以前は中央馬だと2勝していないと出走できなかったが、今年は1勝馬で出走可能。

そのぶん中央馬の壁が下がっている可能性はあるが、よりによって今年の地方馬に各地区最強クラスがいないのが残念なところ。それでも近年地方馬が馬券に絡むシーンが増えているし、ここは3着に道営2頭のどちらかが来るパターンを意識する。

オッズを考えると3連単の点数はある程度絞らねばならない一方、アタマは1頭に絞り切れない。アタマ候補を2頭にする代わりに、中央馬で2着まで見込む馬はあと1頭だけにして3着候補を広く取る。

3連単 フォーメーション
6・12 ⇒ 6・7・12 ⇒ 2・6・7・8・9・11・12（20点）

須田 鷹雄 氏：プロフィール

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」（宝島社）でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。

今年の南部杯検討に際し、昨年のレースをご覧になってほしい。3番枠に入った（1）レモンポップが馬なりで先頭に立ち、道中の手応えも抜群。2番手イグナイターは4コーナー手前まで追走できたが、あとは突き放される一方。レモンポップは上がり3ハロンを34秒7でフィニッシュし、2着イグナイターにつけた2秒差は北日本時代も含めて最大着差。まさにレモンポップの独演会となった。

今春、2度目の中東遠征でも苦戦を強いられたが、今年JpnIへ昇格したさきたま杯を完勝。国内では11勝2着3回と連対パーフェクトを継続した。
今年も断然の人気を集めるのは確実だが、一つ気になることがある。最内1番枠を引き当てたからだ。1996年、南部杯が水沢から盛岡ダート1,600mへ移行して以降、1番枠の優勝は一度もなし。連対は何度かあるが、1番枠は鬼門になっている。

理由は以前にもお伝えしたが、盛岡マイルのコース形態。スタートしてほぼ直線800mは内に包まれると、外から被せられて自己ポジションを取りづらくなる。競馬の原則は基本内枠が有利だが、時に不利になる。

今年のマーキュリーカップを思い出してほしい。メイショウフンジンが1番枠に入り、逃げを疑わなかったが、外から（5）ヒロシクンが激しくハナを主張。それを見ていったん下げて外に出そうとしたが、クラウンプライドが外から被せて閉じ込めた。距離は2,000mだったが、仮にレモンポップが出負けしたらどうなるか。

もちろんレモンポップのスピードを信じているが、まずはスタートを注視してほしい。注目は△になってしまったが、（7）サヨノネイチヤ、（2）ミックファイアの南関東2頭。仮に南関東勢が優勝すれば南部杯史上初の快挙となる。

3連単 フォーメーション
1 ⇒ 4・7・14 ⇒ 2・4・7・14（9点）

松尾 康司 氏：プロフィール

テシオブログ編集記者。岩手競馬はもちろん、全国の競馬場、世界各国の競馬取材を続ける競馬ライター・予想家。

兵庫ジュニアグランプリは、兵庫所属馬の勝利がゼロ。過去の優勝馬はJRAが大半で、あとは北海道が2回、浦和が1回となっています。そうなっている原因のひとつは、兵庫所属馬は他に出せるレースがたくさんあるからだと思います。大晦日の兵庫ジュニアカップはもちろん、先週も行われたJRA認定戦は、1着賞金が兵庫ジュニアグランプリの5着と同額。今は「ダートグレードで地方最先着」のボーナスがありますが、それもJpnⅡは4着以内に入らないと支給されない……となると、地元所属馬同士のレースのほうに目が向くことになるのだと思います。

今年はネクストスターの勝ち馬が出ないなら、JRA所属馬が中心と考えてよさそう。ただし、5頭のなかからどれかをカットしないと妙味が出ないと思います。その候補として選ぶのは申し訳ないのですが、（9）シャインミラカナ。兄姉がぜんぶ北出成人厩舎というプロフィルですが、前走の内容を考えると微妙な気が。その代わりと言ってはナンですが、北出厩舎のもう1頭、（12）コスモストームを中心に推します。過去の2勝は8頭立ての6番人気、11頭立ての7番人気でも、両方とも好位から差し切る好内容。鞍上の秋山稔樹騎手は関東所属でも最近は栗東が拠点で、先月末にヤングジョッキーの船橋で落馬して救急車に乗せられたものの、すぐに復帰。コーナー4つの競馬もタイプ的に対応できると判断しました。

相手筆頭に推すのは関東馬の（6）コパノヴィンセント。こちらも中間に好時計を出していて、長距離輸送を無事にクリアできればチャンスがありそう。昨年のイーグルノワールと同じように、デカい体で小回りコースを大きく使って押し切る形に期待します。前走のヤマボウシ賞でコスモストームに先着している（7）ハッピーマンも首位争いが狙えると思います。

