平安賞 著名人予想

橋本悠督
橋本悠督
(はしもとゆうすけ)

京都向日町競輪。これまで存続の危機もありました。そんな逆境を力に変えて・・・文字通り命を削りながら走り続けた男、村上義弘。

初めてタイトルを取った岸和田の全日本選抜競輪で「村上義弘、ついに大輪の花を咲かせました!」と実況したあの時から・・・もう20年が経とうとしているんですね・・・

僕はあの時、30歳
村上さんは僕の2コ下ですから

当時28歳か・・・

一人ハイボールのグラスを傾けながら
今日は過去を振り返り、静かに一人で過ごしたい。そんな夜ですね。

何度も中学の頃に暗記させられた平家物語の序文。

祇園精舎の鐘の声・・・

あぁ、平安賞、二日目最終レースの鐘は・・・
もしかすると・・・

祇園精舎の鐘の声だったのか・・・
そんな思いが頭を駆け巡ります。

盛者必衰の理をあらわす・・・か。

なんか、どうしても
あんなレースを見てしまうと、どうしてもセンチメンタルになってしまうのは、きっと村上選手と僕が同じ世代に生きた人間なんだからでしょう。

脇本雄太という、信じられないくらいの
爆発的な力を持つ選手が、東京オリンピックで世界との距離を大きく縮めてくれました。それは素直に同じ日本人としてとても嬉しく、これからが楽しみな思いでいっぱいです!

でも・・・やっぱり
うん、何となくいつかはこうなることは
分かってたけど・・・

それが向日町でハッキリしたことが・・・
きっと、逆に良かったんでしょう。

今日はしんみりと、静かに・・・
暑かった夏も、もう終わりなんですね。

第9R S級準決勝

発走時間
15:17
締切予定
15:12

地元作戦次第で・・・

最近主導権を握っていないので・・・という2日目のレース後、反省の弁が非常に印象的だった4窓場。この発言を考えると、準決勝は京都3人、たとえ相手は9大石であろうとも、捨て身で先行と考えるのが自然な流れだろう。後ろは1稲垣で、9大石の動き次第では番手から発進という流れをまずは基本に考える。そうなると、2日目のリカバリー力を考えると、どうしても7村上が差し切るところからいってみたくなる。勝負目は7村上の差し目で。ただ、9大石も京都勢の仕掛けはアタマにあるだろうし、叩き合い覚悟で強気に勝負にいくこともあり得る。その場合限定で、3小林の捲り一撃に期待しての穴目も少々。勿論、2佐藤の絡みは外せない。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 稲垣 裕之 86 京都 稲垣 裕之
86/京都
2 2 佐藤慎太郎 78 福島 佐藤慎太郎
78/福島
3 3 小林 泰正 113 群馬 小林 泰正
113/群馬
4 4 窓場千加頼 100 京都 窓場千加頼
100/京都
5 柿澤 大貴 97 長野 柿澤 大貴
97/長野
5 6 荒澤 貴史 85 北海 荒澤 貴史
85/北海
7 村上 博幸 86 京都 村上 博幸
86/京都
6 8 佐藤 康紀 73 青森 佐藤 康紀
73/青森
9 大石 剣士 109 静岡 大石 剣士
109/静岡
誘導 吉村 文隆 吉村 文隆

第10R S級準決勝

発走時間
15:55
締切予定
15:50

穴気配漂う横関。ノーマークなら。

2日目素晴らしい先行力を見せつけた2眞杉。後ろ南関の3人を引き連れてとなると、まず基本は先手取りというレースになっていきそう。ただ、クレバーな1松浦が2眞杉の好きなような展開にスンナリさせるのかどうか?ここがポイントになってくる。2眞杉は1松浦を意識し、1松浦は2眞杉を意識する、そんなレースになりそうで、そうなってくると完全に蚊帳の外に置かれるのは4横関。初日から調子も良さそうだし、流れも向いている。加えて、ここは完全に格下で、先ほども書いたように、完全ノーマークになる可能性が高い。ならばもしかすると・・・そんな期待を胸に大穴車券を狙ってみる。勿論、伸び冴える9不破が相手筆頭だが、混戦時の7池田や、3内藤、更には5田中あたりまで。広くヒモは考えたい。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 松浦 悠士 98 広島 松浦 悠士
98/広島
2 2 眞杉  匠 113 栃木 眞杉  匠
113/栃木
3 3 内藤 秀久 89 神奈 内藤 秀久
89/神奈
4 4 横関 裕樹 99 岐阜 横関 裕樹
99/岐阜
5 田中 晴基 90 千葉 田中 晴基
90/千葉
5 6 酒井 雄多 109 福島 酒井 雄多
109/福島
7 池田 憲昭 90 香川 池田 憲昭
90/香川
6 8 春日 勇人 82 千葉 春日 勇人
82/千葉
9 不破 将登 94 岐阜 不破 将登
94/岐阜
誘導 高久保雄介 高久保雄介

第11R S級準決勝

発走時間
16:35
締切予定
16:30

アタマ鉄板だけど..

