選手インタビューの言い回しについて

2026年04月03日

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 私は普段川口オートの選手中心にインタビューしていますが、選手のコメントの中には、解説しないと分かりづらい言葉や言い回しがあります。新聞に掲載する場合に紙面の都合上で文字数制限があって、分かりやすい表現に修正したり、言い回しを変えることがありますが、今回はそんな言い回しについての内容についていくつか解説します。


■流れ込みがない(記事では訳さずこのまま)
 コーナーの進入時にはアクセルを戻す作業が必要になります。その時にエンジンブレーキが利きすぎてしまい、コーナーの入口から中間付近で勢いが止まってしまう感じ。逆にアクセルを戻した時に突っ込んだ時の勢いがちょうどいい感じで進んでくれる事を「流れ込みがあっていい」と言われます。


■手前がない(記事では訳さずこのまま)
 コーナーリング後、直線部分に行く少し前からアクセルを開けた時に、立ち上がりの勢いが弱い事をさします。相手を捌くときに、立ち上がりのレスポンスが特に大切となるため、手前がないという症状の選手は捌きづらい、レース足がない状態につながります。


■フロントがいく(記事での訳は→フロントが滑る)
 フロントタイヤが滑る、というのが直訳ですが、バイクの特性としてリヤタイヤが滑るぶんには態勢を比較的立て直しやすいですが、フロントタイヤが滑ると制御不能になりがち。試走で単独で落車をしたりするのは「フロントがいく」ケースが多くなっています。


■直線が長い(記事での訳は→直線が長く感じる)
 選手いわく、「手前からエンジンの回転が上がってくるのが遅く、直線に立ち上がってから車速が乗り切らないため、突っ込みまでの直線が長く感じる」状態との事。


■止まりが悪い(記事では訳さずこのまま)
 ご存じの通り、オートレースの競走車にはブレーキがありません。止まるときはエンジンブレーキを活用します。コーナーを曲がるためにアクセルを緩めた時に、思ったようなところでエンジンブレーキが利かないことをいいます。止まりが悪いと試走は出るけれど、実際のレースでは前に追突しそうになって捌けなくなるという感じになり、人気を裏切るケースが多くなります。


■ドドすべ(記事での訳は→ドドドと滑り)
 通常はドドドか滑りのどちらかが主に症状としては現れますが、競走車のバランスが非常に悪い時にドドドと滑りが同時に発生する事。そうなると操縦不能に近い状態となり、乗り手はほぼお手上げ状態に。


■もっていきがない(記事では訳さずこのまま)
 主にスタートを切った後の伸びがない、足りない状態におちいっている事。やはりエンジン自体が仕上がっていないと伸びと勢いが弱くなって1コーナーまで他車に先行されてしまいやすくなる。 


■直線で外に(横に)行きたがる(記事での訳は→外にふくらみやすい)
 いいエンジンは、コーナーを立ち上がってから直線をまっすぐ進んでいくのだが、セッティングが合っていないエンジンは、立ち上がってからまっすぐ進まず、横に流れてロスしてしまうとの事。


■内線に降りる(記事では訳さずこのまま)
 各コーナーに突っ込んでいく手前で、内線に寄って行ってしまう。こちらもセッティングが合っていないケースが多く、勢いが弱いため通りたいラインを通れずタイムロスにつながる。


 その他にも、インタビュー中に多く語られる、独特な言い回しがありますが、またの機会に解説いたします。


文/金子

 

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