展開有利に古性だが…
連日、兄譲りの積極的なレースで地元バンクで存在感を見せている8脇本。末の粘りもついてきて着実にスケールアップしているのは間違いない。番手は2日目に続いて5古性。車間を斬って余裕たっぷりの立ち回りで、やはりここも展開有利にというのが大本線になってくる。3番手の1松岡まで突き抜けるところや、4番手で脚を溜めてそうな4坂本の絡み、更にしぶとい3岩津あたりへという車券が基本にはなってくるのは仕方ないが、ここは8脇本の地元福井競輪。5古性が2日目以上に脇本を残してやろう、という親心が出た時にもしかすると穴目があるかもしれない。その時に面白いのは7皿屋の一発!8番手からでもハマった時の破壊力は大きな魅力で、ここからも少し狙ってみたい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 松岡 健介 | 87 | 兵庫 | 松岡 健介 87/兵庫 |
2 | 2 | 東 龍之介 | 96 | 神奈 | 東 龍之介 96/神奈 |
3 | 3 | 岩津 裕介 | 87 | 岡山 | 岩津 裕介 87/岡山 |
4 | 4 | 坂本 亮馬 | 90 | 福岡 | 坂本 亮馬 90/福岡 |
5 | 古性 優作 | 100 | 大阪 | 古性 優作 100/大阪 |
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5 | 6 | 望月 一成 | 111 | 静岡 | 望月 一成 111/静岡 |
7 | 皿屋 豊 | 111 | 三重 | 皿屋 豊 111/三重 |
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6 | 8 | 脇本 勇希 | 115 | 福井 | 脇本 勇希 115/福井 |
9 | 松坂 英司 | 82 | 神奈 | 松坂 英司 82/神奈 |
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誘導 | 伊原 克彦 | 伊原 克彦 |
山口が強烈なスピードで魅了
初日の捲りは10.9。2日目は一度瓜生に捌かれて後方に追いやられながらも前団を飲み込んだ5山口。やはりスピード上位は明白で、後方に追いやられても一気に捲り切ってしまうところを基本には考えたい。ただ、後方からの捲りとなると、ベテラン1笠松では追走は厳しそう。あと、問題は組み立ての巧い3森田がどう考えているか。2中西が豪快に主導権を握り、3森田が中団で5山口の仕掛けを警戒し、いいタイミングで仕掛けた時にはもしかすると波乱もあるかもしれない。ただ、5山口の場合は簡単に不発の展開でも諦めるタイプではないので、やはりそれでも2,3着には必要。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 笠松 信幸 | 84 | 愛知 | 笠松 信幸 84/愛知 |
2 | 2 | 中西 大 | 107 | 和歌 | 中西 大 107/和歌 |
3 | 3 | 森田 優弥 | 113 | 埼玉 | 森田 優弥 113/埼玉 |
4 | 4 | 鷲田 幸司 | 92 | 福井 | 鷲田 幸司 92/福井 |
5 | 山口 拳矢 | 117 | 岐阜 | 山口 拳矢 117/岐阜 |
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5 | 6 | 佐藤 壮 | 100 | 千葉 | 佐藤 壮 100/千葉 |
7 | 香川 雄介 | 76 | 香川 | 香川 雄介 76/香川 |
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6 | 8 | 武藤 篤弘 | 95 | 埼玉 | 武藤 篤弘 95/埼玉 |
9 | 村田 雅一 | 90 | 兵庫 | 村田 雅一 90/兵庫 |
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誘導 | 中川 博文 | 中川 博文 |
ここは郡司がやはり断然
