Odds Park 競馬

　シーズン総決算の重賞で、その年の活躍馬や実力馬が集結するのが中日杯。金沢競馬においては最も盛り上がるレースとも言える。過去の結果を探っても「年齢・性別・脚質不問」。近年は斤量が１キロ軽い３歳馬の馬券圏内も多くなっているが今年は参戦なし。また、昨年は物議を醸した「番組賞金に応じた斤量設定」（負担重量）だが、今年は３歳56キロ・４歳以上57キロ（牝馬２キロ減）という別定戦に戻った。純粋な力勝負を堪能できることは喜ばしい。
　このレース５年連続連対の女王ハクサンアマゾネス引退後の今年は群雄割拠も、2000ｍ超の古馬重賞は(8)マンガンが２勝、(9)ナミダノキスが前半の大一番・百万石賞を制覇。が、その後に(7)プレシオーソや(4)クーアフュルストが転入してきて1700ｍで強い勝ち方をしており、(9)ナミダノキスは頂点に立った６月からちょうど半年ぶり、(8)マンガンは前走・北國王冠で大敗を喫した後になる点で予想が難しくなった。そして昨年覇者(11)マリンデュンデュンが逃げて作るであろうペース、先行タイプ(4)クーアフュルスト、(7)プレシオーソの動向などの「展開」や「当日の馬場傾向」も大きな焦点となる。例年以上に不透明な要素が多く、勝ち馬の快走で万馬券決着だった昨年・３年前とは違う形で波乱も十分言える。
　その中でも◎は他地区強豪参戦の北國王冠も健闘した(4)クーアフュルスト。○(9)ナミダノキスは動けるだけの調教は積んできただけに久々でエンジンの掛かりがどうかに尽きる。(8)マンガンもデキ落ちは感じさせず地元同士のレースなら巻き返し可能。昨年覇者(11)マリンデュンデュン、1700ｍレコードホルダー(7)プレシオーソとて勝っても何ら不思議ない存在。他にも、イヌワシ賞２着(2)ペガサスターボ、百万石賞３着(3)ウェザーコック、長距離重賞好走多数(5)ダイヤモンドライン、Ａ２とはいえ前走が強かった(10)リュウノブレイクも展開さえ向けば連対圏内。絞り込みは難しい。

　◎は(4)クーアフュルスト。まだ４歳の中央３勝馬。一線級不在の適距離とはいえ、気性的にベストの最前列でなくても２列目インから余裕ある感じで転入初戦を完勝。道中で２度大きく動いた緩急のキツい展開で追込決着・他地区強豪相手だった前走の北國王冠４着も先頭で直線に向いた内容は高評価できるもの。おそらく他馬には同じ芸当は難しかったはずで、現にマンガンは10着に沈んでいる。当時も好調そうな気配だったが、中間もキープしている模様。それなら２列目より前で柔軟に運んで戴冠に最も近いと見た。

　○は(9)ナミダノキス。当地初黒星を喫したのは極端な逃げ有利馬場にも泣いた昨年の中日杯３着だったが、女王ハクサンアマゾネスとハナ差。今年の主役になるであろうと見ていたが、中１週で加減気味の攻めも影響したか利家盃は５着に敗れたが、気を入れ直して追い上げやすい展開で百万石賞は真の力を発揮して勝利。休養が長引いて最後の大一番まで復帰が遅れてしまったが、10月末から追い切り時計は出しているし、息切れしないくらいの調教は積んできた。最終追い切りのラストが案外だった半年ぶりで、気持ちの面がどうかに尽きる。

　▲は(8)マンガン。大井で重賞を勝っている2600ｍの北國王冠で今春転入後オール連対は途切れたが、強豪揃いの外枠・緩急の激しい流れも影響大。夏場より持ち直した当日の姿だったし、中間の調整もバッチリ。イヌワシ賞５馬身差の完勝を見てもバラける消耗戦の流れは得意。地元馬同士の一戦なら上位は必至。

　△は(11)マリンデュンデュン。昨年の中日杯逃げ切りが馬場・展開だけが勝因ではないことは消耗戦の流れで寸前まで粘った利家盃２着や百万石賞４着で実証。気性の成長を遂げて、前走1400ｍは控えて道中インから先頭でも昨年は敗れた夏休み明け快勝。この時季が最も動ける馬。後続次第の面はあるものの、中間の雨で先週までより逃げ有利の馬場にシフトすれば連覇も十分。

　注は(3)ウェザーコック。百万石賞３着後は暑さで下降したが、力通りのＪＲＡ交流勝ち後は気配も持ち直してきた。得意の内枠で前走はプレシオーソに完敗したものの、２列目インから一旦先頭の百万石賞はＡ１-２で２着から中１週で軽目調整。同様の臨戦過程＋好枠も引いたことで面白い。

　穴は(5)ダイヤモンドライン。３歳秋に2000ｍのサラブレッド大賞典勝ち、昨年は百万石賞２着。今年未勝利だが利家盃３着、百万石賞も最内に押し込められねばの５着。このくらいの距離が最も適しているのは間違いない。近走より態勢ＵＰかの攻め気配。前が止まるような展開に出番はある。