Odds Park 競馬

【中央所属馬の評価】

　グランブリッジは昨年の関東オークス制覇以来、牝馬限定のダートグレード競走で【4-2-0-0】と連対を外していない。息の長い末脚と勝負強さがこの馬の持ち味で、開けて４歳の今年はＴＣＫ女王盃、エンプレス杯を連勝と、いよいよ女王の風格が出てきた。４か月振りの実戦、初めての1600ｍ、58キロ克服が今回テーマだが、スタートさえ決めれば克服可能だろう。

　レディバグは昨年の２着馬、勝ったショウナンナデシコに直線だけでクビ差まで迫った。レース振りが不器用な反面、最大の武器である決め手は強烈。例年夏場に調子を上げる傾向にある、1600ｍも【1-3-1-1】と悪くない。

　タガノクリステルはダート路線参入後順調に４勝を挙げ、前走リステッドの栗東Ｓ２着でオープンにもメドを付けた。番手～好位からのレースだが、溜めればひと脚使えるように万能タイプ。地方のダートグレード競走は初めてでも牝馬同士なら可能性十分。

　エナハツホは今春ダートで３連勝。母系が強く出たパワー型で、中団～後方からエンジンかかっていい脚を長く使う。今回初の地方競馬だが、地方ダートは血統的にも歓迎。無欲の競馬に怖さ。

【地方所属馬の評価】

　地方勢の大将格はスピーディキックだ。通算重賞７勝の地方競馬最強牝馬。テンションが高くなりやすい面はあるが、レースではだいぶ落ち着いて走れるようになってきた。今季２走はフェブラリーＳ、かしわ記念の牡馬ＧＩ（JpnI）で、いずれも６着だったが、その経験もここにつながるはず。川崎コースは【2-0-1-0】と得意。

　ノーブルシルエットはＪＲＡダートで４勝、総武Ｓで0.2秒差４着などオープンでも良績ある。逃げ、先行タイプの快速型で、1600ｍも【1-0-1-3】と適性に自信ある。南関東向き血統で、今回は転入緒戦だけに仕上がりがカギになる。

　ラインオブフェイトはＪＲＡ３勝、うち１つが船橋の条件交流(1600ｍ)だが、前２走３勝クラスで大敗。放牧、大敗を繰り返したように状態面で手探りの感は否めない。左回りは【3-0-0-5】と適性高く、その点に望み。

　トキノゴールドは昨年の牝馬三冠で４・５・４着ながら、関東オークスはグランブリッジから2.3秒離された。その後の成長力もひと息だけに、今回は厳しいメンバーだろう。

　笠松のサイファリスは、南関東在籍時B2～B3クラスで【0-0-0-6】。ここは厳しい力関係になった。

【解説者の予想】

　４月のマリーンＣ以来となる牝馬限定の古馬ダートグレード競走。注目は関東オークス以来となるＪＲＡ・地方の女王の直接対決だ。
　まずはＪＲＡのグランブリッジだ。ここまで牝馬ダートグレード競走で【4-2-0-0】。ＪＢＣレディスクラシックで敗れた同世代のヴァレーデラルナ、クイーン賞で敗れたテリオスベルには今年のＴＣＫ女王盃、エンプレス杯できっちりと借りを返した。競馬場、距離を問わず安定感は抜群だ。今回課題となりそうな58キロも、馬格的に心配もあるが、前走時から２キロ増なら克服可能だろう。

　続いて地方のスピーディキック。昨年暮れの東京シンデレラマイルで南関東牝馬路線のトップを確定させ、年明けはフェブラリーＳ、かしわ記念と中央、地方のマイルＧＩ（JpnI）に意欲の挑戦。結果的には６・６着だったが、それでもフェブラリーＳは健闘の部類だし、かしわ記念も地方馬最先着、７着イグナイターがその後さきたま杯勝ちとレースレベルも高かった。【2-0-1-0】の川崎コースは歓迎、３キロ差の斤量を武器に逆転は十分可能だ。

　割って入るとすれば地方ダート実績からレディバグか。昨年のこのレース２着は、上がり３ハロン最速の38.7でショウナンナデシコにクビ差、３着のサルサディオーネには２馬身半差をつけた。1400ｍは忙しいイメージで、マイルで変わり身をみせても不思議ない。　前走でレディバグに先着しているタガノクリステルも、勝ち馬には突き放されたが、重賞連対歴のある牡馬をおさえての２着は評価できる。ＪＲＡ時オープンで入着歴があるノーブルシルエットは今回転入初戦で４か月ぶりの実戦となるが、実績通りなら軽視できない。

　◎（１）グランブリッジ
　○（９）スピーディキック
　▲（７）レディバグ
　△（４）タガノクリステル
　△（５）ノーブルシルエット