賞金王にまつわる話
2026年05月01日
2025年の賞金王は青山周平だった。2024年は2位だったが、約1億1397万円を獲得して見事トップに返り咲いた。
この賞金王、近年は1億円を少し超える数字になることが多いが、過去はどれぐらいの獲得金額で賞金王になっていたのか。記録に残っている最初の賞金王は1963年の稲垣国光で約873万円。1963年というと今から63年も前の出来事。当然、今とは物価も違っているので、賞金王の金額も少ない。ただ、当時としては十分大きな価値があったものと思われる。
そこから数年は百万円台の数字が並んでいるが、1970年についに一千万円台に到達する。その年は戸田茂司が賞金王になり、獲得金額は1190万円。ここからは一千万円を割ることはなかった。年を追うごとに賞金王となる金額は増加し、1993年に億を突破するようになった。その年の賞金王に輝いたのは島田信広。その年まで4年連続で賞金王として君臨していたが、1993年についに大台にたどり着いた。島田信広は結局、6度賞金王になっている。島田信広はオールマイティ型で、スタート、さばき、スピード、重走路と、どの方面でも死角がなく柔軟に対応できていた。その分、レースで取りこぼす機会が少なく、着実に賞金を積み重ねることができたのだろう。かつての強豪の中では珍しく重走路で苦戦が多かった片平巧は1994年と1995年に賞金王になっている。重走路では惨敗することも少なくなかった片平巧が賞金王になれたのは、逆に良走路では無類の強さを発揮できたからだろう。
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そして、賞金王としての過去最高額は約1億4812万円で、2004年に高橋貢が樹立している。この年の高橋貢は強烈で、SG全日本選抜、SG日本選手権、SGスーパースター王座決定戦の3つでSG優勝。G1はシルクカップ(伊勢崎)、春のスピード王(伊勢崎)。G2はスターライトチャンピオンカップ(伊勢崎)、関東地区選手権(川口)を2度優勝。一般開催を含めると、年間に15回もの優勝があった。この年に記録した年間獲得賞金は、未だに破られていない。
ちなみに年間獲得賞金で歴代2位なのは2006年の田中茂で約1億2974万円。この年の田中茂は特に強かった。オートレースグランプリでSG初制覇を決めると、同じ年にSG日本選手権、SGスーパースター王座決定戦を制し、SG3冠となった。他にもG1オート祭(船橋)、G2若獅子杯争奪戦(山陽)を制すなど無双の活躍を見せていた。
その後、2014年まで賞金王となる選手は毎年変わるくらいの印象があったが、2015年に青山周平が初めて賞金王になると、その後は鈴木圭一郎とのどちらかが賞金王になる2強時代に突入した。
話は戻るが、2025年に前年の11位から大幅に順位を上げたのは佐藤励。約7869万円を獲得して4位にまで上り詰めた。2025年はSG日本選手権とSGオールスターの2つで優勝し、佐藤励にとって飛躍の年となった。その優勝賞金がプラスされ、2024年の倍近くの稼ぎになった。
今はまだ4月なので気の早い話ではあるが、今年の賞金王には誰が輝くのか。
文/高橋


