SG未冠勢の中で...

2026年04月24日

 
 
 オートレースの記者が集まっておしゃべりすると当然、オートレースに関わる話になることが多いのだが、その中の一つで『まだSGを取っていない選手の中で、SG初優勝に一番近い選手は誰か』という話題になることがちょくちょくある。
 
 ここ10年くらいは青山周平か鈴木圭一郎がSGで優勝するケースが多かったが、他にもベテランの域に入りつつある選手の優勝もあった。近いところで言うと黒川京介や佐藤励が台頭し、SG初タイトルを獲得している。次に、SGで初優勝するのは誰か。
 
 若手で勢いがあるのは36期や37期。どちらも1級車に乗り換わってからレーススタイルの幅が広がり、大きなレースでも結果が残せるようになっている。36期の中で出世頭は栗原佳祐か。記念レースでの優勝はないが、これまで8回の優勝がある。スタートは早いし、独走力もある。オープン戦に向いていると言え、先頭を走れば強烈なタイムをマークできる。その栗原佳祐と甲乙付けがたい活躍を見せているのは吉林直都。優勝回数は5と、栗原佳祐には見劣るが、2025年11月に飯塚オートのSG日本選手権で優出している。その結果、年末のスーパースター王座決定戦トライアルにも出場し、好スタートを連発するなど十分な見せ場を作った。
 
 37期の筆頭を挙げるとするとなかなか難しいが、今のところ浅倉樹良、福岡鷹、森下輝あたりが同期の中では上位勢。浅倉樹良は鮮烈なデビューで大いに話題になったが、1級車に乗り換わって約4ヶ月経った今、完璧に乗りこなせているかといえば疑問符が付く。もちろん本人の潜在能力は高いものがあるので、レースを重ねるにつれパワーアップするのは間違いないはず。福岡鷹は同期の中で優勝回数が一番多い。2級車でSG日本選手権に出場したのも記憶に新しいし、通常のレースでも絶望的な位置から巻き返し、ファンを驚嘆させる走りを見せることもある。ただし、現段階では安定感の面でやや不安な感じもある。好調が続いているかと思えば、大事な場面での凡走もある。森下輝は2級車時代から非凡なセンスを感じさせたいたし、1級車に乗り換わってからも着実な成長を見せている。今年2月には山陽のG1で優出3着があり、大舞台でも通用する走りを見せている。
 
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 しかし、SG未冠勢の中で最もSG初制覇に近いのは長田稚也ではないだろうか。SGではこれまで5度優出しており、最高順位は3着。それは今年の2月、全日本選抜でのことだった。今年は他にG1で3回優勝しており、勢いは絶頂。さばきには特に定評があり、格上と思える相手でもエンジンさえしっかりしていれば交わしていけるだけの技量がある。上がりタイムもよく出ているようにスピード面も問題ない。ひと頃は課題視されていたスタートも、大幅な改善がみられている。なにより後半追い込み型の競争スタイルは、スタミナが必要となるSG優勝戦の10周回に絶対必要となる要素。4月24日から飯塚オートでSGオールスターが始まる。長田稚也がどんな走りをするのか大注目だ。
 
文/高橋


 

2026年1月を振り返る

2026年04月17日

 この月のオートレースは、初物づくしとなった。


 2026年オートレース最初の優勝戦は、1月4日の浜松デイレース。初笑いを決めたのは菅野仁翔。浜松では初めての優出でいきなり優勝してみせた。
 同日の夜、山陽ミッドナイトでは田中崇太が初優勝。4戦4勝の完全Vで1番人気に応えた。


 10日の飯塚ミッドナイトでは、福岡鷹が1級車では初めてのV。2級車を相棒に修行した2年間に8度も優勝してきた素質の高さで、1級車へ乗り換えてわずか2節目で実戦を乗りこなして最高の結果を出した。


 12日のG1『シルクカップ』は長田稚也が伊勢崎では一般開催も含めて初めての優勝。全国ランキングS2の黒川京介と、シルクカップ6連覇のかかっていたS1青山周平を相手に完勝といえる内容だった。


 18日の飯塚ナイターでは石橋啓士が自身6度目となる優勝戦への挑戦で初V。こちらも、若井友和・永井大介・岩見貴史といった全国トップレーサーを破る、価値ある勝利となった。

