基本的には堅いレース

定量戦ということもあり、天馬賞は上位人気馬が強い。過去10年でいうと[7-2-0-1]。まずは4歳二冠馬◎8タカラキングダムを素直に評価したいところ。一方で、近走障害でのトラブルが続いている馬、例えば4歳二冠で2着だった4クリスタルゴーストなどは、重量が上がる場面ではさらにリスクがあると考えて消した。

基本的には◎の1着付けでよいと思うが、誰かが逆転するとしたら上がり馬と考え、○6ジェイホースに期待する。重賞は3歳時に1回出走しただけで、逆に勝負付けが済んでいないという解釈もできる。このところの安定ぶりはかなりのものがある。

馬券は◎からのフォーメーションと、○が勝って◎が2着か3着という組み合わせ。ただ○1着の組み合わせは薄く押さえるだけでよいだろう。

3連単 フォーメーション
8 ⇒ 1・3・6 ⇒ 1・3・6・7・10（12点）
6 ⇒ 8 ⇒ 1・3・7・10（4点）
6 ⇒ 1・3・7・10 ⇒ 8（4点）

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須田 鷹雄 氏：プロフィール

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」（宝島社）でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。

最内枠に入ったレモンポップのスタートに注目

今年の南部杯検討に際し、昨年のレースをご覧になってほしい。3番枠に入った（1）レモンポップが馬なりで先頭に立ち、道中の手応えも抜群。2番手イグナイターは4コーナー手前まで追走できたが、あとは突き放される一方。レモンポップは上がり3ハロンを34秒7でフィニッシュし、2着イグナイターにつけた2秒差は北日本時代も含めて最大着差。まさにレモンポップの独演会となった。

今春、2度目の中東遠征でも苦戦を強いられたが、今年JpnIへ昇格したさきたま杯を完勝。国内では11勝2着3回と連対パーフェクトを継続した。
今年も断然の人気を集めるのは確実だが、一つ気になることがある。最内1番枠を引き当てたからだ。1996年、南部杯が水沢から盛岡ダート1,600mへ移行して以降、1番枠の優勝は一度もなし。連対は何度かあるが、1番枠は鬼門になっている。

理由は以前にもお伝えしたが、盛岡マイルのコース形態。スタートしてほぼ直線800mは内に包まれると、外から被せられて自己ポジションを取りづらくなる。競馬の原則は基本内枠が有利だが、時に不利になる。

今年のマーキュリーカップを思い出してほしい。メイショウフンジンが1番枠に入り、逃げを疑わなかったが、外から（5）ヒロシクンが激しくハナを主張。それを見ていったん下げて外に出そうとしたが、クラウンプライドが外から被せて閉じ込めた。距離は2,000mだったが、仮にレモンポップが出負けしたらどうなるか。

もちろんレモンポップのスピードを信じているが、まずはスタートを注視してほしい。注目は△になってしまったが、（7）サヨノネイチヤ、（2）ミックファイアの南関東2頭。仮に南関東勢が優勝すれば南部杯史上初の快挙となる。

3連単 フォーメーション
1 ⇒ 4・7・14 ⇒ 2・4・7・14（9点）

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松尾 康司 氏：プロフィール

テシオブログ編集記者。岩手競馬はもちろん、全国の競馬場、世界各国の競馬取材を続ける競馬ライター・予想家。

晴天続きなので実力順でよさそう

過去17回で、単勝1番人気馬が3着を外したのは、2019年の1回だけ。ミノルシャープが6着で、その年はメジロゴーリキ（4人気）→ゴールデンフウジン（3人気）→マツカゼウンカイ（2人気）でした。その年のミノルシャープは銀河賞を勝っていたものの、はまなす賞が4着で柏林賞が7着。今年の1番人気馬はおそらく（8）タカラキングダムになると思うのですが、さて、その1番人気は信用できるものなのか？

というところから切り込んでいくと、おそらく大丈夫なのでは。ドリームエイジカップと前走のオープンでは大きく負けましたが、これは単純に相手が悪かったと考えてよさそう。同世代が相手となれば、柏林賞→はまなす賞→銀河賞と3連勝した実績がモノを言う形になると判断します。ここで再び過去データ。1番人気馬が3着になったのは、10年と12年の2回だけ。その年は5～6番人気馬が勝利していました。今年も人気薄の激走があったら分からないですが、確率としては低そう。という点を根拠として、タカラキングダムは2着までというフォーメーションを組もうと思います。

となると、前記の重賞で3回とも2着だった（4）クリスタルゴーストにも注目が必要。しかし最近3戦の成績が悪すぎるのが……。間隔を取って立て直した効果はあるかもしれませんが、今回は3番手が妥当と考えます。