どう考えても5郡司の脚色が断然なのは間違いないレース。3大石が8藤井と叩き合ってでも主導権を握りにはいくだろうし、最悪、3大石が行ききれなくても、自ら5郡司が捲って9内藤と決めてしまうのが大本線。どうしてもここに人気が集中してしまうので、とにかく絞らなければいけない。3着候補は溜めて飛んできそうな4金子に、ムラっけはあるものの復調の兆しは見える1三谷。多分、2点勝負でいっぱいいっぱいだと思われ。厚めにしっかり取りに行く。3着抜けたらごめんなさい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 三谷 竜生 | 101 | 奈良 | 三谷 竜生 101/奈良 |
2 | 2 | 齋藤登志信 | 80 | 宮城 | 齋藤登志信 80/宮城 |
3 | 3 | 大石 剣士 | 109 | 静岡 | 大石 剣士 109/静岡 |
4 | 4 | 金子 哲大 | 95 | 埼玉 | 金子 哲大 95/埼玉 |
5 | 郡司 浩平 | 99 | 神奈 | 郡司 浩平 99/神奈 |
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5 | 6 | 田中 俊充 | 76 | 福井 | 田中 俊充 76/福井 |
7 | 大森 慶一 | 88 | 北海 | 大森 慶一 88/北海 |
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6 | 8 | 藤井 栄二 | 99 | 兵庫 | 藤井 栄二 99/兵庫 |
9 | 内藤 秀久 | 89 | 神奈 | 内藤 秀久 89/神奈 |
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誘導 | 鷲田 佳史 | 鷲田 佳史 |
自分が車券の対象にしている自力選手が強引に仕掛けて、その結果不発に終わってしまうと
「もうちょい待ったら良かったのに〜」
と思ってしまうのは車券師として当たり前の話です。
そこで無理にいかなくても、まだ全然被るような展開じゃなかったのに…もうちょい脚を溜めてたら…ああ…きっと捲り追い込みなら…バッチリ決まってたんじゃないだろうか??
女々しい私はこんな時、いつもそう思います。いつもです!
しかし!その後に「しゃあないな、あそこで勝負したのは立派やわ」と、納得し、心の中に一陣の清々しい風が流れるのは何故でしょう?
これは、僕が思うに…数ある公営競技の中でも、競輪ファンというのは比較的、結果論だけで物事を評価することをよしとしない。そんなタイプの人が多いからではないかと思うのです。
じゃあ、どうして競輪ファンは結果論が嫌いなのか?これについて考えてみましょう。
競輪は狙い目を出すまでにあらゆることを想定、まるで詰将棋のような作業を行います。
選手の性格、相性、人間関係、過去の実績、今節の気配、バンクの特徴…そして何よりレース展開!とにかくありとあらゆる情報を頭の中でミックスしていく訳ですから、そりゃ適当に数字を選んで当たればオッケーという宝くじ的発想とはまるで違う訳ですよ。
特にグランプリなんかは、1ヶ月かがりで
情報を精査し、狙い目を導く訳ですから、普通の人が見たら、アホとしか思えないでしょう。
つまり!狙い目を出すまでのプロセスを何よりも重視するギャンブル故に、深く考えることなく結果だけでモノを判断することを嫌うのではないかと、そう思うのです。
「わきもとくーん!望月に叩かれたあと、もうちょい待ってたら、もしかしたら捲れたかも知れんけど、そら古性先輩連れてのレースやったら、あそこで仕掛けるので正解なんやで〜。俺はキミの3着の車券は結構あったんやけどな。でも、それでええんやで!キミのお兄ちゃんも、そーやって、何回も何回もあんなレースして、後ろの先輩の幸せ配達人とか言われながら、それで、そーやってどんどん強くなって、日本一になったんやから。うん、今はそれでええねん!ん?キミの3着の車券、しっかり持ってたんやけどな…」
福井記念、今日は最終日です。
今の鶴の気配ならもしかすると…
5皿屋の後ろが四国と関東で競り合いに。5皿屋にとってこんな光栄なことはないだろうが、もしかすると駆けにくさもあるのでは?2分戦なので初手は前か後ろの2択。もし、後ろから5皿屋が一旦前を抑えて、というジワジワスピードの上がっていく展開ならば、競り合いは長引き、長引けば長引くほど後ろの6鶴が恵まれるし、逆に、5皿屋が前受けからで、引いてのカマシなら、3芦澤と1香川が反応できず、6鶴が番手にハマるという可能性もある。つまりは、流れはどちらになろうとも6鶴に!6鶴自身の調子に全く問題はなく、昨日の突っ張り先行を見せられると、やはりどうしても期待してしまう。6鶴のアタマ、2着の車券で、組み合わせによっては大きいところを仕留めたい。ヒモ穴は昨日の伸び良かった9山中。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 香川 雄介 | 76 | 香川 | 香川 雄介 76/香川 |
