超難解の一戦
ここは準決勝一番の激戦区。
11,12レースが堅く収まる可能性も高いだけにこのレースで穴を狙ってみたいところだ。
ただ、とにかく難しい。4車ラインとなった近畿ラインは番手に地元の9中井、3番手には1東口がいるだけに6小森はもう行くだけ行って、というレースになるだろう。
しかしここはそう簡単に事が運ぶことはなさそうだ。仮に前を取って突っ張ったとしても、今回の動きが非常に目立つ7藤井のカマシを合わせられるか疑問だし、更にはS班2新山もいる構成となり、いくら4車とはいえ…と感じる部分はある。2新山としてもここは負けられないところで、後ろの復調気配漂う5守澤とのワンツーは十分に考えられるのだが、ここはやはり奈良。地元の9中井が意地の決勝進出を決めることを願って2-3着付けで狙ってみたい。ただ、展開的に近畿勢の頭は見ない。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 東口 善朋 | 85 | 和歌 | 東口 善朋 85/和歌 |
2 | 2 | 新山 響平 | 107 | 青森 | 新山 響平 107/青森 |
3 | 3 | 笠松 信幸 | 84 | 愛知 | 笠松 信幸 84/愛知 |
4 | 4 | 松岡 健介 | 87 | 兵庫 | 松岡 健介 87/兵庫 |
5 | 守澤 太志 | 96 | 秋田 | 守澤 太志 96/秋田 |
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5 | 6 | 小森 貴大 | 111 | 福井 | 小森 貴大 111/福井 |
7 | 藤井 侑吾 | 115 | 愛知 | 藤井 侑吾 115/愛知 |
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6 | 8 | 西村 光太 | 96 | 三重 | 西村 光太 96/三重 |
9 | 中井 太祐 | 97 | 奈良 | 中井 太祐 97/奈良 |
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誘導 | 三谷 政史 | 三谷 政史 |
ここはさすがに近畿では
10レースと一転してここは本命ムードが漂う。
5古性を先頭にまとまる近畿ラインの3番手には地元の9三谷将太。
相手自力は自在性ある2末木に6近藤で、6近藤の後ろの7松谷のタテ脚は多少怖いのだが、こういう構成の時の5古性はロングスパートも辞さないように思える。
ペースがグンと上がるところもなさそうだし、前から引いて7番手の位置からでもジャン過ぎからホームにかけて、自分のタイミングで仕掛ければ何ら問題ないレースではないか。
近畿ラインでの上位決着を見るが、3番手の9三谷の強襲はやはり狙っておきたい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 南 修二 | 88 | 大阪 | 南 修二 88/大阪 |
2 | 2 | 末木 浩二 | 109 | 山梨 | 末木 浩二 109/山梨 |
3 | 3 | 嶋津 拓弥 | 103 | 神奈 | 嶋津 拓弥 103/神奈 |
4 | 4 | 佐藤愼太郎 | 83 | 福島 | 佐藤愼太郎 83/福島 |
5 | 古性 優作 | 100 | 大阪 | 古性 優作 100/大阪 |
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5 | 6 | 近藤 隆司 | 90 | 千葉 | 近藤 隆司 90/千葉 |
7 | 松谷 秀幸 | 96 | 神奈 | 松谷 秀幸 96/神奈 |
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6 | 8 | 小沼 良 | 68 | 埼玉 | 小沼 良 68/埼玉 |
9 | 三谷 将太 | 92 | 奈良 | 三谷 将太 92/奈良 |
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誘導 | 辰己 豊 | 辰己 豊 |
戻ってきた脇本
近況、少し状態面が心配されていた7脇本だが、今回は「強い脇本雄太が戻ってきた」と誰もが口を揃える程の強さを感じる。
特に初日は外々を回って着外になってもおかしくない展開から捲り切った姿は目を見張るものがあるし、2日目も後方から捲って最後は番手の南が離れる強さも見せた。
ここは細切れ4分戦だが強力な自力が他には見当たらないし、ロングスパートも視野に強さを見せつける。番手は地元の5三谷竜生だし3番手も地元2山本と、それぞれ自力でも戦える選手であるだけに追走は問題ないのでは。少しだけ怖いのは2山本が少し踏み出しに離れながらの追走となった場合に、その位置を狙って前々攻める1松坂あたりが捌くシーンがあれば3着の穴もあると感じるが、7脇本-5三谷のワンツーは堅いのでは。3着の穴目に6小林と8海老根を狙いたい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 松坂 洋平 | 89 | 神奈 | 松坂 洋平 89/神奈 |
2 | 2 | 山本 伸一 | 101 | 奈良 | 山本 伸一 101/奈良 |
3 | 3 | 鈴木 庸之 | 92 | 新潟 | 鈴木 庸之 92/新潟 |
