4月の出来事

2025年05月16日

 
 新年度になってから最初の節で優勝したのは金子大輔。その時点で優勝は通算54回目。今年に入ってから金子は4月終了時点で全47走し、着外はたったの3回。その内、2回は優勝戦でのモノなので、予選や準決ではほぼ車券に貢献している。その中にはもちろんG1やSGなども含まれているので、走るシリーズのグレードを問わず安定した成績を残し続けている。元々、定評があった捌きの鋭さに加え、近況はスタート力の向上がそれを後押ししていると考えられる。
 金子大 7.JPG
 4月中に初優勝を挙げた選手が2人いた。まずは23日の山陽オーバーミッドナイトで優勝した浜野翼。同期36期の中では7番目の優勝経験者となった。浜野翼は2024年2月から11月まで、ケガのため長期離脱を余儀なくされた影響もあって同期の中では初優勝まで時間がかかったが、それでもデビューしてから2年とかからず優勝を決めたのだから大したもの。初優勝の時は良走路だったが、今のところは重走路の方が好成績を残せている。もちろん良走路でもそれなりのスピードがある。まだまだ成長の余地を大きく残しており、目下の課題はスタートとなるか。同ハンに数車並んだ時に後手を踏んでしまうケースがあるので、そこをまずは枠ナリに出ていけるようにしたいところだ。
 
 もう一人は28日の山陽オーバーミッドナイトで優勝した本田仁恵。本田はデビューしてから相当苦しんだ。なかなか快走を見せることができず、初勝利を挙げたのは実に45走目だった。そこからはポツポツと白星を挙げることができるようになったが、それでも大敗か1着かという安定感には欠ける成績が続いていた。しかし、1級車に乗り換わるといきなり3連勝を決めた。そこからは実力アップとともに成績もだいぶ上向いていった。初優出は惜しくも2着で準優勝。そこから7度目の優出で、ようやく初の栄冠を勝ち取った。現在では、重走路で高い連対率を誇っているし、良走路でも追い込みが少しずつ上達している。この流れで総合力も増していくだろう。
 
 4月には記念レースが2つあった。今年度最初のG1は山陽の令和グランドチャンピオンカップだったが、ここでは鈴木圭一郎が優勝を決めた。鈴木圭は今年に入ってからも高い1着率を誇っていたが、意外にも3月までは優勝がなかった。今年の初優勝がいきなりG1となった形。
 
 もう一つの記念レースは、川口で行われたSGオールスターオートレース。ここでは地元の佐藤励がSG初優勝を決めた。それも6日間のシリーズでオール1着の完全優勝だった。優勝戦は苦しい展開だったが、最後まで諦めない姿勢が最終的に名誉をつかみ取るきっかけになった。オート界2強と言われている中で、明らかに若手の存在が目立ってきている。これからどのような戦力分布になっていくのか、それを見届けるのがオートレースの一つの楽しみになってきた。
 
文/高橋

 

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