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 ↑木山優輝選手
 
 25日の飯塚デイレースG2『オーバルチャンピオンカップ』では、木山優輝が自身4度目であったグレード開催への優出で初めてタイトルを獲得した。このレースは大きなアクシデントに見舞われたが、木山にとってはスタートをしっかり決めたことと8周回の最後まであきらめない走りを見せたこと、勝利への執念が勝利に結びついたといえよう。
 同日夜の川口ナイトレース優勝戦は、金山周平がデビュー25年目にして川口では初めて頂点に立った。通常マフラーを含めれば川口での優出は通算4度目だが、消音マフラーの川口では初の優出でもあった。


 28日の山陽デイレースは、浅倉樹良が山陽での初優出にして初優勝。1級車へ乗り換わって以降では初の山陽出場だったが、アウェーの不利をものともせず成果を挙げて、能力の非凡さを改めて印象づけた。
 同日の伊勢崎アフター5ナイターは佐藤智也がデビュー6度目の優出で初V。この日は、浅倉とともに伊勢崎37期がオートレースを席巻した。
 そして3日後には、彼らと同期の村田光希が飯塚では初優勝。この月にVを飾っており好調であった福岡や石橋啓、年明けからこの開催まで2節連続で準優勝していた栗原佳祐といった若手ホープたちを打ち破った。


 8日には、前年の4月から訓練を積んできた39期選手候補生13名が養成所の卒業式を挙行。晴れて39期生としてオートレーサーへ仲間入りすると、全13名がそれぞれ配属されたレース場において1月中に実戦デビューを果たした。
 男子レーサーは9名。落合春翔と且原朋弥のデビュー節はいずれも3日制開催で、揃って3戦2勝と見事に好走。3月末の時点では落合春が4勝を挙げて、39期の中で勝ち星トップだ。中村翔汰と廿樂歩もデビュー節に初勝利。廿樂は次の節に落車したあと大敗が続いたが、3月に入ってリズムを取り戻し2勝目を挙げた。青木大輔はデビュー戦で落車してしまってから休養が続いており、早い復帰と成長を待ちたい。
 女子レーサー4名のうち唯一、松尾亜生理が早くも2連勝を決めている。阿部優美は通算1勝、浦眞知子は未勝利ながら、松尾亜と同様にデビュー1~2節目から速い本走タイムを計時していることは将来性を感じさせる。
 ※注:当欄39期生の記録は2026年1月~3月のもの


 『オーバルチャンピオンカップ』優勝戦で1着入線しながら反則失格になった長田稚也は、2月以降に巻き返しを見せることとなる。


 文/鈴木

 

スーパースターガールズ王座決定戦への戦いの火蓋が切られた!

2026年04月10日

 年末に川口オートで行われるスーパースターフェスタ。スーパースター王座決定戦がメインのレースになるが、近年、シリーズ初日の第10Rはスーパースターガールズ王座決定戦が行われている。ここに出場できるのは女子レーサーであるが、ランク上位の8人がすんなり出場できるわけではない。年に数回開催されるスーパースターガールズ王座決定戦トライアル戦の結果によって、出場する6人が決まる。残りの2人は1月1日から10月31日までの10ヶ月間の競走成績上位者となる。
 
 そして、2026年のスーパースターガールズ王座決定戦に向けてのトライアル戦が早くも始まった。
 
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 ↑新井日和選手
 
 第1戦は4月4日に飯塚で行われたが、ここでは伊勢崎の新井日和が1着を取った。最重ハンから追い込んでの1着だったので、タイム順位も1位。合計で18点をゲットした。ちなみに、ガールズ王座トライアル戦は着順位の得点が1着から8、6、5、4、3、2、0、0となり、7着と8着は得点が得られない。タイム順位の得点は1位から10、8、6、4、3、2、0、0となり、やはり7位と8位は得点が得られない。このレースで2着と健闘した宮司佳奈は着順位点で6、タイム順位点で4を獲得しており合計10点をゲットした。
 
 この得点方法でトライアル戦を続け、合計得点を出走回数で割った数字を平均競走得点として、ガールズ王座決定戦への優先出場順位が決まる。ちなみに、ガールズトライアル戦において2回以上出走していない選手は、ガールズ王座決定戦には出場できないものとなっている。また、レースで欠車、出走停止、自落、故障、内線突破、外線突破、フライング、出残り、異常発走、周回誤認、落車妨害や反則妨害などの妨害等、タイムアップ、後方スタートなどの失権となる行為をした場合は得点を得られず、更に出走回数に含まれるため、平均競走得点が出場の根拠となるこのトライアル方式では大きなマイナスポイントとなる。ただし、欠車責任外、停止責任外、他落、責任外の未完走など、自己の責に帰さない理由により完走していない場合は出走回数に算入しないため、得点的に被害はない。そして、女子レーサーの中でSGスーパースター王座決定戦の出場権利がある場合は、そちらが優先となる。
 
