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競馬のプロが語るダービーとは

斎藤修氏

斎藤修さん

地方競馬雑誌「ハロン」元編集長。現在は「ウェブハロン」でダートグレードをはじめとする地方競馬の取材記事を執筆。グリーンチャンネル「地方競馬最前線」解説。夕刊フジに、地方と世界の競馬に関するコラム「Global&Local Racing」を連載中。

斎藤修さんが語る「ダービー」とは

ぼくは競馬の仕事の中でも、地方競馬が中心だから、中央競馬の大レースには生で見られないレースも少なくない。

日本ダービーは、07年以降、生では見ていない。地方競馬の「ダービーウイーク」が07年にスタートし、その日は毎年、九州ダービー栄城賞が行われる佐賀競馬場にいるからだ。しかしそれも残念なことだとは思っていない。

東京競馬場にいれば栄城賞は見られないが、佐賀競馬場では併設のJRA場外施設で日本ダービーの馬券も発売されていて、栄城賞を生で見た上に、日本ダービーでも多くの人と盛り上がることができる。08年のその日は、なかなかに盛り上がった。

日本ダービーは、佐賀競馬場の事務所のテレビで見せてもらったのだが、話題の中心は、4番人気のアドマイヤコマンドに騎乗した川田将雅騎手だった。ご存知の方も多いと思うが、川田将雅騎手のお父さんは、佐賀競馬場の川田孝好調教師。それゆえ、佐賀競馬場の事務所はなんとなくそわそわした雰囲気だった。その年、川田将雅騎手はキャプテントゥーレで皐月賞を制していた。その瞬間、この佐賀競馬場はどんなに盛り上がっただろうと想像しながら見た日本ダービー。川田騎手のアドマイヤコマンドは、残念ながらディープスカイの7着だった。その年、九州ダービー栄城賞で大きな注目を集めたのは、フサイチサガントスだった。

入厩時から注目されていた馬で、鳥栖市に本拠を置くサッカーJリーグ「サガン鳥栖」のチーム名をそのまま馬名にしたことでも話題となった。しかしフサイチサガントスは、ゴール前猛然と追い詰めたものの、1馬身届かず2着。2連勝でここに臨んだ上がり馬、オリオンザナイトの逃げ切り勝ちだった。人気馬や、話題の馬が負けることがよくあるというのも、競馬の奥深さでもあり、おもしろさでもある。そうした魅力が、もっともっと多くの人に伝われば、競馬はもっと盛り上がると思う。

今年も栄城賞を見に、佐賀競馬場に足を運ぶ予定だ。必然的に、日本ダービーも佐賀競馬場で見ることになる。

「ダービーウイーク」の初日は、1日に2つのダービーが楽しめる贅沢な日だ。

※オッズパークでは東京優駿(日本ダービー)の馬券を販売しておりません。