4 | 4 | 荻原 尚人 | 89 | 宮城 | 荻原 尚人 89/宮城 |
5 | 三谷 竜生 | 101 | 奈良 | 三谷 竜生 101/奈良 |
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5 | 6 | 小林 大介 | 79 | 群馬 | 小林 大介 79/群馬 |
7 | 脇本 雄太 | 94 | 福井 | 脇本 雄太 94/福井 |
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6 | 8 | 海老根恵太 | 86 | 千葉 | 海老根恵太 86/千葉 |
9 | 菅田 壱道 | 91 | 宮城 | 菅田 壱道 91/宮城 |
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誘導 | 佐藤 成人 | 佐藤 成人 |
準決勝戦。
やはり10レースが大混戦となりました。
11レースと12レースは予想通り堅い決着になっただけに、私のコラムとしてもこの10レースを的中させたかったところなのですが…まさかの近畿3段駆け。
さすがにそこまでの展開は考えていませんでした。地元の中井選手の後ろを固めていた東口選手のあの辺りの判断というのは本当に難しい部分だったと思います。
その後の1着インタビューを見ても東口選手に笑顔はありませんでした。
それでも東口選手は道中、藤井選手をしっかりと牽制するシーンもありましたし、後ろの松岡選手と決勝進出を決める為には…と苦渋の決断だったと思います。
その決勝戦。近畿は7車。
近畿勢の並びが注目されましたが、まさかの3つに分かれるという決断に。
脇本選手の一声で自力型が分散ということになったようです。
昨日のコラムで挙げた三谷兄弟もしっかりと勝ち上がってきて決勝では兄弟連係。
将太選手に関しては「決勝に乗ることがスタートライン」という言葉もあったように、本番はこの決勝戦でしょう。
自力の力という意味ではやはり脇本選手、古性選手の方が上回る印象があるだけに、この地元兄弟コンビがどのような作戦で挑んでくるのか。
この並びが出てから自分の頭の中でもグルグルと色々な展開を想定しながら狙い目を考えているのですが、いくら考えても結論が出ません。笑
決勝の日は寒さも戻って雨も降りそうな奈良競輪場ですが、その悪天候を吹き飛ばすような熱い戦いに期待したいと思います。
松谷が決める
これまでの走りを見ると捲りの印象が強かった5道場だが、今回は意欲的な攻めが多くみられる。
初日は突っ張り先行、そして2日目は抑え先行。捲りやカマシだけではない姿も見せた今回のシリーズ。
最終日は東で纏まっての4車ラインで、相手は3西村に4佐々木。
3西村は位置取りに動いてくるだろうし4佐々木の仕掛けのみ併せられれば後は自分のペースで踏み上げる。
そうなると番手の1松谷にとっては絶好の流れだ。別線が1松谷の位置を狙ってくるような動きをすれば別だが、車番的にもここは前を取って5道場が突っ張って駆けての抜け出しが有望ではないか。
穴とすれば5道場が末を欠いての1松谷からの突き抜けや別線か。特に内を突っ込んで来ることができる9笠松の絡みは注意したい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 松谷 秀幸 | 96 | 神奈 | 松谷 秀幸 96/神奈 |
2 | 2 | 大坪 功一 | 81 | 福岡 | 大坪 功一 81/福岡 |
3 | 3 | 西村 光太 | 96 | 三重 | 西村 光太 96/三重 |
4 | 4 | 佐々木堅次 | 113 | 福島 | 佐々木堅次 113/福島 |
5 | 道場 晃規 | 117 | 静岡 | 道場 晃規 117/静岡 |
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5 | 6 | 志村 龍己 | 98 | 山梨 | 志村 龍己 98/山梨 |
7 | 佐藤愼太郎 | 83 | 福島 | 佐藤愼太郎 83/福島 |
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6 | 8 | 中村 浩士 | 79 | 千葉 | 中村 浩士 79/千葉 |
9 | 笠松 信幸 | 84 | 愛知 | 笠松 信幸 84/愛知 |
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誘導 | 三谷 政史 | 三谷 政史 |
悔しさをぶつける地元コンビ
冒頭にも書いたように準決勝戦では近畿の3段駆けとなったことで準決勝敗退となってしまった7中井。
もちろん悔しい思いがあるだろうし最終日のここは自力でその鬱憤晴らしといきたいところ。
後ろは地元の先輩1山本。1山本も準決勝は微差の3着に泣いたが動きは悪くない。3番手は9小倉が固め、盤石の布陣に思える。
相手自力は3雨谷くらいだし、ここは7中井が主導権を奪ってのライン決着と見る。抑えとして1山本がタテに踏まざるを得なくなった形も狙う。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
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1 | 1 | 山本 伸一 | 101 | 奈良 | 山本 伸一 101/奈良 |
