出走馬のうち8頭が前走ノベンバーカップ組だが、当時は4,10,11番人気での決着で3連単20万円と、参考にしづらいレース。ここはそれ以外のレースから来た馬のうち、◎（3）ソルエストレーラに期待する。ピンかパーかのタイプで、買うなら1着固定でよいというわかりやすさもある。騎手企画レースなのでテン乗りだが、内枠を生かして逃げるというテーマ性のはっきりした馬。行ければ1着、行けなければ諦めるという馬券で。

3連単 フォーメーション
3 ⇒ 2・4・9・10・11 ⇒ 2・4・9・10・11（20点）

須田 鷹雄 氏：プロフィール

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」（宝島社）でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。

12月2日（月）はオッズパーク杯「ゴールデンジョッキーズシリーズ（2戦）」。当初、出場予定だった山本政聡騎手（11月26日終了時点リーディングジョッキー第5位）は疾病のため、繰り上がりで関本玲花騎手（リーディング15位）が出場する。記憶に間違いがなければ女性騎手がゴールデンジョッキーズシリーズへ出場するのは史上初めて。同騎手は2019年10月デビューで先週終了時点で地方競馬通算164勝をあげ、今年37勝をマークしている。

第1戦はＢ2級・水沢1400m条件で行われる。
◎（2）キタノコンドル（村上忍）は中央未勝利から今年転入。3勝2着2回3着4回の成績を収めている。古馬Ｂ2編入後は2着1回が最高だが、前走5着は先行馬が総崩れの展開。それでも1着馬から0秒4差に粘り、見せ場も作った。1400m短縮は望むところ。
〇（3）ソルエストレーラ（鈴木祐）は前回快勝。マイペースの逃げに持ち込んでフェルサイトの追撃をハナ差で封じた。3着ソロフレーズは5馬身も離されており、走破タイム１分28秒5も優秀。奇しくも前走と同じ3番枠を引き当て、逃げ切り2連勝を狙う。
▲（10）ハシュマル（高松亮）はB2特別・ノベンバーカップを快勝。先手を主張アルティマボス、外ハリケーンメファの間に入り苦しい展開だったが、勝負根性を発揮した。好調キープ。
△（4）ピヤージュ（阿部英俊）はノベンバーC6着だったが、先行有利の流れにも泣いた。騎手戦はペースが速くなる傾向があり、決め手を生かす。
△（9）アルティマボス（佐々木志音）は前走5着だったが、最内に入り逃げたのが裏目。揉まれない外枠で巻き返し必至。
△（11）シャンブレー（塚本涼人）は2戦連続で連対確保。

松尾 康司 氏：プロフィール

テシオブログ編集記者。岩手競馬はもちろん、全国の競馬場、世界各国の競馬取材を続ける競馬ライター・予想家。

岩手競馬は基本的に厩舎所属騎手が乗ることが大半で、同じ馬にずっと同じ騎手が乗ることが多い傾向。馬主さんが騎手に関して任せると、果てしなく所属騎手が乗ることになります。乗り替わりがあるのは、馬主さんのリクエストか、お手馬がカチ合ったときがほとんど。これはある種の地域性なのかもしれません。盛岡or水沢所属騎手がいきなり違う競馬場所属の馬に乗るというケースはリーディング上位を除くときわめて少ないのが現状。岩手の騎手は他の厩舎の調教方法とかカラーとか、ほかの競馬場よりも情報が少ないのではないかという気がします。そんなわけで、これだけ大々的に乗り替わりがあるのは年に１度のこのレースだけ。つまり（５）オスマンの騎手が前走と同じというのは相当に有利な材料ではないかと思います。

しかしオスマンは前走のノベンバーカップが１１着で最下位。どうも左に張りながら走るクセがあるようで、過去の連対がすべて盛岡コースというのは、その辺が影響している様子。いくら騎手が同じでも、その状況では狙いにくい感があります。

ノベンバーカップで１～２番人気に推された２頭も参戦。１番人気で４着だった（７）ケイティキセキは、道中で前が渋滞して脚を余したという印象。２番人気で５着だった（９）アルティマボスは、プレッシャーを受けながらの逃げが厳しかった模様。両方とも初コンビですが、馬は騎手と同じで水沢所属。タイプ的にも乗り替わりを過度に気にする必要はないかなと思います。

