新型ダンパーが選手間を席巻か!?
2025年12月12日
オートレースの競争車を構成するパーツはいろいろあるが、その一つがダンパーと呼ばれる部品。主な役割としては、競争車が走路から受ける衝撃を和らげ、走りを滑らかにするもの。乗り味の面に大きな影響を与える。競争車のフロント部分にあるフォークに取り付けるのだが、まずオートレースで使われるフォークは2種類ある。通常のフォーク(通称・まつば)とオイルフォーク。そして、オイルフォークにはダンパーを取り付けることはできず、ダンパーを取り付けるのは通常のフォークになる。選手のコメントでよく「ドドドが来る」というものがあるが、その対処法の一つとなるのがダンパーの調整。「フロント回りはめちゃくちゃ大事です。フロント回りがほとんどドドドの原因と言われているんで」との声もよく聞かれる。
そのダンパーはこれまで3種類のものがあった。昔からあるのが『NHK』と言われるダンパー。そして、多くの選手が使っているのが『オーリンズ』製のダンパー。更に、少し前から登場した『ハイパープロ』と言われるダンパー。それぞれ性能や特徴が異なり、選手たちは自身の乗り方や、フィーリングによってどのタイプを取り付けるのかを決める。実際にはオーリンズ製のダンパーを使っている選手が多いように思える。ちなみに、NHKはすでに生産中止になっていて、現在では販売していない。しかし、現在でも使用は可能で、長い間、愛用している選手もいる。
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↑NHKのダンパー
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↑オーリンズのダンパー
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↑ハイパープロのダンパー
最近ではそのダンパーの分野に新しい風が吹いている。ハイパープロのダンパーに新しいタイプのものが出てきたのだ。これが2025年12月1日から使用可となった。これは、これまでのハイパープロのダンパーよりもソフトなタイプになっているようで、調整の幅も広がり、衝撃の吸収がより柔らかにできるようになった。実際に、川口オートでも12月8日からの開催で使用を始めた選手がいる。初日から使い始めた小原望選手はいきなり結果を出し「新型ダンパーに換えたら、最近来ていたドドドが少なくなった」とのコメント。2日目も好タイムをマークして連勝を決めていた。初日は成績が振るわなかった本田仁恵選手はレース後に新型ダンパーを装着。2日目は1着を取り「新型ダンパーに換えたら乗り味が良くなった」と言っていた。
まだまだ新型ダンパーを使っている選手は少ないが、これからドドドに悩まされたり、乗り味の向上を求めて使用する選手は増えてくるかもしれない。新型ダンパーは黒色なので、試走の1周目でゆっくり走っている時に見えるかもしれないし、情報紙やインターネットなどの選手コメントで「新型ダンパーを付けてみます」などと見かけたら、そのレースは走行の上昇が見られるかも。今回はオートレースのパーツの中でもややマニアックな部分の紹介になったが、選手たちは成績アップを目指し、日々いろいろな面で研鑽している。
文/高橋