その間に置くのは（1）マルホンリョウユウ。最近2戦の結果はさえないですが、ドリームエイジカップは7着でもタカラキングダムとは2.4秒差。昨年の3歳2冠を制した実績は同世代が相手なら軽視できない感があります。

（6）ジェイエースは7戦連続連対中と上昇の勢いが魅力。重賞経験は5着だった大賞典が唯一という点は心配でも、勢いだけで突破する可能性がありそう。連下の押さえには寒い時期に稼ぐタイプと思われる（10）ジェイヒーローを挙げておきます。

3連単 フォーメーション
8 ⇒ 1・4・6・10 ⇒ 1・4・6・10（12点）
1・4 ⇒ 8 ⇒ 1・4・6・10（6点）
3連複 流し
8 ⇒ 1・4・6・10（6点）

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浅野 靖典 氏：プロフィール

競馬キャスターとして活躍。全国の競馬関連施設や競馬場巡り、競馬史研究などをライフワークとしている。

レモンポップが連覇へ一直線

今年もまたフェブラリーＳ覇者対前年の覇者の構図になった南部杯。本命は（1）レモンポップを採る。
昨年の逃げ切り勝ち、それも後続に大差を付ける圧倒的な勝利の印象は1年経った今でも強烈。それはファンのみならず関係者にとっても同様で、他馬の陣営からも「あの馬が今年も強いだろう」という声が必ず聞こえてくるほど。これがさきたま杯のような小回りコースなら、あるいはもっと長い距離なら、紛れが生じる余地もあるだろうが、ワンターン・マイルという力を出しやすいコース形態、特にレモンポップのような快速先行馬にとってはベストとも言える舞台でとなると、いきおいレモンポップの出方にどう対応するか？が話の前提になるのは仕方がないとも言えるだろう。

さて、レモンポップの前走・さきたま杯は終始行き脚を促す厳しい形にはなったが、それは小回り・1,400ｍの条件で勝つために採った策であって、それで勝ち切ったことを高く評価していいもの。直前の追い切りでの併走遅れも実質的な本追い切りは事前に済ませており大きな影響は無いと見ていいもの。
カギは馬場状態で、今年は好天が続いた状態で本番を迎えることになりそうなだけに昨年のような超高速馬場ではない公算が高く、昨年のような大差勝ちまでは無いと考えるのが妥当なのだろうが、それでもこの馬の先行力は計算できるはず。

対抗は（4）タガノビューティー。追い込んで届かずが多いのは陣営も認めるところ。しかし末脚は常に強烈でG1級でも勝利目前まできているのも確かだ。昨年のこのレースや今年のかしわ記念、さきたま杯は前が止まらない状況に追い上げきれなかったが存在感はしっかり見せている。昨年のかしわ記念のように競り合う形に持ち込めたなら惜敗続きにピリオドも。
（14）ペプチドナイルが三番手。フェブラリーＳは11番人気からの勝利だったが、本格化してきた今、その人気が彼の実力を反映したものとするわけにはいかない。この馬にとってのカギであり懸念は大本命の影響を受けやすい脚質になるという点。フェブラリーＳのように勝負所までスムーズに、脚を使わずに流れに乗っていけるかが焦点で、それには◎の出方が大きく影響する。うまく流れを掴めたなら･･･だが果たして。

△筆頭は大井（7）サヨノネイチヤを。いろいろ初物尽くしなだけに過大な期待は禁物だろうが、帝王賞でもJRA勢の間に割って入っているように今の勢いは魅力十分。先行勢の動き次第では一角崩すシーンも想像してみたい。
そして（2）ミックファイア。マイルに矛先を変えてここ参戦も早い時期から決めていた。間隔は開いたが仕上がりは順調、あとは長距離輸送の影響がどうか？だけ。

（10）ダイシンピスケスは中距離で伸びてきた近走だが左回り・マイルを苦手にはしていない。間隔短めとは言えひと叩きされて挑んでくる点も有利と考えたい。

3連単 フォーメーション
1・4 ⇒ 1・4・14 ⇒ 2・4・7・10・14（15点）

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横川 典視 氏：プロフィール

テシオブログ編集記者。競馬ライターとしての活動をはじめ、岩手競馬を中心に様々な方面で活躍中。

タカラキングダムを本命に

今年大きく飛躍した、8タカラキングダムを本命にします。
今シーズンは、柏林賞、はまなす賞、銀河賞と重賞３勝を挙げる活躍ぶり。
特に圧巻だったのが銀河賞。１頭だけ圧倒的に重い750kgの重量でしたが、第二障害を越えてからものすごい勢いで追い込み、セーフティリードかと思われたクリスタルゴーストを差し切りました。
今回は定量戦で他の馬たちと同じ760kg。力の違いを見せつけて欲しいです。