問題は上位３頭。４番人気で１着だった（１０）ハシュマルは先行できないと厳しいタイプ。ジョッキー戦では「とりあえず前へ」と考える騎手が多いかもしれないのが心配。１０番人気で２着だった（１１）シャンブレーは、先頭グループの直後で脚を溜めて最後に外に出した陶文峰騎手の神騎乗が好走の要因。それでもジョッキー戦なら展開に恵まれる可能性はありそうです。１１番人気３着だった（１２）ハリケーンメファは馬群の外を回って流れ込んだ形。今回も同じようにいくかどうかは微妙な感じがします。

もう１頭、別路線で好走して臨むのが（３）ソルエストレーラで、全４勝のうち３勝が逃げ切りという点が微妙。ただ、今回の鞍上は盛岡の鈴木祐騎手なので、差しに回る作戦を取るかも。（２）キタノコンドルは乗り替わりでも主戦の村上忍騎手を引いた点がラッキー。以上から、１列目には（２）と（７）を配置。２列目と３列目に（２）と（３）と（７）と（９）と（１１）を置く形にします。一応、その５頭のボックスも。

3連単 フォーメーション
2・7 ⇒ 2・3・7・9・11⇒ 2・3・7・9・11（24）
馬連 ボックス
2・3・7・9・11（10）

浅野 靖典 氏：プロフィール

競馬キャスターとして活躍。全国の競馬関連施設や競馬場巡り、競馬史研究などをライフワークとしている。

まずは第１戦。本命は（3）ソルエストレーラにしました。
前走は今回と同じ３枠３番から逃げて、勝負所から並ばれる展開で一度は相手に出られたようにも見えましたが、ゴール前で盛り返してハナ差で勝利。並んだら抜かせない勝負根性の強さを見せてくれました。
勝ち時計1:28:5は同日のB1よりも速いタイムですし、水沢1400mは３戦２勝と結果を出しているコース。
鞍上は鈴木祐騎手で、この馬とは初コンビですが思い切った逃げをしてくれるイメージのあるジョッキー。相性も良さそうです。

対抗は前走でノベンバーカップを勝ち切った（10）ハシュマル。２番手から抜け出す競馬で大接戦を制しました。立ち回りの上手さは、特に水沢では大きな武器ですね。
ただ５着までがコンマ５秒差の接戦でしたし、展開一つで他のメンバーの逆転もありそう。
２着～４着だった、（11）シャンブレー、（12）ハリケーンメファ、（7）ケイティキセキにも注目しています。

3連単
3 ⇒ 10・11・12・7 ⇒ 10・11・12・7（12点）

赤見 千尋 氏：プロフィール

平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。現在は競馬リポーター、ライター、そしてオッズパークの予想ブログ"赤見千尋のRed View"も好評執筆中。

（3）ソルエストレーラは、船橋から転入した今年春はB2クラスで惨敗が続いたが、7月にC1に降級すると4戦3勝。再びB級に昇級して3戦目の前走で勝利を挙げた。岩手ではここまで4勝のうち2勝が水沢1400メートルということでは、能力を発揮できる舞台だ。

3歳の（2）キタノコンドルは、古馬格付け初戦がB2二組で2着。そのあと3戦は結果が出なかったが、それでも勝ち馬とは1秒以内の差。着順ほどは負けていない。今回は相手関係も楽になったように思える。

（10）ハシュマルは今シーズン当初からしばらく結果が出なかったが、7・8月にC1戦を連勝して波に乗った。前走2着3着に人気薄が入って波乱となったB2特別のノベンバーカップを勝利。連勝も期待できそう。

そのノベンバーカップで1番人気に支持され4着だったのが（7）ケイティキセキ。4コーナーで内を突いたら前が詰まってしまい、外に切り替えて立て直したものの時すでに遅し。巻き返しなるかどうか。

C級ではあったものの水沢で好成績を残していた（6）ヒロシゲパール、（1）ソルデベラーノらは人気がなければ連下の狙いとしておもしろそう。

斎藤 修 氏：プロフィール

NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。