確かに4橋本も連日いいレースをしているのだが、もうやはり5脇本の強さは桁違い。4橋本がいくら5脇本を苦しめようと強気に勝負にいったとて、7大森の番手捲りというのも難しいし、一気に5脇本が北日本をねじ伏せて、そのままの勢いで押し切るという可能性が濃厚と言わざるを得ない。ただ、冒頭のコラムにも書いたように問題は番手の1村上。車間が空きながらでも何とか踏ん張ってはいたのだが、ああいったレースを見せてしまうと、どうしても敵も千切れることを想定して組み立ててくるだろうし、そのスキを狙い絡んできそうな3瓜生がいるのが何とも気になる。5脇本から1村上はオッズ次第だが、敢えて外して、2着は3瓜生か、1村上が第二先行になった場合の9南に限定して勝負する。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 村上 義弘 73 京都 村上 義弘
73/京都
2 2 近藤  保 95 千葉 近藤  保
95/千葉
3 3 瓜生 崇智 109 熊本 瓜生 崇智
109/熊本
4 4 橋本 智昭 99 宮城 橋本 智昭
99/宮城
5 脇本 雄太 94 福井 脇本 雄太
94/福井
5 6 三好恵一郎 99 群馬 三好恵一郎
99/群馬
7 大森 慶一 88 北海 大森 慶一
88/北海
6 8 黒田  淳 97 岡山 黒田  淳
97/岡山
9 南  修二 88 大阪 南  修二
88/大阪
誘導 川村 晃司 川村 晃司

日本人は社会、組織、仲間との調和を重んじる一方、欧米の人たちは個人の権利を第一に考える…

なかなかみんなの前で自分の意見が言えない日本人と、ディスカッションを大切に考える欧米の人達。空気を読むのか、それとも自分の意見を大切にするのか。
広く認識されている欧米と日本の価値観の違いです。

大昔から家の為に政略結婚なんてのは当たり前のようにあったみたいですし、昭和の時代は年功序列の終身雇用。自分と会社は一蓮托生といってもいい価値観の男が大多数を占めていました。高校野球の送りバントの多さに欧米の人達は違和感を覚えるそうですし…それ以上に凄まじいのは、お国のためにという大号令のもと、若者が命を捧げた特攻隊。

家、会社、チーム、国。

そんな日本人の精神性に日本の競輪、いや、もっと厳密に言うとラインの概念がマッチしていた、というのは間違いないでしょう。

しかし、時は流れ
この考えは今、広く多くの人達に受け入れられるものなのかどうなのか?
ラインの概念って、今の日本人の肌感覚にマッチしているのかどうなのか?

脇本雄太というズバ抜けた能力を持つ選手が
後ろを突き放し圧勝する姿を見て、僕は分からなくなってしまいました。

強いものがブッチギリで勝つ
スポーツというのは本来、単純明快であってしかるべきはずなのに…そこに、組織の理論を後づけで持ち込んで、それを美しいと思い込ませているだけなのではなかろうか?

そして、そんな思い込みがもしかすると、ズバ抜けた能力を持つ
超一級品の素材を持つ選手の芽を摘んできたのではないだろうか?

昨日からずっとずっと考え込んでしまって
未だ、僕は分かりません。

男同士の友情
周りへの感謝
固い絆で結ばれた信頼関係

こういったものの大切さを
競輪は教えてくれました。

だからこそ
昨日、僕はインタビューで
圧勝した脇本選手への賛辞というより
追走できなかった村上選手への思いを忖度し
ここで手放しで喜んではいけないのではないか?

そんな思いに支配されていました。

でも、何も知らない人が昨日のレースを見たら
「すげー!脇本選手って!一人だけバイクやん!ヤバい!ヤバいよー!ウサンインボルトみたいやん!」

と、シンプルに、その強さにテンションが上がることは想像に難くありません。

もしかすると、その乖離が
今の売り上げの推移に繋がってるのかもしれません。

分かりやすさ、シンプルさ
そして公平さなのか

それとも調和の美しさを重視するべきなのか?
いや、その調和の美しさというのは実は幻想で

脚力の落ちた選手が長く生きていく為の
詭弁に過ぎないものだったのか?

