Odds Park 競馬

【中央所属馬の評価】

　ヴァレーデラルナは盛岡・ＪＢＣレディスクラシックの勝ち馬。重賞初挑戦、それもJpn１を２～３番手の正攻法で勝ちきった。1800ｍはベストの条件。中団から追い込んだり、ハナ切ってマイペースの逃げも出来る自在性あり、少頭数の競馬にも対応できる。目下４連勝と勢いあるが、初の大井競馬場の馬場、初の休養明けと未知の要素はあるが、坂路とＣＷ併用で乗り込みは十分だ。

　グランブリッジは関東オークス、ブリーダーズゴールドカップを連勝。最近２戦連続２着と勝ち切れないが、盛岡ではスタートひと息、船橋では深い砂と、３歳馬にとってはまだ経験を積む段階でもあった。今回も初の大井競馬場だが、調教師に転身する福永祐一騎手に替わり、今回から川田将雅騎手。頼もしい鞍上を得た。

　テリオスベルは前走のクイーン賞で重賞初勝利。いつものように向正面からまくって先頭に立ち、そのまま押し切った。大井は昨年のレディスプレリュード２着以来だが、その時もスタートで遅れたが、一気にハナを奪いに行き、最後はプリティーチャンスに１馬身交わされたが、コース適性は高く、少頭数でスローになるようなら今回も一気に行く手も。

　プリティーチャンスは昨年のレディスプレリュードで重賞初勝利。軽快に飛ばすテリオスベルを上がり36秒９の末脚で差した。その前のブリーダーズゴールドカップでも、グランブリッジを最後猛追してクビ差２着と、地力は証明済み。今回なにより大井1800ｍ適性が強調できる。休養明け【2-1-0-2】と走るし、緒戦から。

　ナンヨーアイボリーはダート転向で素質開花した良血。今回重賞初挑戦だが、良績はすべて1400ｍでどちらかというと軽い馬場向きの走りでスピードタイプか。大井の砂、距離適性には若干疑問が残る。
 

【地方所属馬の評価】

　コスモポポラリタはフローラルカップ、ブロッサムカップの勝ち馬だが、大井転入後は東京プリンセス賞２着などあともうひと押しが足りない近況。中距離向き成長株は確かだが、前々走のクイーン賞では軽量51キロで６着、しかも勝ち馬テリオスベルから4.1秒差は厳しい着差。道中脚をためて一角崩し狙い。

　マルカンセンサーは明けて８歳。このレースには過去３回出走し、４歳時２着は９番人気イン強襲。６歳時４着はあともう一歩のクビ差４着。昨年は12番人気の最低人気も、最後方から上り37秒５で８着だったが、勝ち馬からは0.8秒差。このレースの適性だけは高い。

【解説者の予想】

　いよいよ26年の歴史に幕が閉じられる。来年からは「兵庫女王盃」と名を改め園田へ舞台を移すことになる。最後の「ＴＣＫ女王盃」は中央５頭、地方２頭の計７頭と寂しいメンバーとなったが、中央勢はＧ１級の実力馬が出走。今年の女王ロードを占うにふさわしい一戦となりそう。
　昨年の盛岡・ＪＢＣレディスクラシックで頂点に立ったヴァレーデラルナ。大外枠から逃げたサルサディオーネの番手で折り合い流れにのると、後続の動きに合わせるように四角先頭からそのまま押し切る正攻法。500キロ超えの牝馬らしく堂々とした勝ちっぷりだった。２戦目初勝利後は３歳１勝クラスを勝ち抜けなかったが、古馬編入後４連勝はそのまま成長力とみてよさそうで、明けて４歳さらなる進化も期待できそう。今回課題は一気に３キロ増で初体験の斤量56キロだが、前述どおり馬格あり問題ないか。
　ＪＢＣレディスクラシック２着グランブリッジ。ヴァレーデラルナを見るかたちで道中運んだが、三角でテリオスベルに前に入られ直線外を回ったぶんゴール前わずかに届かずのクビ差。結果的にスタート時の不利も影響した感じもある。反撃を期した前走クイーン賞はテリオスベルには完敗したが、２着は確保し３着ショウナンナデシコには７馬身差を付けた。牝馬ダートグレード競走参戦後１・１・２・２着は胸を張れる成績だろう。今回は川田騎手に手替わり、これが刺激となれば再逆転も。
　テリオスベルは逃げがベストでもスタートが遅いという個性をベテラン・江田照騎手が生かして、それが前走のクイーン賞勝ちでいよいよ結実した。ただ、すでにこの手の内がばれているし、紛れの少ない少頭数はこの馬には逆にマイナス要素か。前々走で同舞台の大井1800ｍ・レディスプレリュード勝ちが光るプリティーチャンス。続くＪＢＣレディスクラシックは５着に終わったが差はわずかだったし、過去をみても左回りより右回りのほうが好成績で見直しは当然だろう。

◎(2)ヴァレーデラルナ
○(7)グランブリッジ
▲(3)テリオスベル
△(5)プリティーチャンス