飛田愛斗騎手の始球式に密着!オッズパークドキドキスペシャルJBC2024佐賀
2024年09月12日
9月6日(金)に「みずほPayPayドーム」(福岡ドーム)で実施された、福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズの試合は、オッズ・パーク株式会社が協賛する「オッズパークドキドキスペシャル」として実施。
外野席の上に広がる巨大な電光掲示板には「OddsPark」のロゴ、そして11月4日に佐賀競馬場で行われる「JBC」の広告がたくさん表示されました。
「協賛試合」におけるメインイベントのひとつが「始球式」。
今回は佐賀競馬所属の飛田愛斗(ひだ・まなと)騎手がその役を担うことになりました。
当日は試合開始の3時間以上前に到着。
さっそく、この日のために作られた「オッズパーク」のロゴ入りの勝負服に着替えて、15時30分に移動を開始。
佐賀競馬から誕生したアイドルグループ「UMATENA」、佐賀競馬のキャラクター「パッカルくん」、そしておなじみの「マキバオー」と一緒にドームの前で集合写真を撮りました。
球場は開門前。
写真の撮影場所に近いところから外に出ると、すかさず開門待ちの人たちのなかから「あっ、飛田ジョッキーだ」という声が聞こえてきました。
そしてこどもたちからは「マキバオ~~~」と呼びかけが。
UMATENAは今年の春に活動を開始したばかりですが、UMATENAのユニフォームを着ているファンが来ていました。
帰り道もマキバオーは大人気。
こどもたちと"ロータッチ"しながら球場内に戻り、しばらく休憩となりました。
この日は"晴れ・良馬場"で、湿度が高いコンディション。まだ試合開始まで2時間以上ありますからね。
体力は温存しておかなくちゃ。
飛田騎手もしばらく休憩。
「なんかちょっと体調がイマイチ」と言っていたのは、今にして思えば、普段とは違う場所で勝手がわからなかったことによるアウェー感のためかもしれません。それでも少しの時間を使って、週末に備えてレース映像を確認。
研究熱心なところを見せていました(調整ルーム入室前なので、スマートフォンを使用してOKです)。
「同じレースに出る、僕が乗らない馬の走りを確認しました。佐賀だけではなく、ほかの競馬場のレースも見ますよ。そのときは主に、ジョッキーがどういう乗りかたをしているかという視点で見ます。あと、この時期はJRAから移ってくる馬が多いので、それも確認しますね。移籍馬はレースのことをよく分かっていなかったりするので、そういうタイプは佐賀でしっかり乗れば化けることもあります。そういう意味で、楽しみがある時期といえますね」
ただ、いつもの"明るい飛田騎手"の表情にはまだ遠い感じ。
控室にお弁当が届きましたが「食欲ないです」と言って、目を閉じて休むことに......
しかし30分後。
筆者が「そろそろ肩慣らしの時間ですよ」と言うと、エンジンに火が入った様子。
筆者が持参したグローブをはめて、投球練習会場であるライトポール際の倉庫に向かうときにはヤル気十分!
「中学では野球を3年間やっていて、ポジションはセカンド。投手の経験はないですね。球場でボールを触るのは7年ぶりですよ」
という飛田騎手の球筋は、なかなかシャープ。
さすが野球経験者。
「体が覚えているもんですね」
まずは立ち投げでキャッチボールを10球ほど。そして筆者が座って"本気投げ"を5球ほど。
1回だけショートバウンドがありましたが、そのほかの球はストライク。
おそらく100㎞/h前後は出ていたと思います。
さらに硬球ですからね。キャッチャーミットを持ってきておいてよかった(笑)。
飛田騎手の後ろで見守っていた球場関係者も「おおっ」と唸っていました。
この投球練習を写真や動画におさめていなかったのが残念。
ウォーミングアップを終えた飛田騎手は、「これでズバッといけると思います」と、テンションが上がってきた様子。
「やばい、緊張してきた」という冗談(?)も。さあ、その勢いでいざグラウンドへ!
