ばんえい競馬のシーズンを締めくくる1戦、ばんえい記念。今年の見どころはなんといっても4連覇を目指すトモエパワーだろう。過去に4連覇を達成したのはスーパーペガサス(03〜06)ただ1頭で、今回この大偉業達成なるかに注目が集まる。

　そのトモエパワーは、ばんえい記念を3連覇しているようにスタミナ勝負には滅法強い。逆に軽量のスピード勝負では分が悪く、07年ばんえい記念優勝以降は、1000kgを曳くばんえい記念を除くとわずかに3勝に留まっている。しかし、そのうちの2勝は今シーズンに挙げたものであり、過去を振り返ると08年はシーズン1勝、09年はシーズン未勝利という中で3連覇を達成していることから、10歳を迎える今シーズンが最も充実しているとも言える。当然、4連覇可能性は極めて高いと考える。

　しかし、今年はカネサブラックの逆転に期待する。ばんえい記念初出走だった昨年は2着。以降、ばんえい十勝オッズパーク杯を皮切りに、北斗賞、岩見沢記念、北見記念と重賞タイトルを積み重ね、前走のチャンピオンCでついに今シーズン重賞5勝目を挙げた。NARグランプリ2009最優秀ばんえい馬にも選出されるなど、今のばんえい競馬を代表するスーパーホースへと成長を遂げている。大舞台でトモエパワー超えを証明し、名実ともに新王者誕生のシーンに期待したい。

　9歳にしてばんえい記念初出走となる女傑フクイズミ。1月の帯広記念では前述カネサブラックを破り、同レース連覇を達成した。昨年のばんえいグランプリを含めて重賞3勝は、全てカネサブラックを破ってのものだけに、その価値は高い。ウオッカ、ブエナビスタやザルカヴァ、ゼニヤッタ、レイチェルアレクサンドラなど、近年の世界的な牝馬優勢の流れを加味すると、初の980kgさえ克服出来れば、82年キヨヒメ(79、81、82年とばんえい記念3勝)以来、28年ぶり史上3頭目の牝馬による快挙達成も十分可能だろう。

　その他、08年4着・09年5着のスーパークリントン、重賞でフクイズミやカネサブラックに常に肉薄しているナリタボブサップの食い込みにも注意が必要だ。

◎トモエパワー
○カネサブラック
▲フクイズミ
△スーパークリントン
△ナリタボブサップ

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