逃げ先行タイプが多数で好位差しに妙味

この予想を作っている段階では、サマーチャンピオンの発走時刻での台風の位置が佐賀県南部の有明海……。まちがいなく水分たっぷりの不良馬場が舞台という前提で予想を組み立てます。で、今の佐賀競馬場の砂は、昨年8月に黄色い海砂から白っぽい砂（西日本産）に変わって、後方からの大まくりが効かなくなった様子。さらに今年の夏に砂の質がちょっと変わって、より脚抜きがよくなったそうです。そこに台風の影響による大雨ですから、さらに脚抜きがよくなって、インコースも使える感じ。差し追い込みの台頭は難しいと思います。

ただ、今年の顔ぶれには逃げたい馬がたくさん。その候補は内枠から（4）テイエムフェロー、（6）メイショウテンスイ、（7）サンライズホーク、（10）テイエムトッキュウ。さらに最内枠の（1）オールスマートは52kgをいかしての逃げを画策しそう。そうなると前半は激しい流れになるのは必至。という観点から浮上してくるのは好位差しタイプとみて、（8）コパノパサディナを中心に取ります。メンバー的におそらく、逃げ争いの直後につけられそう。ハイペースのなか、インコースから浮上してくるシーンに期待します。

相手筆頭には兵庫の（12）タイガーインディを指名。園田所属なので猛暑の影響が気になりますが、前走後に「JBCを意識して、佐賀のサマーチャンピオンを狙う」という青写真通りに来たことを評価。雨で時計が速くなっても、流れに乗りやすい大外枠がプラス材料になるとみました。

そして3番手が（6）メイショウテンスイ。4年前のサマーチャンピオンの2着馬で、その2020年8月12日は「オッズパークライブ」の前身にあたる「オッズパーク生配信」の第1回目が行われた日でした。新型コロナウイルスの影響で無観客開催が続いていた頃。それが4年前というのは意外に最近という感じがしますねえ。それはさておき、メイショウテンスイは夏場に調子を上げる傾向。最近2戦が人気薄での好走でも侮れないと思います。

昨年の勝ち馬（7）サンライズホークは1コーナーで外に出せればチャンスがありそう。（5）アラジンバローズは1600m未満への出走が初めて。しかしJRAのオープンで善戦歴があるだけに、新子雅司調教師の選択が不気味に映ります。テイエムトッキュウは休み明けがイマイチという点とハンデがマイナス。ラプタスは3年前の覇者でもさすがに8歳で60kgはキビシイと判断しました。

3連複 ボックス
5・6・7・8・12（10点）
3連単 フォーメーション
8 ⇒ 5・6・7・12 ⇒ 5・6・7・12（12点）
馬連 流し
8 ⇒ 5・6・7・12（4点）

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浅野靖典氏：プロフィール

競馬キャスターとして活躍。全国の競馬関連施設や競馬場巡り、競馬史研究などをライフワークとしている。

本命にしたのは兵庫のタイガーインディ

今年も超好メンバーが集まりました！ハンデ戦のため52キロから60キロという幅広い斤量になっているところがポイントです。
真夏に行われるサマーチャンピオンは、例年重めの斤量の馬は苦戦する傾向で、これまでの歴史を振り返って最も重い斤量で勝ったのが、58.5キロを背負った2011年スーニと2021年（2）ラプタス。
となるとこの斤量以上の馬たちは厳しい戦いになるのではないでしょうか。

本命にしたのは兵庫の（12）タイガーインディ。
もともと強い馬でしたが、今年はもう一段階パワーアップを感じます。
黒船賞では56キロで3着に追い込みました。
前走のオグリキャップ記念では、黒船賞で後れを取ったヘルシャフトに勝ち、雪辱を果たしたところ。
遠征も慣れているし、大外で揉まれないこともプラス、55キロで挑めることも含め、いよいよダートグレード制覇のチャンスです！！

