある。特に重走路では高い1着率を誇っている。山陽地区では若手のS級選手が不在だが、永島潤太郎山本翔山本将之などは次期S級へ向け力を付けている。


文/高橋


 

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