中央枠5頭のうち（3）エイシンワンドはダート適性が不明。ただディスク―トキャット産駒だし、人気にならなさすぎておいしいオッズになることもありうるので3着には押さえる。高知（4）ジュゲムーンも3着候補に。

世代限定のダートグレードに出てしまっているので大きな幻想は持てないが、最近の充実ぶりと距離短縮はプラス。

◎は1400mもこなせると見ている（4）ヤマニンチェルキ。

3歳馬ということもあり○（5）クロジシジョー、▲（2）エンペラーワケアと3.5キロ差は大きい。△（1）ハッピーマンもよいが、内枠でやや窮屈な競馬になりそう。3連単のうち3着3と4の絡みはあくまで薄く。中央馬4頭内での組み合わせを厚く。

3連単 フォーメーション
9 ⇒ 1・2・5 ⇒ 1・2・3・4・5（12点）
1・2・5 ⇒ 9 ⇒ 1・2・3・4・5（12点）

須田 鷹雄 氏：プロフィール

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」（宝島社）でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。

昨年は台風で木曜日から日曜日に順延されまして、ダートグレードレース史上では初めて、すべての騎乗騎手が地方競馬所属。輸送を2回した馬がいたり、初コンビでの出たとこ勝負になったりで、結果は兵庫→JRA→兵庫で、騎手は兵庫→佐賀→兵庫でした。その昨年が高配当となったのは、コーナー4回の適性がビミョーな馬が人気を集めたことが要因のひとつ。今年もその点が気になる馬が出走してきました。

JRA所属の5頭のうち、コーナー4回が未経験なのが（3）エイシンワンドと（5）クロジシジョー。（9）ヤマニンチェルキは兵庫チャンピオンシップで経験がありますが、好位追走のままでの4着でした。軸は59kgでも上位人気が必至の（2）エンペラーワケアなので、少しでも絞りたいところ。まず、コーナー4回に加えて初ダートのエイシンワンドは可能性が低いと考えます。

続いて3歳馬の（9）ヤマニンチェルキ。北海道スプリントでは差し切って、兵庫チャンピオンシップを制したマテンロウコマンドに先着しましたが、JRAの3頭が3着までを独占する結果でレースレベル的に微妙。もう1頭の3歳馬（1）ハッピーマンは兵庫チャンピオンシップで2着でしたが、佐賀競馬場に対応できる可能性は半々かなと思います。

もう1頭の（5）クロジシジョーは、8～9月のダートで5回走って3勝、2着1回、3着1回。3着は2歳時で、2着は昨年のクラスターカップ。操縦性が高い感じがするタイプなので、初めての条件でも大丈夫だと判断します。

さて本命の（2）エンペラーワケア。私は前走のさきたま杯を現地で見ていましたが、ゲリラ豪雨でレコード連発の馬場状態で最内枠という厳しい条件で、馬場の外を回って3着に追い上げた伸び脚には衝撃的なものがありました。その破壊力は今回も信頼していいと思います。

もちろん、昨年の覇者である（7）アラジンバローズと（8）エコロクラージュも有力。アラジンはオグリキャップ記念のとき下原理騎手が「笠松コースは合わん」と話していました。同じ小回りでも馬場を広く使える佐賀は、昨年のJBCスプリント3着が示すとおりに高い適性がありそう。エコロはもともとJRAデビューの予定が、仕上がりが遅れたことで兵庫デビューで重賞4勝。相手は上がりますが、こちらも黒船賞で6着だった内容を考えれば、上位争いのチャンスがあると思います。

3連単 フォーメーション
2 ⇒ 1・5・7・8 ⇒ 1・5・7・8（12点）
2 ⇒ 5 ⇒ 1・7・8（3点）
2 ⇒ 1・7・8 ⇒ 5（3点）

3連複 フォーメーション
2 ⇒ 5 ⇒ 1・7・8（3点）

馬連 流し
2 ⇒ 1・5・7・8（4点）

浅野 靖典 氏：プロフィール

競馬キャスターとして活躍。全国の競馬関連施設や競馬場巡り、競馬史研究などをライフワークとしている。

真夏のハンデ戦で、59キロから52キロまで7キロ差がある斤量です。これまで59キロの馬は勝ったことがないのですが、昨年は60キロだったラプタスが僅差２着だったことを考えると、実績のある斤量を背負う馬にもチャンスはあると思います。

本命にしたのは（5）クロジシジョー。
1200mが中心で1400mがカギにはなりますが、59.5キロまで経験しているので、今回の59キロもなんとかこなしてくれるのではないでしょうか。
前走のNST賞では直線いい脚で伸びて差し切り勝ち。佐賀では３，４コーナーから上がっていかないと間に合わないので、鞍上戸崎圭太騎手が上手くこの馬の末脚を引き出してくれるのではと期待しています。

対抗は昨年の勝ち馬（7）アラジンバローズ。
昨年の54キロから3キロ斤量が増えますが、57キロは背負い慣れた斤量で、定量戦だった佐賀のJBCスプリントでも３着と結果を出しています。
下原騎手曰く「佐賀だと伸び方が違う」ということで、連覇もあるのではないかと思います。

（2）エンペラーワケアも実績馬で59キロの斤量。
小回りコースの克服がポイントですが、高知、浦和と小回り1400m戦を使ってきたのは強みでしょう。鞍上は佐賀にゆかりのある川田将雅騎手で、このコースでどんな競馬を見せてくれるか楽しみです。

