Odds Park 競馬

　２日目のメインは第55回東海優駿。"ダービー"の呼称が使えなくなったのでまだしっくりこないというのが本音だが、３歳馬の頂点を決めるレースに他ならない。この世代はデビューから無傷の６連勝と快進撃が続くカワテンマックスが不動の中心だが、前３走の着差を見ると、１馬身、クビ、クビ差と大接戦。このうち３走前の２着馬アップショウグン、２走前の２着馬ページェントの故障戦線離脱は残念だが、それでも駿蹄賞２着のサンヨウテイオウを筆頭に楽しみな馬が揃った。舞台は前走から更に100ｍ延びて2100ｍとなる。ひょっとしたらこの辺りにドラマの可能性があるかもしれない。ただ、体調面の上積みという意味では３カ月半ぶりの実戦を叩いたカワテンマックスが最上位だろう。３角での不利も加味すれば、駿蹄賞で一番強い競馬をしたのはこの馬だ。適正距離はもう少し短い所かもしれないが、３歳のこの時期、同期の争いであれば2100ｍも大きな不利にはなるまい。本命党は自信を持って買えるレベルか。とはいえ、駿蹄賞２着のサンヨウテイオウも１週前に猛稽古を消化して、詰めた間隔で使った前走より間違いなくいい状態で臨める。課題の折り合い面も、エレインアスティやカワテンティアラが先導すれば少なくとも前走より遅くなることはない。若武者・望月騎手も重賞初制覇を何としてもこの大舞台でと燃えていることだろう。一方で、ペースの鍵を握るエレインアスティもネクストスター中日本→東海クイーンカップという異例のローテで使ってからは、ここ一本に絞った調整。外厩でじっくり乗り込まれて、追い切りで破格の好時計をマークと今津博師が渾身の仕上げで臨む。同型と兼ね合いを付けてスイスイ飛ばせば、そのまま粘り込む場面があっても驚けない。その他で買っておきたいのは、やはり距離延長が追い風になりそうな馬。笠松のスターサンドビーチと名古屋からはヴィリケンに注目したい。前者は相手関係に恵まれた？笠松プリンシパルカップはともかく、西日本クラシック２着は相応の評価が必要だろう。後者は一線級が相手で真っ向勝負は厳しいかもしれないが、ここにきての体調面の良化ぶりと人気薄の気楽さがあれば捨て身の勝負駆けが可能。村上騎手ならそれができる人材だろう。激走を密かに期待したい。

◎(２)カワテンマックス...ゴールドウィング賞を制して２歳王者に輝くと、続く新春ペガサスカップをモノにしてＳＰ１を２連勝。その後は大目標を東海優駿に定めて一旦放牧へ。帰厩後にじっくりと時間をかけて乗り込んだとはいえぶっつけとなった駿蹄賞だったが、初めてのモマれる競馬、３角で落馬のアオりを受けながらもねじ伏せるように差し切ってみせた。叩いた上積みは大きく、100ｍの延長なら優位は動かし難い。

○(７)サンヨウテイオウ...２月戦で若武者・望月騎手と新コンビを結成するとたちまち３連勝。前哨戦で2000ｍを楽勝していたことが買われて２番人気に推された駿蹄賞は、上がり勝負に持ち込んだが寸前でカワテンマックスに捕まり２着惜敗。今少し道中流れてためが利いていれば勝っていたかという内容だった。今回はエレインアスティやカワテンティアラがいて前走ほどのスローにはならない？　逆転候補の筆頭はコレだろう。

▲(９)エレインアスティ...昨秋のネクストスター名古屋を逃げ切り大舞台での強さを示したが、その後はゴールドウィング賞６着、休養を挟んでネクストスター中日本４着と振るわず。ただ、中８日の強行軍で臨んだ東海クイーンカップはコパノエミリア（駿蹄賞３着、のじぎく賞１着）とクビ差２着と地力の高さを再認識させた。前走後はここ一本の調整。29日の追い切りで破格の時計をマークするなど文句なしの仕上げで臨む。

△(12)スターサンドビーチ...道営デビューで昨年７月に笠松へ移籍すると、３連勝で準重賞ジュニアクラウン勝ち。ただ、その後は重賞ばかり５連敗（入着２回のみ）と不遇の時期を過ごした。転機となったのは1900ｍに延びた笠松プリンシパルカップで、中団～後方からひとマクりで快勝。２着と０秒８差、３着以下には更に２秒８差を付ける圧勝劇だ。西日本クラシック２着で本物であることを示した。名古屋一線級が相手でも。

×(６)ヴィリケン...デビュー当初から差す競馬で２着→１着。距離延びていいタイプと目されていたが、その後は掲示板止まりと歯がゆい走りが続いた。ただ、2000ｍの中京ペガスターカップで２着と力走すると、駿蹄賞でも５着（０秒９差）と健闘。前開催３歳１組（３着）を叩いての臨戦は有力馬と比較すると不利だが、加減することなくビシビシ鍛えられて出来は急上昇。スピード面の劣勢を距離適性で補えれば大駆けがある？