 つまり、現状では新井日和がガールズ王座決定戦トライアルポイントは最上位だが、スーパースター王座決定戦に出場する権利がある場合はそちらに出ることになる。
 
 今年はガールズ王座トライアル戦が8戦組まれている。すでに第1戦は終えたが、これから7戦残っている。第1戦はナイターレースだったが、次からの3戦は昼間のレース。気温の上昇と共に走路温度も上がってきており、これがレースにどのような影響を与えるのか。そして、最終的にスーパースターガールズ王座決定戦に出場するのはどの選手か。今後もトライアル戦を追い続けていきたい。
 
文/高橋

 

選手インタビューの言い回しについて

2026年04月03日

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 私は普段川口オートの選手中心にインタビューしていますが、選手のコメントの中には、解説しないと分かりづらい言葉や言い回しがあります。新聞に掲載する場合に紙面の都合上で文字数制限があって、分かりやすい表現に修正したり、言い回しを変えることがありますが、今回はそんな言い回しについての内容についていくつか解説します。


■流れ込みがない(記事では訳さずこのまま)
 コーナーの進入時にはアクセルを戻す作業が必要になります。その時にエンジンブレーキが利きすぎてしまい、コーナーの入口から中間付近で勢いが止まってしまう感じ。逆にアクセルを戻した時に突っ込んだ時の勢いがちょうどいい感じで進んでくれる事を「流れ込みがあっていい」と言われます。


■手前がない(記事では訳さずこのまま)
 コーナーリング後、直線部分に行く少し前からアクセルを開けた時に、立ち上がりの勢いが弱い事をさします。相手を捌くときに、立ち上がりのレスポンスが特に大切となるため、手前がないという症状の選手は捌きづらい、レース足がない状態につながります。


■フロントがいく(記事での訳は→フロントが滑る)
 フロントタイヤが滑る、というのが直訳ですが、バイクの特性としてリヤタイヤが滑るぶんには態勢を比較的立て直しやすいですが、フロントタイヤが滑ると制御不能になりがち。試走で単独で落車をしたりするのは「フロントがいく」ケースが多くなっています。


■直線が長い(記事での訳は→直線が長く感じる)
 選手いわく、「手前からエンジンの回転が上がってくるのが遅く、直線に立ち上がってから車速が乗り切らないため、突っ込みまでの直線が長く感じる」状態との事。


■止まりが悪い(記事では訳さずこのまま)
 ご存じの通り、オートレースの競走車にはブレーキがありません。止まるときはエンジンブレーキを活用します。コーナーを曲がるためにアクセルを緩めた時に、思ったようなところでエンジンブレーキが利かないことをいいます。止まりが悪いと試走は出るけれど、実際のレースでは前に追突しそうになって捌けなくなるという感じになり、人気を裏切るケースが多くなります。


■ドドすべ(記事での訳は→ドドドと滑り)
 通常はドドドか滑りのどちらかが主に症状としては現れますが、競走車のバランスが非常に悪い時にドドドと滑りが同時に発生する事。そうなると操縦不能に近い状態となり、乗り手はほぼお手上げ状態に。


■もっていきがない(記事では訳さずこのまま)
 主にスタートを切った後の伸びがない、足りない状態におちいっている事。やはりエンジン自体が仕上がっていないと伸びと勢いが弱くなって1コーナーまで他車に先行されてしまいやすくなる。 


■直線で外に(横に)行きたがる(記事での訳は→外にふくらみやすい)
 いいエンジンは、コーナーを立ち上がってから直線をまっすぐ進んでいくのだが、セッティングが合っていないエンジンは、立ち上がってからまっすぐ進まず、横に流れてロスしてしまうとの事。


■内線に降りる(記事では訳さずこのまま)
 各コーナーに突っ込んでいく手前で、内線に寄って行ってしまう。こちらもセッティングが合っていないケースが多く、勢いが弱いため通りたいラインを通れずタイムロスにつながる。


 その他にも、インタビュー中に多く語られる、独特な言い回しがありますが、またの機会に解説いたします。


文/金子

 

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