３歳馬（1）ハッピーマンは55.5キロでの出走。
１枠１番に入りましたが、馬群を割って来られる馬で、特に不安はなさそうです。
この斤量であれば、古馬と互角に戦えるのでは。
同じく３歳馬の（9）ヤマニンチェルキ、53キロで挑める（8）エコロクラージュ、高知の二冠馬（4）ジュゲムーンまで。

3連単 フォーメーション
5・7 ⇒ 5・7・2 ⇒ 5・7・2・1・9・8・4（20点）

赤見 千尋 氏：プロフィール

平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。現在は競馬リポーター、ライター、そしてオッズパークの予想ブログ"赤見千尋のRed View"も好評執筆中。

地方競馬で行われるハンデ戦では、ハンデ差以上に能力差が大きく、トップハンデの馬が活躍することもめずらしくないが、サマーチャンピオンJpnIIIは過去10年のデータを見ると、軽ハンデの馬からトップハンデ（最高は60kg）の馬までまんべんなく馬券にからんでいる。

そういうわけで狙ってみたいのは53キロで出走する兵庫の（8）エコロクラージュ。グレード経験は昨年末の兵庫ゴールドトロフィーJpnIII・7着、今年の黒船賞JpnIII・6着の2戦のみだが、兵庫ウインターカップではダートグレード入着経験のあるスペシャルエックスにクビ差2着、兵庫大賞典では定量57キロでイグナイターに0秒2差の3着に好走した。前走高知の福永洋一記念では4～5番手あたりから長く脚を使っての差し切り勝ち。6歳だがここにきての充実ぶりがうかがえる。過去10年で53キロでの勝利はないが、53キロ以下の馬でも2着が3回ある。さすがに勝つまではどうかだが、3連系の連軸として狙ってみたい。

（7）アラジンバローズにも連覇の可能性十分だ。昨年はハンデ54キロに加え、台風による延期で中央勢には厳しい環境が強いられるなど、たしかに恵まれた面はあった。しかし同じ舞台のJBCスプリントJpnIでは定量57キロで3着に好走。黒船賞JpnIIIでも直線絶望的な位置から追い込んで2着。今回人気になりそうな（2）エンペラーワケアに先着した。前走オグリキャップ記念は4着だったが、勝ったムエックスがその後さきたま杯JpnIで2着に入っていることを考えると評価を落とす内容ではない。

本命・対抗とも兵庫所属馬となったが、グレードレースに限らず佐賀では兵庫所属馬の活躍が目立ち、このレースでも過去10年で兵庫所属馬はのべ8頭が出走して2勝、2着2回、3着1回と好成績を収めている。

実績最上位は（2）エンペラーワケアで間違いないが、地方の1400メートルでは、黒船賞JpnIII、さきたま杯JpnIでともに3着。いずれも勝ったシャマルから1秒差の完敗といえる内容。ともに背負っていたのが57キロで、今回トップハンデの59キロで果たしてどうか。

グレード未勝利の（5）クロジシジョーも59キロは背負わされすぎなような気がする。おそらくドバイゴールデンシャヒーンで勝ち馬と0秒2差4着のレーティングからそのような評価になっているのだろう。

高知の（4）ジュゲムーンは古馬重賞初挑戦がダートグレードでは楽なレースはさせてもらえないだろうが、今回と同じ舞台だったネクストスター西日本の勝ちタイムが56キロを背負って良馬場1分27秒3。同じく良馬場で行われた昨年のJBCスプリントJpnIの勝ちタイムが1分28秒8と0秒5しか変わらない。そうしたところでハンデ53キロなら計算上は互角の勝負も可能だ。

斎藤 修 氏：プロフィール

NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。

第25回サマーチャンピオン！メンバーを見ると馬も騎手も好メンバーが揃ったなという印象ですね、予想も難解なレースになりそうです。

まず印を付けようと思う5頭を発表します。枠の順から（1）ハッピーマン（2）エンペラーワケア（5）クロジシジョー（7）アラジンバローズ（9）ヤマニンチェルキ。

そしてこのレースのポイントをいくつか、まずはハンデ戦という事で斤量ですね。最近のレースを考えてもこの時期の59キロは割り引いて考える必要があると思います。

次にコースです。園田競馬場の馬が良績を残しているこのレース、園田所属昨年の覇者アラジンバローズ、園田競馬場で好走しているハッピーマン、これはプラス要素と考えています。

枠ではその日の傾向もあると思うのですが外枠が好走している事が多いと思います。

その様な点を踏まえて予想は
◎ヤマニンチェルキ
◯ハッピーマン
▲エンペラーワケア
△クロジシジョー
✕アラジンバローズ

3連単 フォーメーション
7・9 ⇒ 1・2・5・7・9 ⇒ 1・2・5・7・9（24点）
3連複 流し
9 ⇒ 1・2・5・7（6点）

勝浦 正樹 氏：プロフィール

日本中央競馬会 (JRA) 元騎手。1997年デビュー。
JRAで17勝、地方競馬で5勝の重賞勝利を積み重ね、NHKマイルカップ(2002)と朝日杯フューチュリティステークス(2007)ではGI優勝を果たすなどJRAトップジョッキーの一人として名をはせた。