馬券の主力はこの三つ巴。そこに割って入る候補として、北海道の（11）ベラジオドリームを指名します。母は南関東の2歳＆3歳重賞で好走。そして父は初年度から産駒が活躍しているゴールドドリーム。吉原寛人騎手を起用した点を含めて、4戦1勝、2着3回という成績は微妙ですが、穴として一考しておきます。もう1頭の北海道所属の（8）ヴィグラスデイズも先行力を評価して押さえておきます。もう1頭のJRA所属馬（2）ヤマニンシュラは、初コースで集中力が続くかどうか……と危惧して、無印にしてみました。

3連単 フォーメーション
6・7・12 ⇒ 6・7・12 ⇒ 6・7・8・11・12（18点）
馬連 ボックス
6・7・12（3点）
3連複 フォーメーション
6・7・12 ⇒ 6・7・12 ⇒ 6・7・8・11・12（7点）

浅野 靖典 氏：プロフィール

競馬キャスターとして活躍。全国の競馬関連施設や競馬場巡り、競馬史研究などをライフワークとしている。

今年もまたフェブラリーＳ覇者対前年の覇者の構図になった南部杯。本命は（1）レモンポップを採る。
昨年の逃げ切り勝ち、それも後続に大差を付ける圧倒的な勝利の印象は1年経った今でも強烈。それはファンのみならず関係者にとっても同様で、他馬の陣営からも「あの馬が今年も強いだろう」という声が必ず聞こえてくるほど。これがさきたま杯のような小回りコースなら、あるいはもっと長い距離なら、紛れが生じる余地もあるだろうが、ワンターン・マイルという力を出しやすいコース形態、特にレモンポップのような快速先行馬にとってはベストとも言える舞台でとなると、いきおいレモンポップの出方にどう対応するか？が話の前提になるのは仕方がないとも言えるだろう。

さて、レモンポップの前走・さきたま杯は終始行き脚を促す厳しい形にはなったが、それは小回り・1,400ｍの条件で勝つために採った策であって、それで勝ち切ったことを高く評価していいもの。直前の追い切りでの併走遅れも実質的な本追い切りは事前に済ませており大きな影響は無いと見ていいもの。
カギは馬場状態で、今年は好天が続いた状態で本番を迎えることになりそうなだけに昨年のような超高速馬場ではない公算が高く、昨年のような大差勝ちまでは無いと考えるのが妥当なのだろうが、それでもこの馬の先行力は計算できるはず。

対抗は（4）タガノビューティー。追い込んで届かずが多いのは陣営も認めるところ。しかし末脚は常に強烈でG1級でも勝利目前まできているのも確かだ。昨年のこのレースや今年のかしわ記念、さきたま杯は前が止まらない状況に追い上げきれなかったが存在感はしっかり見せている。昨年のかしわ記念のように競り合う形に持ち込めたなら惜敗続きにピリオドも。
（14）ペプチドナイルが三番手。フェブラリーＳは11番人気からの勝利だったが、本格化してきた今、その人気が彼の実力を反映したものとするわけにはいかない。この馬にとってのカギであり懸念は大本命の影響を受けやすい脚質になるという点。フェブラリーＳのように勝負所までスムーズに、脚を使わずに流れに乗っていけるかが焦点で、それには◎の出方が大きく影響する。うまく流れを掴めたなら･･･だが果たして。

△筆頭は大井（7）サヨノネイチヤを。いろいろ初物尽くしなだけに過大な期待は禁物だろうが、帝王賞でもJRA勢の間に割って入っているように今の勢いは魅力十分。先行勢の動き次第では一角崩すシーンも想像してみたい。
そして（2）ミックファイア。マイルに矛先を変えてここ参戦も早い時期から決めていた。間隔は開いたが仕上がりは順調、あとは長距離輸送の影響がどうか？だけ。

（10）ダイシンピスケスは中距離で伸びてきた近走だが左回り・マイルを苦手にはしていない。間隔短めとは言えひと叩きされて挑んでくる点も有利と考えたい。

3連単 フォーメーション
1・4 ⇒ 1・4・14 ⇒ 2・4・7・10・14（15点）

横川 典視 氏：プロフィール

テシオブログ編集記者。競馬ライターとしての活動をはじめ、岩手競馬を中心に様々な方面で活躍中。

JRA勢が強いレースですが、今年は2勝馬が（12）コスモストームのみということで、地方馬にもチャンスはあると思っています。
本命にしたのは北海道の（11）べラジオドリーム。

新馬戦を勝ってその後は２着つづきですが、サッポロクラシックカップは逃げて見せ場十分、ネクストスター門別は2番手から直線よく伸びての2着と、濃い内容。
初めての1,400mになりますが、ゴールドドリーム産駒ですからむしろ歓迎でしょう。
先行脚質が揃った中での外枠で、揉まれない位置で競馬ができそうなのも強調材料です。

