2009年11月 3日　第9回 ＪＢＣスプリントJpnＩ（名古屋）

名古屋　第9レース　世代交代か！３歳初のチャンピオンを狙うスーニ

伊藤　和敬

☆中央所属馬

アドマイヤスバルは前走で2100ｍの白山大賞典勝ちから本番へと向かって来た。ただ、昨年２着のスマートファルコンも全く同じ過程だった。1400ｍの根岸ステークスの内容からして、距離不安はないし、いくぶん時計のかかるコースへの適性も十分といえそうだ。４年前のブルーコンコルドに似たタイプともいえる。展開次第ではチャンス十分だろう。

スーニは前走、東京盃の 1200ｍではスピード負けした格好だったが、バンブーエールが消えたし、今回は１ハロンの延長。大いに戦いやすくなったといえそうだ。怪童といわれた昨年の輝きに曇りが感じられる昨今だが、３歳馬による初のスプリント制覇となれば、再びスポットライトの中心へと戻れる。それだけのセンスを秘めた馬と評価しているし、距離の1400ｍも現在のこの馬にはベストディスタンスだろう。３歳馬による初のスプリント制覇がなるか。政権交代ならぬ世代交代の期待も託す。

ビービーガルダンは初ダートがいきなりのこの舞台。不安もあるが、反面では、魅力と期待感も充満する。ダート適性さえあれば勝って当然の実績。いわゆる単ありの複なしといったタイプととらえればいいか。微差に泣いたスプリングステークスのウップンをこのシリーズで晴らして見せるか。これも注目の１頭には違いない。

リミットレスビッドは10歳になった今年これまでは未勝利。前走は、かつて２連覇を飾ったこともある東京盃でいいところなく敗退しているように、衰えのいろを隠しきれない現状だ。名古屋は比較的、走りのいいコースだが、それでもこれだけの相手を向うに回したのでは苦戦は避けられそうにない。

☆地方所属馬

名古屋の1400ｍは、どういう訳か定かではないのだが、南関東勢が活躍するケースが目につくのである。現に、４年前のスプリントでも船橋のハタノアドニスが２着へ食い込んで大波乱となったし、かきつばた記念でも、そういったケースが見られた。それだけに、フジノウェーブにも出番があるか。２年前の快挙に見られるように、1200ｍがベストディスタンスであることは間違いないし、1400ｍとなると微妙に長い。あくまで展開次第といったところだが、今回の相手関係からすれば、上位進出の可能性はありそうだ。ほかではひと叩きしたノースダンデー。そして、地元マサアンビションにとっては、内へササる面があるだけに、ラチを頼りに走れるこの枠は願ってもないもの。時計のかかるレースになれば、ホームコースという地の利をいかしての大駆けがあるか。

スーニに、３歳馬による初のＪＢＣスプリント制覇の期待をかけたい。これまでのキャリアでは、距離は結構、オールラウンダー的なところがあるが、本質的には 1400ｍから1600ｍあたりに適性があると思われる。その意味で、1200ｍの東京盃でバンブーエールをあそこまで追い詰めれば十分。今回はいくぶん時計のかかるコースになったし、小回りというのも戦いやすい条件とみた。相手はアドマイヤスバル。これまた距離は幅広くこなせる。本来の意味でのスプリンターではあるまい。ただ、前回、４年前の名古屋での勝ち馬ブルーコンコルドもやはりこういったタイプだった。一連の手堅い内容からも、上位争いは間違いあるまい。ビービーガルダンはダート適性さえあれば、あっさりと勝ってもおかしくない力がある。初ダートゆえ、また初めて体験する小回りで、さらには時計のかかるコースが舞台になった。ここは単惑星の評価が無難だろう。地方勢では、２年前のこのレースの覇者フジノウェーブ、ひと叩きしたノースダンデー、地元マサアンビションあたりに浮上のチャンスがありそうだが、あくまで展開次第といったところだ。

馬単 3→5 3→9 5→3 7→3 3→12