2 | 2 | 坂本 亮馬 | 90 | 福岡 | 坂本 亮馬 90/福岡 |
3 | 3 | 芦澤 辰弘 | 95 | 茨城 | 芦澤 辰弘 95/茨城 |
4 | 4 | 市橋司優人 | 103 | 福岡 | 市橋司優人 103/福岡 |
5 | 皿屋 豊 | 111 | 三重 | 皿屋 豊 111/三重 |
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5 | 6 | 鶴 良生 | 111 | 福岡 | 鶴 良生 111/福岡 |
7 | 高原 仁志 | 85 | 徳島 | 高原 仁志 85/徳島 |
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6 | 8 | 武藤 篤弘 | 95 | 埼玉 | 武藤 篤弘 95/埼玉 |
9 | 山中 貴雄 | 90 | 高知 | 山中 貴雄 90/高知 |
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誘導 | 伊原 克彦 | 伊原 克彦 |
位置取り勝負は激化。ポイントは瓜生の気持ち!
このメンバーで普通に考えれば先行勝負になりそうなのは2中西。後ろに地元の8田中がつけるだけに、やはりしっかりと主導権を握ってという展開はある。で、その時の問題は中団、というか好位争い。捌ける1瓜生にお父さん譲りの生粋のマーカー9東が前なら、最低でも先手ラインの後ろを主張ということになるだろうし、最近4飯野もそんなに簡単に後ろに追いやられてしまうレースというのは比較的少ない。となると、好位がもつれて、まんまと2中西が逃げ粘ってしまうのでは。ただ、タイトルにも書いたように、問題は1瓜生。勿論捌きのレースも得意なのだが、位置取り争いをするくらいなら、後ろは同県の先輩2人だし、7中本、6野口に勝利をプレゼントするつもりで早めに仕掛ける可能性は十分にあり得る。2中西の粘りは勿論必要だが、1瓜生が早めに勝負という展開からの狙いが勝負目に。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 瓜生 崇智 | 109 | 熊本 | 瓜生 崇智 109/熊本 |
2 | 2 | 中西 大 | 107 | 和歌 | 中西 大 107/和歌 |
3 | 3 | 内藤 秀久 | 89 | 神奈 | 内藤 秀久 89/神奈 |
4 | 4 | 飯野 祐太 | 90 | 福島 | 飯野 祐太 90/福島 |
5 | 大森 慶一 | 88 | 北海 | 大森 慶一 88/北海 |
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5 | 6 | 野口 大誠 | 105 | 熊本 | 野口 大誠 105/熊本 |
7 | 中本 匠栄 | 97 | 熊本 | 中本 匠栄 97/熊本 |
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6 | 8 | 田中 俊充 | 76 | 福井 | 田中 俊充 76/福井 |
9 | 東 龍之介 | 96 | 神奈 | 東 龍之介 96/神奈 |
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誘導 | 中川 博文 | 中川 博文 |
強豪ぞろいだが、サイゴは実績の郡司が
