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　３歳重賞「一冠目」。（１～３着馬は２開催後６月15日の石川優駿への優先出走権を付与)。かつては力差のハッキリとしたメンバーになることが多く、荒れるとしたら距離延長で変わり身を見せたのちの活躍馬が勝ったケースだったが、2014年以降は高配当もたびたび。近年は人気馬が勝っていても２～３着に人気薄という決着も多い。ただ、その近年の勝ち馬は前走１着ばかり、２着馬も前走１～２着という共通点はある。また、古い結果までさかのぼると、金沢デビューや２歳時から在籍の牡馬が好走する傾向も強い。
　さて今年だが、まだ突出した存在は見当たらない現状。昨年11月の同距離・ヤングチャンピオン出走馬が12頭中７頭いても、その後の対戦は勝ったり負けたり。そこに今季転入してきた馬たちも加わり、現時点では展開すら読み辛い大混戦。勝利候補は数多く、３着となると全馬に可能性あり、とても印が足りない。その中でも◎は今春急成長・前走ＪＲＡ交流勝ち(5)クリノチャールズ。ただ、昨年ネクストスター・前走ノトキリシマ賞と唯一重賞を複数勝っている(2)ショウガマッタナシや(10)ビバロジータなどの有力馬にも言えることだが、1700ｍ克服や展開的なものは何とも言えないところ。同距離のヤングチャンピオン覇者(7)ダンナイがここで躍動も十分。同レース２着(3)ミヤギロード、３着(6)エムティパルも復調してくれば圏内。上昇度や距離適性、差す脚がある点も魅力の(11)タルバン、(9)ゴールドパースにも要警戒。

　◎は(5)クリノチャールズ。冬場は高知で走って３月に帰厩後は昨季のように内ラチまでササることもなくなり、行き切った前々走は強い勝ち方、そして前走ＪＲＡ交流も２番手から抜け出す完勝劇。かつて差しがハマってＪＲＡ交流を勝った地元馬はいたが、このような横綱相撲的な勝ち方は記憶になく、２～３着など入着歴のあったＪＲＡ馬が４頭いた組合せ。成長・進化は正真正銘と見るべき。中央未勝利時は1800ｍに起用で全くの初距離でもないし、中間の調整も順調そのもの。未対戦の馬が多いここでも揉まれず先行して上回ると見た。

　○は(2)ショウガマッタナシ。昨年のネクストスター覇者。３月に順調さを欠いて今春の始動は遅れたものの、青写真通り上向いて前走の牝馬重賞・ノトキリシマ賞は２列目インから勝負所で自然と先頭に立つ完勝。レース運びの上手さが最大の強味、更に上昇かの攻め気配。同距離のヤングチャンピオン７着は斤量２kg増・疲れも敗因。距離さえ問題なければ勝利十分。

　▲は(7)ダンナイ。使いつつ若さ解消で昨季後半はヤングチャンピオン圧勝→準重賞制覇。今季は世代トップの座に就くと見ていたが、牧場で冬を越しての今春は馬体の張りツヤも物足りず走りも案外、前々走は勝ったがハナ差の辛勝、古馬相手とはいえ前走も負けすぎ。ただ、あくまで目標はこの北日本と次の石川優駿だったはず。未完の大型牡馬らしい上昇気配は見せているし、立ち回りこそ読めないものの、本領発揮なら再び頂点に立っていい。

　△は(6)エムティパル。世代屈指の能力は昨季２勝・石川テレビ杯２着・ヤングチャンピオン３着で実証済み。ただ、本馬など在厩で冬を越した馬は雪で乗り込み不足の段階で３月始動となり、案外な今季は元々の乗り難しい気性以上に調整・良化に手間取った影響が大。ようやく毛ヅヤが良くなりつつあるし、今回は本腰を入れた追い切り消化。変わってきても不思議ない。

　注は(3)ミヤギロード。開幕戦の若駒賞３着も上位２頭とは大きな差。本馬も在厩での越冬だったせいか、大型牡馬ゆえの途上感が抜け切らない今春の気配だったし、まだ身のこなしが本物ではないものの、ようやく前走で活気も出てきて内容前進。攻めを強化して1700ｍ重賞に臨むのはヤングチャンピオン２着差し込み時と似たような状況。バラける展開で内を回っての進出が叶えば面白くなる。

　穴は(11)タルバン。ＪＲＡ未勝利で３月に転入後４戦３勝。敗戦も３走前ダンナイ相手のハナ差で、まだ当時は気性的な幼さも目立って満足な追い切りもこなせていなかった段階。一戦毎に攻め強度を上げており、好素材の馬体が更に上向いて真剣味が増せば、未知の距離・相手でも楽しみあり。