施設整備等協賛競輪 神秘の海 富山湾カップ　著名人予想

『自転車競技をしていた人の常識って言うんですかね‥。何か、ここで踏んで、ここで流して、みたいな先行のやり方みたいなのに慣れなくて‥。そんなことで悩んでると、ある日、武田豊樹さんに、君は君のままでいいって言われまして。自転車競技の経験がないからこそ、それが武器になることもあるぞ、って。やっぱり、その武田さんに言われた一言って大きかったですね。他の誰でもなく、武田さんですからね。それでいいんだ。俺は俺のままでいいんだ。無理に器用に対応しようとしなくっていいんだって。それで、変な迷いみたいなのはなくなりましたね』

今年の佐世保記念の前検日、野口裕史選手とお話させてもらった時の非常に印象的なエピソードです。

ハンマー投げのスペシャリストからの転身組で、その当時の絶対的なエースは室伏広治さん。そして、スピードスケート一筋で生きてきた武田豊樹さんの前にそびえていた大きな壁は清水宏保さん。きっとこの二人だからこそ、分かり合える何かがあるのでしょう。

そして、今日、そんな野口選手の前をつとめるのは北井佑季選手。この北井選手も他競技からの転身組。サッカーのエリート街道を歩みながらも、新たな自分の可能性に賭けてみようと、競輪界の扉を開いた選手で、デビューしたのが昨年、31歳でした。

ちなみに野口選手の競輪選手としてのデビューは34歳。31歳でデビューの北井と34歳でデビューの野口。アスリートとしての新しい可能性に賭けるには、正直無謀と言っても過言ではない年齢です。

それが今‥
30を過ぎてデビューした両選手のバックの本数は21本。二人の年齢を考えると、いや、考えなくてもS級でこれだけの結果を残せるのは驚異的と言うしかありません。

これは、武田豊樹さんが言うように、競輪、いや自転車競技に触れてこなかったことが、逆に彼らの大きな強みとなり、強烈にファンの心を捉える要因になっていることは間違いありません。そして、きっと野口選手も北井選手だから、番手を回り、北井選手もそれに対して何とか応えよう！という思いなのではないかと‥そう感じます。

正直、野口選手の番手戦。
車券的には難しいところです。2020年12月、高松の決勝で大石剣士選手の番手を野口選手が走った時は、大石選手の踏み出しに遅れ、懸命に食らいつくも結果は出ませんでした。

しかし、富山というのは、逃げの神様がいる競輪場で、いつもガムシャラに走る選手の頑張りをずっと見てくれていて、そして！ここで初めて報われる場所でもあります。

2016年9月に竹内雄作選手が共同通信杯で逃げ切り、初のビッグ制覇。
そして遡れば、当時ガンガン先行で勝負していた平原康多選手も‥2006年8月のふるさとダービーで逃げ切って初のビッグ優勝。そして、ここから、あの！平原選手の快進撃が始まったのです。

そして、この2つに関しては
本当に先行の神様がいるとしか思えないような、そんなレースでした。

先行の神様が住む富山競輪場で
バック21本同士の男の連携。

飯野選手から買いたい気持ちをぐっと堪えて‥

富山記念、今日は果たして
先行の神様が降臨するのでしょうか？
勝負の決勝戦です！