非常に面白うメンバーになった決勝戦。まず注目したいのは近畿ライン。4人で連携で前は1古性。この1古性がまずどう考えているかがポイント。現在の賞金ランキングは10位で、今年は初のグランプリが射程圏。そんな1古性が例え4人のラインとはいえ、先手まで考えているのかどうか?一方の7山口。後ろが2岩津なら、3日目と同じように構えるレースでいいのでは?届くか届かないか、の組み立てと見ていいだろう。となると問題は5森田の考え。後ろが3郡司ならば、地区は違えどもここは思い切って勝負!という組み立てになるのでは。確かに5森田も得意なのは3日目のような組み立てだが、それでも7山口に捲られてしまっているので、そう考えると、やっぱり強気にいくしかないのでは。悩みに悩んだが、軸は5森田にのる3郡司で。あとは1古性と、どうしても外せない7山口の捲り追い込みを。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 古性 優作 | 100 | 大阪 | 古性 優作 100/大阪 |
2 | 2 | 岩津 裕介 | 87 | 岡山 | 岩津 裕介 87/岡山 |
3 | 3 | 郡司 浩平 | 99 | 神奈 | 郡司 浩平 99/神奈 |
4 | 4 | 三谷 竜生 | 101 | 奈良 | 三谷 竜生 101/奈良 |
5 | 森田 優弥 | 113 | 埼玉 | 森田 優弥 113/埼玉 |
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5 | 6 | 村田 雅一 | 90 | 兵庫 | 村田 雅一 90/兵庫 |
7 | 山口 拳矢 | 117 | 岐阜 | 山口 拳矢 117/岐阜 |
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6 | 8 | 齋藤登志信 | 80 | 宮城 | 齋藤登志信 80/宮城 |
9 | 松岡 健介 | 87 | 兵庫 | 松岡 健介 87/兵庫 |
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誘導 | 鷲田 佳史 | 鷲田 佳史 |
1972年5月17日生。関西・名古屋などでFMのDJを経て、競輪の実況アナウンサーへ。実況歴は18年。最近はミッドナイト競輪in小倉を中心に活動中。番組内では「芸術的なデス目予想」といういいのか悪いのかよく分からない評価を視聴者の方から頂いている。
先日、病院の待合室で流れていたテレビはアメリカメジャーリーグ。エンゼルスとレッドソックスの試合でした。だいたい、病院の待合室で見るテレビなんてものは単なる時間つぶしで、流れている映像をぼんやり眺める程度のものなんですが、大谷翔平の一挙手一投足はそれとは全く異なり…
何と言いますか…人を惹き付けるパワーが凄まじいですね。前代未聞の二刀流という話題先行からのチャレンジが、こんな恐ろしい怪物を生みだすなんて。正直、こんな漫画みたいな野球選手を生きているうちに拝めること自体が幸せだと思うくらい凄い選手です。
インコース膝元へ食い込むスライダーをものの見事に弾き返すしなやかなバッティング。そして軽々と降ってるようにしか見えないのに、ポンポンとボールをスタンドに入れてしまう凄まじい飛距離。そして、投げてもストレートの威力は半端なく…
一つ一つのプレーが絵になるというか、人を魅了するというか…
まさにスーパースターの中のスーパースターと言ってもいいでしょう。
競輪界にも強い選手、凄い選手っていうのはたくさんいますけれども、やっぱり魅せるレースができるかどうか?真の意味でのスーパースターと呼ばれるには、そういった要素というのがやはり必要なのではないかと思う訳です。
そういった意味で、今、競輪界で人を惹き付けることのできる星を持っているのではないかと思うのは、今回の福井記念、連勝で勝ち上がってきた山口拳矢選手。
私も、このコラムで同じ選手のことばかり本当は書きたくないんですよ。
できれば、そりゃ、地元で素晴らしいマーク戦を披露したワシコーこと鷲田選手を褒め称えたい!
しかし、やっぱり山口選手から感じるレースのインパクトが強すぎて…
トークも含めてのスター性なら、ワシコーもきっといい勝負になるとは思うのですが、山口選手の、一度捌かれて後ろに追いやられて、そこからの怒涛の捲り返しは、やっぱりスーパースターの素養をこれでもかと感じさせるレースっぷりでした。
やっぱり彼は大物に違いない。
まだまだ、これから周りの選手に警戒されて苦しめられることもたくさんあると思いますが、ほんと色んな意味において、これからの成長が楽しみとしかいいようがないですね。
車券を外して人を魅了するような星ではなく
できることなら、私にもこんな星が少しでもいいから欲しかった…嗚呼ウラヤマシス…