カウントダウン、再開岩手競馬。2023岩手競馬アワード報告
2024年03月01日
2月28日、盛岡競馬場で行われた能力検査
岩手競馬がいよいよ始まる。3月10日(日)が再開初日だが、各きゅう舎も春競馬に向けて着々と準備が進められている。まずは馬体検査からスタートし、2月28日(水)には盛岡・水沢競馬場で能力検査が行われた。
水沢は2R、盛岡は3R。在きゅう馬は水沢が盛岡より1・5倍強ほど在きゅう馬が多く、能力検査のレース数は意外だったが、単なる巡り会わせ。2023年度の年度代表馬、各最優秀馬もすべて水沢所属馬。ある意味で今の力関係を示す結果ともいえる。
その各優秀馬、騎手、厩舎関係者等の栄誉を讃える『2023 IWATE KEIBA AWARDS』授賞式が2月16日(金)、盛岡市内ホテルで開催された。今年度は4年ぶりに一般ファンも参加。2019年以降、コロナの影響で授賞式は関係者のみで行われていたが、復活した交流会では各テーブルで会話の花が咲いていた。
映像提供:岩手県競馬組合
年度代表馬および4歳以上最優秀馬に選ばれたノーブルサターン(牡10歳 父カジノドライヴ)の関係者が、授賞式壇上であいさつした。
オーナーの吉木伸彦さん。「栄えある賞をいただいて大変光栄に思います。ノーブルサターンは勝つときは豪快ですが、負けるときはあっさり。気難しいタイプですが、岩手にきて見違えるように変わりました。ひとえに板垣調教師、きゅう舎スタッフ、高松騎手のおかげです。来シーズンも(年度代表馬の)賞に恥じないよう、岩手競馬を盛り上げたいと思っています」
板垣吉則調教師。「2010年にきゅう舎を開業しましたが、年度代表馬に選ばれたのは初めて。9歳馬でしたが、担当の浅間きゅう務員を始め、スタッフがしっかり体調を管理してくれた結果。本当に感謝しています」
高松亮騎手「ノーブルサターンには感謝しかない。この馬は非常に賢いので、返し馬でボクを落ち着かせてくれます。改めて関係者の皆さんに、おめとうございますと言いたいです。来シーズンもいい競馬を期待しています」
3歳最優秀馬および最優秀牝馬はミニアチュール(牝4歳 父ラブリーデイ)。オーナー・平賀敏男さん「2部門に選ばれて、みなさんに感謝です。印象に残っているレースは東北優駿(岩手ダービー)。これほど頑張ってくれると思わなかったので、すごくうれしいです」
佐藤祐司調教師「目標とするレースは決めていませんが、これから強い古馬が相手にチャレンジしていきたいと思っています」
2歳最優秀馬はフジユージーン(牡3歳 父ゴールデンバローズ)。瀬戸幸一調教師「2年連続で2歳最優秀馬に選ばれるのは滅多にないこと(昨年度はフジラプンツェル)。今シーズンは状態第一に考えてレースを選びたいと思っています」。すでに強さは全国に知れ渡っており、どのレースから始動するか注目が集まる。
最優秀短距離馬はキラットダイヤ(今年7歳・現役引退 父サウスヴィグラス)。板垣吉則調教師「3年連続ですばらしい賞を取れて光栄に思います。3年間、うちのきゅう舎にいましたが、アクシデントがほとんどない。本当に丈夫な馬だなと思いました。今後はいいお母さんになってほしいと思います」
最優秀ターフホースはゴールドギア(牡9歳 父ロードカナロア)。伊藤和忍調教師「1勝のみ(準重賞・かきつばた賞)のみでしたが、年間を通して活躍。交流でも上位を確保(せきれい賞2着、OROカップ3着)して頑張ってくれました。今年こそは紫(重賞)を取らしてやりたいと思っています」
以上の最優秀馬はキラットダイヤを除いて、現役を続行。来シーズンも各路線での主役を演じる可能性が高く、動向に注意を払ってほしい。ちなみに年度代表馬ノーブルサターンは仕上がり次第だが、赤松杯が有望。ただ、大型馬ゆえなのか叩き良化型なので、頭の片隅に記憶しておいてほしい。
文/松尾康司