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　７月上旬～中旬恒例のトライアル準重賞だったが、昨年引退したハクサンアマゾネスの名を冠して重賞にリニューアル。昨年までベニスビーチが３連覇したように、むしろ金沢所属馬にとっては強敵揃いとなる本番の全国交流「読売レディス杯」より力が入るレースとも言える。今年のメンバーで検討の鍵になるのは同条件だった５月11日の「お松の方賞」(東海北陸交流)。この結果は逃げとイン有利の馬場傾向も影響が大きかったと見るべきで、まして今週は砂補充後の降水量が少ない良馬場。同じ傾向にならない可能性が高く、今回も出走する１着・２着・３着・６着・９着馬の着順が違ってきてもいい。加えて、その有力馬と未対戦の馬も参戦してきて、全体的な展開もガラッと変わる可能性も高い。全馬の近走パフォーマンスを考えると力を出し切れば大半の馬が３着圏内に思え、とても絞り込んで買えるようなレースではないことを強調しておきたい。

　◎は(8)リケアマロン。昨年３歳重賞は北日本新聞杯１着→石川優駿２着（先月の百万石賞勝ちナミダノキスと3/4差）→加賀友禅賞（牝馬）１着。その後に移籍した岩手でも９月に1900ｍの牝馬重賞勝ち。当地に復帰した３月の３走前は程々の攻めでもマンガンらに勝利したが、冬季出走利も大きかったもの。短期放牧を挟んでの前々走・お松の方賞は１番人気も、前で運んだ勝ち馬(7)ハリウッドスマイルよりロスの大きい展開が影響した印象が強かったし、結果は最下位だった前走・百万石賞はむしろ馬体良化も感じ取れた当日気配だった。中３週の臨戦になる中間もしっかり攻めているし、条件もガラッと好転。ロスなく運べるかは微妙な枠順にはなったが、普通に走れば他を上回る戦績。自ずと結果を出せると見た。

　○は(3)コパノフランシス。まず転入前の戦績だが、1600ｍ以下で高知６勝・一昨年１月はベニスビーチやアンティキティラなど強敵撃破の1400ｍ牝馬準重賞勝ち。昨春の転入時は体調も本物と言えず、ようやく夏頃に少し上向いてきて２着が最高だったが、今季初戦の準重賞快勝や前走２着も驚けない走力は持っている馬（その２度ともハリウッドスマイルに先着）。折り合いの難しい馬ではあるが、中間の雰囲気も良く、前々走・お松の方賞９着は１コーナー大外という展開が敗因。松戸騎手との相性もいいし、ソコソコの位置を取ってロスなく運べそうな枠順にもなった今回は狙って面白いはず。

　▲は(9)ダイヤモンドライン。一昨年の３歳秋はサラ大賞典勝ち、昨年の百万石賞２着、今年も2000ｍの利家盃でインから小差３着。長距離向きではあるものの、1500ｍでも昨季は10月Ａ１勝ちと年末の重賞ファンセレクトＣ２着。この距離で速い流れになった時に追い込んで結果を出せている。同距離の前々走・お松の方賞は2000ｍ重賞からの中１週＋後方から外進出を試みての展開負け。牝馬同士なら力上位は言うまでもなく、落ち着いた流れにもなるまい。馬場と展開さえ噛み合えば突っ込んでこれる。

　△は(7)ハリウッドスマイル。前々走・お松の方賞勝ちは、逃げ絶対的有利な馬場傾向の外２番手から完勝だけに、決して恵まれたわけでもない。前走は牡馬相手・先行馬増で同じ牝馬との２着争いに敗れてしまったが、あくまで目標はここだったはずで、追い切り強度も上げてきた。２勝している1500ｍ牝馬重賞でベストの揉まれない先行も叶う顔ぶれと枠順。当然楽しみ。

　注は(2)シスターアクト。転入前３勝は1400ｍ以下だったが、当地ではコーナーでモタつきがちな跳びや気性的に忙しい流れ不向きかの３走前1400m大敗。転入初戦３着だった1700mなら前々走は次走・百万石賞３・４着馬に勝利、前２頭が飛ばした前走も肉迫２着。他の有力馬と対戦していない点は逆に魅力、インを回った方がいい馬だけに絶好の枠順。距離短縮・速い流れを不安視するものの、無理なくソコソコの位置で流れに乗れた時は好勝負に。

　穴は(6)ポンヌフ。愛知・名古屋所属時に遠征で参戦したお松の方賞が出遅れても３着。この走りなら勝負になる算段。評価に困るのは、転入戦がＢ１で１番人気は必然の前走で３着止まりだった点。再度の出遅れ・少々癖のある気性が敗因と見るが…。デキは悪くないはずの好追い切り披露。正直やってみないと分からない馬だが、位置に関わらず走る気を引き出せば上位争いに。