選手の身を守る防具たち
2026年08月07日
オートレーサーが競走をする時、体がやたらとゴツゴツいているな、と感じているファンの方は少なくないだろう。枠番ごとに割り当てられた色の勝負服の下にはレーサーの身を守るための防具がいくつか装着されている。今回はその防具に焦点を当ててみる。
まずツナギ。
ツナギは特に規定はないそう。ある選手に聞いてみると「昔は『おばちゃん』という業者で作っている人が多かったですね。『たなべのおばちゃん』っていう人が埼玉の越谷の方でやっていて、よく全国回っていたんです。昔はそのおばちゃんに作ってもらうっていうのが主流でしたね。そのおばちゃんが引退するってなった時に『HYOD(ヒョウドウ)』とか『NEO(ネオ)』とか『KUSHITANI(クシタニ)』のつなぎメーカーに頼む人が多くなりましたね。今はいろんなメーカーに依頼して、各選手が作ってもらっています。身を守れるものであれば何でもよくて、市販のを着ている人もいますしね。ズボンだけの人もいるし。『おじさん』っていうメーカーもあったけど、それは練習着ですね」
ツナギ以外の防具はどうなっているのだろうか。
「防具は胴当てだけ完全に決められています。肩当ては、自分は昔支給されたものだけど、今はみんなアメフトのを使っていますね。これは本人の自由。ブーツも自由。胴当てだけが、完全に規定で決められています。『ナグラレザー』かな。今は修理しかやっていなかったと思うけど、まだ養成所のブーツか何かを作っているんじゃないかな。胴当ても売ってるのは売ってるのかな。たしか10万円くらいだったと思います。昔はもっと柔らかかったんだけど、危ないからっていうんで、堅いものに変わって。サイズによって違うけど、けっこう重いですよ」
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胴当てだけは規定のものを着用しなければならないそう。
その胴当てを実際に着させてもらいました。1キロか1・5キロくらいの重さで、思ったよりは重くなかったです。ちなみに、胴当てに強めにパンチをしてもらったのですが、衝撃をかなり吸収してくれて、頑丈に作られている感じが伝わりました。安心感がありました。
ヘルメットはどうなのだろうか。
「ヘルメットは基準がフルフェイスだったらいいってなってるけど、みんな良いモノを買いますよね。市販のいいヤツをね。それも8万くらいするんですよ。使用期限は3年って言われてるけど、3年使い切ったら3万いくらかは補償金が出るから実質5万で買えるみたいな」
また、防具ではないのですが、雨のレースで着用する合羽については。
「今、選手間で流行っている黒い合羽のズボンがあるんだけど、あれはワークマンのヤツなんですよ。使い出したのはたぶん自分なんですよね。ワークマンがすごい撥水技術でポロシャツとか作ってるのを見て、じゃあ合羽もすごいのかなって思ってワークマンで1900円で買ってみたんですよ。それで、レースでドシャ降りの時に履いてみたら全然濡れなくて...。レース終わってみんなが『お疲れ様でした』って来る時に『全然濡れないんだけど』って言ったら、みんな買い出した。ホントにあれ、水たまりに入っていっても全然濡れないんですよ」
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レース中、特にコーナーを回る時に左足が走路に触れる際に足を守ってくれる防具にスリッパがある。これは選手によって手を加える場合もあるようで「青木治親はスリッパの開発するのが巧いよ。スリッパも本人の自由。素材が鉄の人もいるし、アルミの人もいるし。俺みたいに重くてもいいやって人もいる。軽さを気にする人は治親みたいな、スリッパだけじゃなくてコマを付けたり。スリッパにする人はアルミにしてみたり。人によっていろいろですね」
競走をする際にアクシデントは付きもの。少しでも体への負担を減らすために、選手たちはエンジンだけでなく身の回りのものにも気を使います。
文/高橋