2 | 2 | 荻原 尚人 | 89 | 宮城 | 荻原 尚人 89/宮城 |
3 | 3 | 雨谷 一樹 | 96 | 栃木 | 雨谷 一樹 96/栃木 |
4 | 4 | 稲吉 悠大 | 92 | 福岡 | 稲吉 悠大 92/福岡 |
5 | 海老根恵太 | 86 | 千葉 | 海老根恵太 86/千葉 |
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5 | 6 | 山本 紳貴 | 107 | 千葉 | 山本 紳貴 107/千葉 |
7 | 中井 太祐 | 97 | 奈良 | 中井 太祐 97/奈良 |
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6 | 8 | 小沼 良 | 68 | 埼玉 | 小沼 良 68/埼玉 |
9 | 小倉 竜二 | 77 | 徳島 | 小倉 竜二 77/徳島 |
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誘導 | 辰己 豊 | 辰己 豊 |
三谷兄弟の絆
ここは近畿の先頭を走る選手は全員GPレーサー。
そこに唯一別地区で挑む北日本。4分戦となったことで目まぐるしく展開も変わっていきそうではあるが、「逃げ」の決まり手が付いているのは5脇本のみ。
4菅田は自力自在コメントだし、1三谷竜にしろ3古性にしろ時折早めの仕掛けはあるにしても純粋な徹底先行型ではない。
ただ、ここは5脇本を逃がして3番手を獲得したとしてもそこから捲れるかというと、今回の5脇本の走りを考えると厳しく思える。
そうなるとやはり別線としては5脇本を後方8番手に追いやって不発にさせる方が得策のはず。この展開の時に腹を括って逃げるのは1三谷竜ではないか。後ろは兄の8三谷将。
純粋な力比べでは5脇本や3古性に勝ち目はないだけに、1三谷竜が飛ばし、8三谷将が気合の抜け出し。かなりの穴になると思うが、やはり地元記念。最後は地元の選手から狙ってみたい。
枠 | 車番 | 選手名 | 期別 | 府県 | 選手名 期別/府県 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 三谷 竜生 | 101 | 奈良 | 三谷 竜生 101/奈良 |
2 | 2 | 守澤 太志 | 96 | 秋田 | 守澤 太志 96/秋田 |
3 | 3 | 古性 優作 | 100 | 大阪 | 古性 優作 100/大阪 |
4 | 4 | 菅田 壱道 | 91 | 宮城 | 菅田 壱道 91/宮城 |
5 | 脇本 雄太 | 94 | 福井 | 脇本 雄太 94/福井 |
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5 | 6 | 松岡 健介 | 87 | 兵庫 | 松岡 健介 87/兵庫 |
7 | 南 修二 | 88 | 大阪 | 南 修二 88/大阪 |
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6 | 8 | 三谷 将太 | 92 | 奈良 | 三谷 将太 92/奈良 |
9 | 東口 善朋 | 85 | 和歌 | 東口 善朋 85/和歌 |
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誘導 | 佐藤 成人 | 佐藤 成人 |
2022年に一般企業から脱サラし、公営競技実況アナウンサーの世界へ飛び込む。
出身である別府競輪を主戦場に飯塚オートなど幅広く活躍中。予想は本命を避け敢えて穴を狙いにいくスタイルで、高配当を仕留める!
各競輪場で毎年1度開催される地元記念。
その地元支部の選手が地元記念に対して人一倍強い思いを持ってレースに臨んでいることは疑う余地もありません。
ただ私はその中でも「近畿地区の記念」と聞くと、より一層強い思い、いや強いでは足りないかもしれません。
鬼気迫る、その言葉の方がピッタリくるくらい近畿の選手が燃えるイメージがあります。
これはあくまで私がそう感じてしまうだけなのかもしれません。
インタビューでの関西弁でのやり取り。九州人の私は言葉が強く感じて、
そこでも感じる部分はあるのかもしれません。
でもそれだけではないのです。
実際のレースを見ていても、
「絶対に勝ち上がってやる」
「必ず決勝に」
「優勝を別地区に渡すわけにはいかない」
そんな思いがひしひしと伝わってくるのです。
そしてその近畿の中でも今回は奈良記念。
奈良記念と言えば三谷兄弟が真っ先に思い浮かんでしまいます。
特に今回も出場している三谷竜生選手と三谷将太選手。
例に漏れずこの三谷兄弟の気迫も、言葉から、そしてレースからもしっかりと伝わってきます。
お兄さんの将太選手はインタビューから気合に満ちた表情を見せてくれます。そして実際のレースでもファイターの走り。
一方の竜生選手はインタビューでは落ち着いて言葉を選んでいる印象ながら、レースでは強烈な捲りも放つ。
その2人が今回も準決勝戦まで勝ち上がってきました。
67周年の奈良記念では決勝戦で兄弟ワンツーも決まっています。
またその時の再現をする為には、それぞれが準決勝を勝ちあがる必要があります。
白熱の準決勝戦3つ。果たしてどうなるのか、注目していきたいと思います。