9月に目立った気になる若手選手

2025年10月10日

 
 9月は3日間の短期決戦を含め、開催が多くあった印象。その序盤で特に気になったのは4日に優勝戦が行われた飯塚オーバーミッドナイトだ。ここでは最も若い期である38期の竹尾竜星が自身初優勝を遂げた。これは同期の中での一番乗りとなり、仲間たちに良い刺激を与えた出来事になった。デビュー後の初勝利は重走路で、その後も重走路では好走があったものの、良走路ではなかなか結果が出ないでいた。しかし、7月11日に良走路で初白星を挙げると8月中旬からは1着を量産するようになった。デビュー直後は他の同期が目立っていたが、これで完全に同期の中でも上位グループの仲間入りした。9月24日のレースで周回誤認してしまうアクシデントはあったが、復帰後はまた快進撃が見られるかも。
 
 8日に行われた山陽オーバーミッドナイトの優勝戦は37期の村田光希が制した。これは約一年ぶりとなる自身2度目の優勝だったが、試走タイム32の上がり3・429という素晴らしい数字をマークした。8月には準優勝があるし、6月のG2ミッドナイトチャンピオンカップでも準優勝と、注目の若手株となっている。来年1月からは待望の1級車乗りが待っているが、大きな飛躍が見られそうだ。
 
 14日の山陽昼間開催では永島潤太郎が優勝したが、ここで準優勝だったのは三宅真央。0ハン単騎から必死に逃げていたが、青旗過ぎで交わされてしまった。2級車時代は散発的に勝利を挙げることもあったが、苦しんでいる姿の方が多かった印象。1級車に乗ってからも最初は思うような結果が出ないでいたが、5月に入るあたりから成績が上向いてきた。7月最初の川口開催では初日から連勝を決め優出。そこではフライングをしながらも3着に食い込んだ。その後も成長を遂げ、スタート面は不安がないし、スピード面でも磨きがかかっている。念願の初優勝を決める日も遠くなさそうだ。
 
 三宅真央.JPG
 ↑三宅真央選手
 
 15日の伊勢崎ナイター優勝戦では37期の佐藤智也が準優勝。0ハンから悠々と逃げていたが、青山周平に捕まってしまった。ただ、捕まった後もそれほど離されることなく付いていけたのは一定の収穫。佐藤智はデビュー節で初勝利を挙げたものの、そこからは緩やかな成長と停滞を繰り返していた。それでも重走路では好成績を残すことが多いし、夏場に入ってからは良走路でも1着回数が増えてきた。着実に力を付けており、1級車乗りになるのが楽しみな一人。
 
 最後に挙げたいのは福岡鷹。29日の飯塚オーバーミッドナイト優勝戦では圧巻の走りで優勝した。そのレースの中では最もハンデが重い大外からの競争だったが、グリップ全開の走りで前を走る車を全て捲ってみせた。2級車でレースをするお手本のような走りで、しかも上がりタイムが3・417。ただ逃げるだけではなく、追っていく競争でこのタイムは驚異的だ。来年1月から1級車になると、差しも使いやすくなるので走りの幅が広がる。乗り換わった最初の記念レースでも大注目の存在になることは間違いないだろう
 
 文/高橋

 

黒川京介 No.1への道

2025年10月03日

黒川京介プレミアムV.jpg

 川口所属の33期・黒川京介選手が、「川口生え抜きの選手」としては初の全国No.1への道を着実に登っています。


 2017年にデビューし選手生活8年目となる新鋭選手ながら、爆発的なスタート力と独走力を武器に、瞬く間に川口オートのトップレーサーに成長しました。
 グレードレースの優勝は14回(SG 1回、G1 4回、G2 9回)と、いまやグレードレースでは常に優勝候補に挙げられる存在となっています。


 そんな黒川選手は、2025年後期適用ランクでは、前期から一つ順位を上げて、全国第2位となりました。全国第1位はご存じ青山周平選手ですが、2025年の黒川選手は絶好調で、先日の特別GIプレミアムカップを優勝するなど、青山選手を追い越すほどの勢いがあります。
 長らく続いた「青山・鈴木圭時代」に割って入り、今やオートレース界は「青山・黒川・鈴木圭の3強時代」突入しました。


 ところでオートレース界において、「全国競走成績」(全国No.1)という制度ができたのは2002年(平成14年)の事。それまでは、各レース場の1位(船橋A1など)が採用されていました。
 初代の全国No.1は山陽の岡部聡選手。雨のSGを無敵の強さで獲りまくっていた頃ですね。その後は「絶対王者・高橋貢選手」が、全国No.1に君臨。そこに永井大介、中村雅人選手がトップに立っていきました。


 しかし、川口所属の選手で全国No.1になった選手はいるのか、と思い起こして調べてみると、永井大介選手と中村雅人選手が、全国No.1に輝いていますが、船橋所属時代で、2016年前期には船橋オート廃止により、川口オートに移籍した中村雅人選手が、記録上では川口所属の全国No.1になっていました。


 川口オートでデビューした生え抜きの全国No.1選手はまだいないのです。そこへ成長してきた黒川選手が、初めて全国No.1を獲得する事が現実味を帯びてきたように思えます。川口オートファンの悲願とも言えるでしょう。

 2026年前期ランクの採点期間は2025年7月~12月。ランク決定には平均競走得点が中心となってくるのですが、フライングや反則による減点などもあり、12月31日まで誰がNo.1になるのかは分かりません。
 2025年7月以降の青山選手と黒川選手、更に鈴木圭一郎選手のグレードレースでの活躍具合いを見ると、

【青山周平】
8月26日 飯塚G1ダイヤモンドレース優勝

【黒川京介】
7月21日 川口G1キューポラ杯優勝
8月3日 浜松G2ウィナーズカップ優勝
9月23日 山陽特別G1プレミアムカップ優勝

【鈴木圭一郎】
7月13日 山陽G2小林啓二杯優勝
8月15日 伊勢崎SGオートレースグランプリ優勝

と、黒川選手がグレードレースのタイトル3勝と一歩リードしているように見えます。ただし、黒川選手は10月29日からの飯塚SG日本選手権には、前年優勝戦でフライングをしたため出場不可となっており、青山、鈴木圭選手が巻き返す可能性は大いにあります。

2025年後期全国ランク (1).jpg


 黒川選手が全国No.1になるためには、日本選手権以外で好成績を積み重ね、年末のSGスーパースター王座決定戦で優勝する事が必要となってくることでしょう。
 来る2026年に新たなNo.1が誕生するのか、現王者が地位を死守するのか、今後の戦いに注目です。


文/金子

 

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