17時35分に3塁側ベンチ横の扉が開き、UMATENA、パッカルくん、マキバオーとともに、人工芝の上を歩いてセカンド後方に整列。
スタジアムDJから紹介を受けてマイクを渡されると「佐賀競馬の飛田愛斗です。地方競馬のことをもっと知ってもらえたらうれしいです。今日はよろしくお願いします」
と力強くあいさつ。
その後はいったんホームベースの後方に戻って、登板まで待機です。
飛田騎手の至近距離にはホークスのベンチ。
「兄と姉が大分の明豊高校に行っていたので、(明豊出身の)今宮健太騎手に注目しています」と話していましたが、その姿は見えたかな?
フィールド内ではオープニングセレモニーがスタート。
ハニーズのダンスのあと、佐賀競馬場とオッズ・パークから、ホークスの小久保裕紀監督、ライオンズの渡辺久信監督代行に花束が贈呈されました。
続いてホークスのベンチからスタメンの選手が続々とフィールドに登場。飛田騎手の登場の時も近づいてきました。
そして試合開始2分前。
担当者に誘導されて、ゆっくりとマウンドへ。
DJに再び紹介されたところで投球OKの合図。
セットポジションからゆったりとしたフォームでのファーストピッチは......
なんとまさかの、ホームベースのはるか手前でワンバウンド!!!
でもキャッチャーの甲斐拓也選手のミットには、そのワンバウンドだけでおさまった形。
だからボール自体の勢いは十分にあったと思います。しかし飛田騎手は微妙な表情。
「甲斐選手の目ヂカラが強くて、それにちょっとビビってしまいました。足を上げたところでコントロール重視にしようと切り替えたんですけど、まさかワンバウンドとは。これ、テレビ中継されているんですか?」
ハイ、残念ながら場内のテレビではバッチリと放映されていました。
でも地上波とネット中継は放映時間が「18時00分~」なので、もしかしたら???
マウンドから降りると、投げたボールを甲斐選手から受け取って、一礼をしてグランドから退場。
その奥の通路でスポーツ紙の記者さんの囲み取材を受けました。
「投げさせていただいたことに感謝しています。競馬とは違った緊張感がありました。マウンドにはビシッといくつもりで行ったんですけど、ストライクを狙って少し力を抜いたら、力の加減を失敗してしまって......。もっと思い切り投げればよかったです。でも、今回の始球式が佐賀競馬を知ってもらえるきっかけになったと思いますし、11月4日のJBCにも来ていただければうれしいです」 とコメントしていました。
その後はいったん控室に。
「いや~、ワンバウンドか~~~」
と話す姿は悔しそう。
ピッチャーズプレートからホームベースまでの18.44mって、意外と遠いんですよね。
そして球場だと距離感がつかみにくい。このことは(筆者が7月に東京ドームで草野球をした経験から)飛田騎手に話しておいたのですが......。
でも今の気分は良好という雰囲気。
すっかり調子が戻った様子で、控室のお弁当に手が伸びました。
その後は3塁側の通路で、全員そろってのグリーティングに参加。
佐賀競馬場で見たことがある顔もありました。
飛田騎手はUMATENAに負けないくらい写真を撮られていましたよ!
「今日はこのようなイベントに出させていただいて、とても感謝しています。これを機に、地方競馬を知ってくれる人が1人でも増えたらと思います。JBCのレースに乗せてもらえたら、ひとつでも上の着順を目指して頑張りたいですね。当日は佐賀競馬場がどのくらいの人で埋まるのか、それも楽しみにしています」
この日はキャッチャーの後方に「11月4日佐賀競馬場でJBCを開催」の文字が添えられたオッズパークの広告が掲出されて、試合終了まで投球のたびにテレビに映っていました。
九州で唯一の地方競馬をアピールできたのではないかと思います。
グリーティングを終えた飛田騎手は「満喫しました」と笑顔で、翌日と翌々日の開催に備えて競馬場に戻っていきました。
ちなみにその週は2勝をマーク。
始球式を機に、さらなるパワーアップが期待できそうです!
文/浅野靖典