とにかく、もし
今日、脇本選手が圧倒的な強さで優勝するようなら、今日こそ手放しで最大級の賛辞を送りたいと思います。

世界レベルの強さ
やっぱりハンパないですよ…

第8R S級特秀

発走時間
15:06
締切予定
15:01

混戦ならば伸び冴える北村で高配当を

3日目、トリッキーなレース運びで勝ち星をもぎ取った4伊藤。勿論、ここ先行勝負もありそうではあるのだが、そこまで決め打ちで考えてもいいのかどうか?9小林も同様。逃げて展開は1天田にというのは十二分にあり得るのだが、ここも絶対とは言い難い。そんな中で5稲垣がどう考えて動いてくるのか。ここは地元なので自分がしっかり勝てるような組み立てになるだろうが、それほど器用に位置を取りに行くタイプではないだけに、中団で外並走になるような展開なら、もしかすると腹を括って長い距離で勝負という展開になる可能性に期待して。とにかく、混戦になりそうなレースなので、ここは調子の良さそうな追い込み選手に期待する。中でも面白いのは7北村。昨日の伸びを見ていると、3番手からでもチャンスは十分あるとみて。相手は手広く。手広く考えてみる。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 天田 裕輝 91 群馬 天田 裕輝
91/群馬
2 2 南  修二 88 大阪 南  修二
88/大阪
3 3 大坪 功一 81 福岡 大坪 功一
81/福岡
4 4 伊藤  旭 117 熊本 伊藤  旭
117/熊本
5 稲垣 裕之 86 京都 稲垣 裕之
86/京都
5 6 稲吉 悠大 92 福岡 稲吉 悠大
92/福岡
7 北村 信明 93 徳島 北村 信明
93/徳島
6 8 佐藤 康紀 73 青森 佐藤 康紀
73/青森
9 小林 泰正 113 群馬 小林 泰正
113/群馬
誘導 吉村 文隆 吉村 文隆

第9R S級特秀

発走時間
15:50
締切予定
15:45

松浦の調子は一息だが…さすがに

3日目は後手に廻る展開で、何もできずに終わってしまった5松浦。これまでの安定感を考えると、らしくないレースになってしまったが、ここは2竹内という目標があり、その2竹内も後が5松浦なら、とにかく主導権は最低でもという気持ちで組み立ててくるだろう。ここは素直に5松浦を軸で考える。ただ、2竹内の駆け方にもよるのだが、ほんの少しだけ考えておきたいのは1田中が5松浦の位置を狙って番手勝負にいった時。この可能性は少し、ほんの少しだけ考えて、その時は7不破の一撃に期待してみる。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 田中  誠 89 福岡 田中  誠
89/福岡
2 2 竹内  翼 109 広島 竹内  翼
109/広島
3 3 近藤  保 95 千葉 近藤  保
95/千葉
4 4 伊藤 正樹 71 愛知 伊藤 正樹
71/愛知
5 松浦 悠士 98 広島 松浦 悠士
98/広島
5 6 城  幸弘 96 山梨 城  幸弘
96/山梨
7 不破 将登 94 岐阜 不破 将登
94/岐阜
6 8 酒井 雄多 109 福島 酒井 雄多
109/福島
9 黒田  淳 97 岡山 黒田  淳
97/岡山
誘導 高久保雄介 高久保雄介

第10R S級決勝

発走時間
16:35
締切予定
16:30

脇本圧勝とは思うのだが…

決勝メンバーを見た段階から、半ば諦めムードの5村上博。「ついていくのは難しいと思いますが」というのが偽らざる心境だろう。とにかくそのくらい1脇本の力は圧倒的だし、仕掛けも迷いがない。肉体的にも精神的にも疲れが残っている状態に違いはないのだろうが、それでもやはりレベルが違いすぎる。まずは1脇本からの筋違いというのが基本ではある。しかし、この3日間と比べると、そんなに簡単にいくような相手でもない。南関でラインがしっかりできた7大石が主導権を握り、中団に9眞杉、そして1脇本が8番手になった時に落とし穴がないとも言い切れない。1脇本不発の展開を考えるなら、7大石の先行から2内藤の絡みと、9眞杉、3佐藤慎の車券。この辺りは、1脇本不発に限定してのボックス車券で勝負する。

車番 選手名 期別 府県 選手名
期別/府県
1 1 脇本 雄太 94 福井 脇本 雄太
94/福井
2 2 内藤 秀久 89 神奈 内藤 秀久
89/神奈
3 3 佐藤慎太郎 78 福島 佐藤慎太郎
78/福島
4 4 大森 慶一 88 北海 大森 慶一
88/北海
5 村上 博幸 86 京都 村上 博幸
86/京都
5 6 瓜生 崇智 109 熊本 瓜生 崇智
109/熊本
7 大石 剣士 109 静岡 大石 剣士
109/静岡
6 8 田中 晴基 90 千葉 田中 晴基
90/千葉
9 眞杉  匠 113 栃木 眞杉  匠
113/栃木
誘導 川村 晃司 川村 晃司
橋本悠督

【プロフィール】
橋本悠督(はしもとゆうすけ)

1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。

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