対抗は6ジェイホース。
この秋からぐいぐい成長し、７戦続けて連対しています。
特にここ２戦はA2で２連勝と、相当な力を付けましたね。
重賞はばんえい大賞典の５着のみですが、今ならば同世代トップホースに混じっても戦える力があると思います。

1マルホンリョウユウは今シーズンの勝ち星が１勝とちょっと寂しい成績ですが、普段戦っているのがオープンですから、同世代同士の定量戦となれば上位争いに絡んできそうです。

10ジェイヒーローは３走前にジェイホースを抑えて勝利。大外10番に入りましたが、馬券圏内のチャンスはあると思います。
ここ３戦好調な3アシュラダイマオーまで。

3連単 フォーメーション
8 ⇒ 6・1 ⇒ 6・1・10・3（6点）

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赤見 千尋 氏：プロフィール

平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。現在は競馬リポーター、ライター、そしてオッズパークの予想ブログ"赤見千尋のRed View"も好評執筆中。

楽しみと相手探しで10時間しか眠れず

競馬をこよなく愛す人力舎の芸人、盛岡出身のアンダーパーの藤原です。

盛岡競馬、秋の風物詩「南部杯」の季節が今年もやって参りました。
南部杯が終わると秋の皮を被った冬が到来し、ストーブの準備が始まる我が故郷。
馬券で懐を温かくして冬に備えたい所です。

◎は二連覇を狙う（1）レモンポップ。
距離、枠、初場所など不安視されても一蹴して勝つ昨年JRA最優秀ダート馬。
強いです。強いとは何か？そう、頭固定です。

対抗は（4）タガノビューティー。
スタートで後手を踏むタイプながら、最後は良い脚を使って上位に入ってくる安定感が売り。
昨年よりも過程は順調ですし、今回は先手を取りたいメンバーの多い中で、前が崩れた時は…ウヒヒ！と想像をしてしまいたくなりますね。じゅるり（ヨダレが垂れる音）

▲はマイル適正に疑いの余地なし（14）ペプチドナイル、△の一頭に距離短縮は良い方向に働く気がする（10）ダイシンピスケス。
ただ、共に脚抜きが良い馬場の方が展開は向きますから当日の馬場次第ですね。

そして個人的注目は（8）アラジンバローズ。
兵庫所属ですが元々中央OPクラスで好走していた馬。
日程が変更になった佐賀サマーチャンピオンで勝ったタフさも含め、地方所属では注目したい一頭です。

3連単 フォーメーション
1 ⇒ 4 ⇒ 2・7・8・10・14（5点）
1 ⇒ 2・7・8・10・14 ⇒ 4（5点）

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アンダーパー藤原 氏：プロフィール

人力舎芸人・競馬大好き芸人・オッズパークライブMC担当。岩手県盛岡市出身・初の南部杯予想に参戦！

4歳シーズン三冠へタカラキングダム

オープン格付けは8タカラキングダム、1マルホンリョウユウの2頭。ともに古馬オープンでの好走があるものの、タカラキングダムがインビクタやツガルノヒロイモノなど一線級を負かしているうえに、前走では1歳上の4歳シーズン三冠馬キングフェスタより5キロ余計に背負っての3着は、むしろ評価できる内容。同世代同士では山鳩賞で4クリスタルゴーストに先着されたが30キロ差があってのもの。2歳、3歳シーズンはそれぞれ一冠ずつしか獲れなかったが、4歳シーズンは三冠の可能性はかなり高い。

しかしながら3歳二冠馬1マルホンリョウユウは、柏林賞ではタカラキングダムより10キロ重い720キロで3着という経験もあり、逆転という可能性も期待したい。

重賞実績がばんえい大賞典5着のみという6ジェイホースだが、秋以降、B1からA2特別まで7戦連続連対。急激に力をつけている可能性はあり、侮れない存在。

4クリスタルゴーストは、柏林賞、はまなす賞、銀河賞いずれもタカラキングダムの2着だが、20〜30キロのハンデがあってのもの。定量となるここは3着候補まで。

イレネー記念を制した3アシュラダイマオーは、その後あまり目立った成績がないが、ここ3戦で復調気配。ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞ともに3着で、前走A1特別で好走の10ジェイヒーロー、3歳三冠すべて2着の2ホクセイタイヨウらも3着には押さえておきたい。

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斎藤 修 氏：プロフィール

NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。