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　真夏の伝統ハンデ重賞｢摂津盃｣は例年以上に力差拮抗。ペースがほんの少し違うだけでも結果が変わりそうなほど、今年はかなり難解なメンバー構成となった。ゆえに展開読みが非常に重要、各馬の動きを推測すると淀みない流れは避けられないと見て、本命には非凡な末脚と重賞好走実績を兼ね備えた(４)エイシンデジタルを抜擢。前掛かりな流れとなった際の上位浮上は確実、のちの重賞４勝馬と小差３着だった昨年の重賞好走歴からも、このメンバーなら堂々と主役を張れる。(８)メイプルグレイトは兵庫移籍後の躍進目覚ましく。勢いで右に出るものはいない。トータル実績から見るとまだ距離への適性に疑問は残るが、結果を残した２走前の走りが本物なら力でねじ伏せる可能性も十分。(１)コスモバレットは内回りなら好走、外回りになると凡走と立ち回りによって結果がハッキリしている。近走の外枠続きから一転して最内枠を引いたとなれば大きく変わっていい。差し有利の流れと読めば末脚に不発のない(２)エイシンナセルも軽視不可。あとは逃げならしぶとい(12)ディアタイザン、相手なり堅実(５)マイネルプリサイスを。

◎(４)エイシンデジタル…現状の好走距離が1400メートル主体なのは展開が淀みなく流れやすいのが理由で、要は今回の1700メートル戦でもそういった流れになれば問題なく力を発揮できるということ。前走では今回も相手となるメイプルやナセルに先着を許したが、敗因は内々で動けず直線でも伸びづらいコースを走らされたため。当地オープン級４勝、昨年の金沢重賞３着の実績からも展開が向いて且つスムーズならここでも十分主役を担える。

○(８)メイプルグレイト…前走は珍しく崩れる結果となってしまったが、これは前付けできなかった上に勝負どころも捌けず、あげく直線でも他馬がモタれたことで内に押し込められたりと、スムーズさを大きく欠いたことが敗因。２走前1700メートル戦で手応えほど弾けなかった点は引っ掛かるものの、58キロを背負っていたことを思えば価値のある勝利と捉えることもできる。ペース不問で後続をねじ伏せてきた２走前以前の内容通りなら、ここでも力量は最も上と見るべき。

▲(１)コスモバレット…直近成績は下降線だが、２走前は兵庫現役トップのジンギのペースに付き合い、前走はタフな長丁場で終始外を回らされる不運と、いずれも敗因はハッキリしている。逃げるにせよ控えるにせよ好走に結び付くのは内々を立ち回った時で、３走前にはそのレース運びで兵庫の古豪エイシンニシパをあと一歩まで追い詰めていた。願ってもない最内枠を引けたとなれば当時の再現まであっても驚けない。

△(２)エイシンナセル…前走２着は外伸び馬場の恩恵もあったため過大評価はできないものの、鮮やかに差し切った３走前も照らせ合わせれば馬場云々関係なく、自身の末脚が磨かれていることも確か。重賞初挑戦とはいえ幸いにもズバ抜けたほどの相手はおらず、ここでも注文通り淀みない流れになれば直線一気の強襲まで。

△(12)ディアタイザン…1870メートル戦の兵庫ダービーを制しているが、ダービーは年々短距離指向が強くなっているため、この結果だけで中距離が合うと判断するのはやや危険。ただ逃げた時に於ける安定度の高さはやはり侮れない上、摂津盃は前走勝ちで勢いに乗る馬がそのまま好走するケースが多い。好調度で推す。

△(５)マイネルプリサイス…中距離で勝ち切るとなると逃げが必須なだけに、同型ディアタイザンやタマモサザンクロスがいるとなると頭までは見込みづらい。ただ好位に控える形でも相手なりにまとめる力は持っており、うまく流れに乗じるようだと一角崩しまで有り得る。