矢野吉彦さんが語る魅力
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矢野吉彦(やのよしひこ)スポーツアナウンサー。テレビ東京「ウイニング競馬」実況を務め、ばんえい場立ち予想会などでも活躍。オッズパークブログ「ばんえい競馬情報局」でコラムを担当するなど熱烈なばんえいファン。 |
2012年 凱旋門賞
日本悲願の凱旋門賞優勝まであと一歩のところまで迫ったオルフェーヴル、残念でしたねぇ。
私たちは、ゴール近くの一般席で観戦していたのですが、同馬が最後の直線で先頭に立ったときには、勝利を信じて疑わなかったほど。まさかその後に内へヨレて、いったん抜き去った馬に抜き返されるとは・・・。私たちはもうちょっとのところで歴史的快挙の幸運な目撃者になれたのに、今振り返っても惜しかったなぁと思うばかりです。
それはそれとして、凱旋門賞当日のロンシャン競馬場は、世界トップクラスの馬とジョッキーのパフォーマンスを思う存分楽しレースが目白押し。純血アラブのワールドカップも含めて、全部で8つのG1戦が組まれています。これも、日本では味わえない海外競馬ならではのプログラム。次から次へと繰り広げられるG1戦を予想し、実際に馬券を買って観戦、その結果に一喜一憂していると、アッという間に一日が過ぎていきます。その熱気と興奮は、何度味わってもいいものです。
オッズパークのお客様と行く、凱旋門賞ツアー
毎年恒例になったオッズパークの海外競馬観戦ツアー。今年は初めてフランスへ飛び、オルフェーヴルが出走した凱旋門賞をナマで観戦してきました。
お客様は、ふだん、オッズパークでの馬券購入をお楽しみいただいている方々ばかり。みなさんのお目当ては(オルフェーヴルの応援はもちろんですが)馬券を的中させること。さらに、日本では買えない馬券を買う(そして的中させる)ことです。
レース当日、専用車で競馬場へ出発する前の検討会(ツアーの恒例行事)で、1人のお客様からリクエストがありました。「フランスでしか買えない5連単馬券をゴッソリ買って当てたいんです」。私がご案内するまでもなく、現地にそういう馬券があることをご存知だったようです。
その馬券は、「Quinte+」(カンテ・プリュス)。この馬券を買いたいとリクエストされたお客様は、すでに買い目も決めていらっしゃいました。問題は、どうやって買いたい馬券を買うか、ということ。実は私、何度かフランス競馬を見に行ってはいるものの、「そんなの当たるわけがない」と思っていたので、実際に「Quinte+」を買ったことはなかったのです。
そこで、競馬場に着くと、なにはともあれタッチパネル式の馬券発売機に直行。お客様とともにトライしてみました。
無事に買えたのは、5頭のボックス馬券(計120点)。いわゆるフォーメーション馬券は、恥ずかしながら購入方法がわからず、買えずじまいでした。タッチパネルの表示をマークカードの様式に切り換えて買う、という手があったのを知ったのは、後になってから。でも、お客様にはその場で「ボックスが買えたのでOK」と言っていただいたので、とりあえずホッと一息、でした。
で、その馬券は当たったのか。5頭ボックスにしていたので、選んだ5頭が1〜5着に来れば、抽せん番号が一致しなくても、残念賞@の1通りと、残念賞Aの119通りが的中となって、それだけでもビッグな払戻金がもらえたはず。もし的中したら、外国人であるお客様にどのような形で払戻が行われるのか、この目で確かめることもできたのですが。
結局は、もうお察しのとおり、ハズレちゃいました。勝ったソレミアは単勝20.5倍の穴馬。オルフェーヴルは2着に来たものの、英2冠馬のキャメロットや仏ダービー馬のサオノワといった人気馬が総崩れとなった、波乱のレースでしたからね。
この日は、1等賞の的中はもちろん、1〜5着を着順通りに当てた残念賞@の的中もなし。着順不問で的中させた残念賞Aが4618.7倍の払戻となり、型どおり50万ユーロがプール金に上乗せされていきました。それでもお客様には、そういう馬券を手にしながら、あの凱旋門賞を見られたということで、大いにお楽しみいただけたようです。
凱旋門賞観戦の後は、お客様とホテル近くのレストランでおいしいワインと料理に舌鼓を打ちながらの反省会(?)。香港国際競走に行けば本場の中華料理が待っていますが、フランスに行ったらやっぱりフランス料理でしょう。競馬の話に花を咲かせながらの食事も、ツアーの楽しみのひとつ。今回も盛りだくさんの一日をたっぷり堪能しました。
日本の競馬場とは違った雰囲気の中で、日本では買えない馬券も買って楽しめるオッズパークの海外競馬観戦ツアー。一度行ってみると、そのおもしろさにハマって、ヤミツキになること間違いなし!初めは手探りで馬券を買っていても、だんだん慣れてきて、いろいろな馬券にチャレンジしてみたくなるはずです。
オッズパークでは、これからもみなさんに喜んでいただけるツアーをご提供する予定です。次回はぜひあなたもご参加ください!
Quinte+(カンテ・プリュス)〜フランスでしか買えない5連単馬券〜
「Quinte+」(カンテ・プリュス)とは、基本的には、1〜5着に入ると思われる馬を着順を決めて買います。ここまでならただの「Quinte」(5連単)。ですが、そこに4ケタの抽せん番号が「+」(プリュス)されているのがミソ。1〜5着が決めた着順通りに決着し、さらに4ケタの抽せん番号も一致すると、文句なしの1等賞で、巨額の払戻金を手にすることができます。
ただし、これを当てるのは至難の業。なので、この馬券には以下のようにさまざまな残念賞が設けられています。
- @1〜5着が、決めた着順通りに的中(抽せん番号違い)。
- A1〜5着が、着順違いで的中。
- B1〜4着が、1〜4着に決めた馬で決着(着順不問。つまり5着に決めた馬だけがハズレて決着したケース)。
- C1〜5着に決めた5頭のうち4頭が1〜5着に入って決着(着順不問。ただしCのパターンを除く)。
- D1〜3着が、1〜3着に決めた馬で決着(着順不問)。
この5つの残念賞のうちのA〜Dは、抽せん番号が一致していたら払戻金は10倍になります。つまり、馬券に「ナンバーズ」のようなクジがついている、それが「+」というわけです。
ほぼ毎日、フランス全土の競馬のなかで1レースに限って発売される「Quinte+」。1等賞の最低払戻金総額は500万ユーロ(約5億1500万円)。的中がなければ、50万ユーロがプールされるシステム(当日の賭け金-50万ユーロ=残念賞の払戻金)になっています。
ツアーでのロンシャン競馬場訪問日は、凱旋門賞が対象レースでした。この日は、数日前に1等が2日続きで出たばかりだったので、500万ユーロに50万ユーロ×2日分を上乗せした510万ユーロ(約5億2500万円)が1等の払戻のために用意されていました。もし凱旋門賞を1票だけ的中させれば、これを“総取り”できたのですが・・・。