対抗はJRAの（6）メイショウテンスイ。
2020年、3歳時にこのレースで2着に来ている相性のいいコースです。
前走のジュライステークスでは、二の脚速くハナに立つと、早めスパートで後続に脚を使わせる形に持ち込み、最後までスピードを保って逃げ切り勝ち。
58キロであのしぶとさですから、今回の57キロという斤量も好材料。
先行したい馬が多いですが、自分の形に持ち込めれば逃げ切りもあると思います。

3番手は（8）コパノパサディナ。
3月に3勝クラスを勝ち、オープンではまだ4着が最高ですが大きくは負けていません。
先行馬が揃って速い流れになれば、差し脚の利く流れになるのでは。

（10）テイエムトッキュウは久しぶりの1,400mと58.5キロがカギ。
能力の高い馬なのでこれまでの枠にはハマらないかもしれません。
地元筆頭は3連勝中の（4）テイエムフェロー。
距離が幅広く、レースぶりも問わないので、どれだけ時計が詰められるかではないでしょうか。
（7）サンライズホークは昨年の勝ち馬。
昨年は大外から思い切った競馬をしたので、今回もスタートがポイントになりそうです。

3連単 フォーメーション
12・6 ⇒ 12・6・8 ⇒ 12・6・8・10・4・7（16点）

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赤見千尋氏：プロフィール

平成10年10月高崎競馬場にて騎手デビュー。以来、高崎競馬が廃止される平成17年1月まで騎乗を続け2033戦91勝。現在は競馬リポーター、ライター、そしてオッズパークの予想ブログ"赤見千尋のRed View"も好評執筆中。

ハンデにも恵まれタイガーインディ

（12）タイガーインディは黒船賞JpnIII・3着好走のあともますます充実した印象だ。前走オグリキャップ記念は、ゴール前3頭の接戦を内から抜け出した。勝ちタイム1分24秒0も、ラブバレットのコースレコードにコンマ4秒と迫る優秀なもの。それにしても2走前に制した地元の兵庫大賞典も、オグリキャップ記念も、ともに今年から1400メートルに距離短縮されたということで、タイガーインディにとってはなんという幸運だろう。中央の重賞実績がある馬たちが重いハンデを背負うなか、JpnIIIで3着がありながら、その黒船賞JpnIIIのときより1キロ軽い55キロというハンデにも恵まれた。

（6）メイショウテンスイは、3歳時にこのレースで2着に好走して以来、4年ぶりの佐賀出走。一時期不振が続いたが、ここ3戦で復調し、前走で久々の勝利。その前走は福島ダート1,700メートル戦だが、中央のワンターンの1,400メートルより、同じコーナー4つのコースということでは展開的にもむしろプラスと思える。重賞勝ちがないゆえのハンデ57キロも有利だ。

ここ2戦、大敗が続いた（7）サンライズホークだが、気性的な難しさから能力を発揮できるときとそうでないときの落差が大きい。昨年勝ったときより4キロ増量されての59キロが果たしてどうかだが、能力を発揮できれば勝ち負けまである。

（10）テイエムトッキュウは、カペラステークスGIIIを逃げ切ったスピードは評価できるが、58.5キロのハンデと、初めてのコーナー4つの1,400メートルがどうか。

地方のダートグレードでは近走成績いまいちでもかつての実績馬が人気を落として好走することもしばしば。（2）ラプタスはトップハンデ60キロは楽ではないが、59キロで兵庫ゴールドトロフィーJpnIIIを制しており、地方の小回り1,400メートルは得意とする舞台。人気を落としていれば連下で狙ってみたい。

（5）アラジンバローズは中央オープンで好走実績があり、ここ2戦はいまいちも兵庫移籍初戦で佐賀の重賞・鳥栖大賞を制した。中央からの移籍馬で重賞を多数勝っている新子雅司厩舎だけに、54キロというハンデも侮れない。

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斎藤修氏：プロフィール

NAR『ウェブハロン』、『優駿』、週刊『競馬ブック』、『競馬総合チャンネル』などで地方競馬を中心に記事を執筆。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』『地方競馬中継』解説。ドバイ・香港・シンガポール・アメリカなどの競馬にも足を運ぶ。1964年生まれ。