対抗はJRAの（6）コパノヴィンセント。
中山の新馬戦を勝ち、2戦目は東京1,600mで2着。最後は逃げ馬に離されましたが、しぶとく粘り通して2着を確保しました。
ダッシュ力もありますし、前走のレースぶりを見ると1,400mに距離が短縮になるのはプラス材料。
鞍上は地元トップジョッキーの吉村騎手ですから、初の園田コースも気になりません。

（2）ヤマニンシュラは新馬戦3着からつづく2戦目で未勝利戦を勝利。
好ダッシュで逃げてそのまま押し切りました。
この馬も先行力がありますから、スタートを決めて先手が取れれば怖い存在です。

地元勢からは（4）ラピドフィオーレに注目しています。
兵庫ジュベナイルカップは3、4コーナーひとまくりでしたね。
前走のネクストスター園田は逃げる形になり、勝ったかと思ったところを外から差し切られました。
ただ、後続が迫っても抜かせない勝負根性を見せましたし、負けて強しの内容。
相手強化にはなりますが、地元の利を活かして頑張って欲しいです。

JRA勢の中で唯一の2勝馬コスモストーム、休み明けのヤマボウシ賞で4着だった（7）ハッピーマン、距離に対応できれば（8）ヴィグラスデイズも侮れません。

3連単 フォーメーション
11・6 ⇒ 11・6・2 ⇒ 11・6・2・4・12・7・8（20点）

赤見 千尋 氏：プロフィール

平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。現在は競馬リポーター、ライター、そしてオッズパークの予想ブログ"赤見千尋のRed View"も好評執筆中。

競馬をこよなく愛す人力舎の芸人、盛岡出身のアンダーパーの藤原です。

盛岡競馬、秋の風物詩「南部杯」の季節が今年もやって参りました。
南部杯が終わると秋の皮を被った冬が到来し、ストーブの準備が始まる我が故郷。
馬券で懐を温かくして冬に備えたい所です。

◎は二連覇を狙う（1）レモンポップ。
距離、枠、初場所など不安視されても一蹴して勝つ昨年JRA最優秀ダート馬。
強いです。強いとは何か？そう、頭固定です。

対抗は（4）タガノビューティー。
スタートで後手を踏むタイプながら、最後は良い脚を使って上位に入ってくる安定感が売り。
昨年よりも過程は順調ですし、今回は先手を取りたいメンバーの多い中で、前が崩れた時は…ウヒヒ！と想像をしてしまいたくなりますね。じゅるり（ヨダレが垂れる音）

▲はマイル適正に疑いの余地なし（14）ペプチドナイル、△の一頭に距離短縮は良い方向に働く気がする（10）ダイシンピスケス。
ただ、共に脚抜きが良い馬場の方が展開は向きますから当日の馬場次第ですね。

そして個人的注目は（8）アラジンバローズ。
兵庫所属ですが元々中央OPクラスで好走していた馬。
日程が変更になった佐賀サマーチャンピオンで勝ったタフさも含め、地方所属では注目したい一頭です。

3連単 フォーメーション
1 ⇒ 4 ⇒ 2・7・8・10・14（5点）
1 ⇒ 2・7・8・10・14 ⇒ 4（5点）

アンダーパー藤原 氏：プロフィール

人力舎芸人・競馬大好き芸人・オッズパークライブMC担当。岩手県盛岡市出身・初の南部杯予想に参戦！

（11）ベラジオドリームはフレッシュチャレンジを勝ったあと3戦連続2着だが、負けて強しといえる内容。前走ネクストスター門別でも先行したライバルを競り落としたところ、後ろから来たミラクルボイスに差し切られた。とはいえ交わされてからも食い下がって1馬身差。新種牡馬ゴールドドリーム産駒のワンツーで、ネクストスター佐賀でも同産駒のミトノドリームが勝つなど、ゴールドドリームは地方の新種牡馬ランキングでトップに立っている。その父の勢いでダートグレードも突破だ。

（12）コスモストームは、2戦目のヤマボウシ賞では（7）ハッピーマンとともに好位を追走したものの直線失速。しかし前走なでしこ賞では好スタートから行く馬を行かせて4番手に控え、直線確実に伸びて差し切った。どうやらヤマボウシ賞の失速は内枠で砂をかぶって走るのをやめてしまったようだ。今回大外枠で砂をかぶるリスクもなく、好位につければ能力を発揮しそう。

ハッピーマンのヤマボウシ賞は、好位追走まま、逃げ切った勝ち馬と直線では脚色が一緒になってしまった。前半は力んで走っているようなところがあり、まだまだ能力を発揮しておらず、しかし素質は高そう。

（6）コパノヴィンセントの前走プラタナス賞は、直線勝ち馬には離されたものの、真っ向勝負を挑んで2着に粘ったのは評価できる。

門別で3勝の（8）ヴィグラスデイズ、デビュー戦の惨敗から一変、未勝利戦で差し切った（9）シャインミラカナらもそれほど差はない。

斎藤 修 氏：プロフィール

NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。