岩手競馬リーディングジョッキー・トップ12名が争うオッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズに注目を!

2024年11月28日

12月2日(月)はオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ(2戦)」。第1戦はB2級・水沢1400m、第2戦はB1級・水沢1600m。以上2戦の総合ポイントで優勝が争われる。優勝騎手にはボーナス50万円、総合2位騎手は30万円、総合3位騎手に20万円が支給される上、レース賞金の進上金、さらにオッズ・パークからも副賞が授与でき、トリプルの喜び。



ゴールデンジョッキーズシリーズの出場資格は11月26日(火)終了時の岩手競馬リーディング上位12名。かつてゴールデンステッキ賞(上位8~10名)、シルバーステッキ賞(若手プラスリーディング下位)のジョッキー戦2レースがあったが、ゴールデンジョッキーズシリーズに集約された。


現在、「ゴールデンジョッキーズシリーズ」は同日2レースの総合ポイントで争われたが、以前は3週3戦にわたるシリーズだった。その間、ジョッキーは騎乗馬の決定が気が気ではなかった。騎乗馬によって一喜一憂し、一戦ごとのポイントもチェックしていた。


ゴールデンジョッキーズシリーズの写真

なかなか理解しづらいと思うが、ボーナスで支給される50万円は進上金に例えると、1着賞金1000万円レースに該当する。ダートグレード競走を除く岩手競馬の最高賞金は1着賞金1000万円。古馬ではシアンモア記念、一條記念みちのく大賞典、桐花賞、OROカップ。3歳では東北優駿、ダイヤモンドカップ。2歳ではネクストスター盛岡の7レース。


以上のレース有力馬はほぼ騎乗騎手が決まっているが、ゴールデンジョッキーズシリーズはお手馬が完全抽選で決まるため、すべての出場ジョッキーに優勝のチャンスがある。それだけに騎乗馬が気になるところだし、1レースごとのポイント争いもし烈。


通常レースでも全力投球するのが騎手の常だが、表現が適切ではないかもしれないが、彼らは賞金ハンター。日々、勝利=賞金を争っている。しかもボーナスが1着賞金1000万円に匹敵するとなれば、がぜん気合いが入る。主導権を握るのは誰か。ペースは速いか遅いか。勝負どころ(水沢は3コーナー=残り3ハロン)の位置取りはどうか。直線でどこに進路を取るか。見どころが満載だ。


過去、会心の総合優勝コメントは山本政聡騎手。「前からダイソンの掃除機が欲しかったが、なかなか決心がつかなかった。ですが今回のボーナスで購入します」
だった。さて今年はどんなコメントが飛び出すか。シリーズ2戦の内容、結果はもちろんのこと、優勝コメントも楽しみにしてほしい。




ゴールデンジョッキーズシリーズで思い出すのは2016年。陶文峰騎手は第2戦まで7ポイントで最下位だったが、第3戦(最終戦)1着で20ポイントを獲得。山本聡哉騎手、南郷家全騎手も同じく合計27ポイントだったが、最終戦の上位着順が優先される―の規定があり、陶文峰騎手が奇跡の大逆転で総合優勝を果たした。


その陶文峰騎手は先週11月26日(火)で騎手生活にピリオドを打った。調教師試験に合格し、早ければ来年3月には所属馬を送り出す。ご存じの方もいると思うが、陶騎手は中国黒竜江省の出身。10歳で日本へ移住して水沢農業・乗馬部に所属後、騎手免許を取得した。


海外も2006年、マカオ・タイパ競馬場を皮切りに、2017年には内モンゴル自治区ウランホト競馬場、2018年は中国雲南省・昆明市の競馬場で騎乗。また北京オリンピックの前年2007年には北京・通順競馬場を訪問。後日、いきなり閉鎖されてしまったが、訪問時に主催者からスタンド完成図を見せられ、いよいよ北京競馬が本格的にスタートするな、と当時は実感したものだった。


文峰騎手の騎乗最終3日間の活躍は強烈だった。北上川大賞典をサクラトップキッドで優勝。また最終26日のメイン12Rでゼットセントラルに騎乗して1着。最高の形で騎手生活にピリオドを打った。マカオ帯同記、北京=通順競馬場、珍道中はいつかチャンスがあれば書きたいと思っている。



初冬特別/陶文峰騎手ラストラン!ゼットセントラルで有終の美を/テシオブログ



文/松尾康司(テシオ)