2009年11月 3日　第9回ＪＢＣクラシックJpnＩ（名古屋）

名古屋　第10レース　３連覇へぬかりなしヴァーミリアン

伊藤　和敬

☆中央所属馬

ヴァーミリアンは６月の帝王賞以来となる。ただ、その帝王賞が約４カ月ぶりであったし、さらには過去２年の連覇は、ドバイ以来で、いずれも７カ月ぶりだった。鉄砲には定評があるタイプであるし、陣営も心得たもの。時計のかかる地方の馬場は極めて得意。これまで、大井、川崎、船橋、園田、そして名古屋で８戦７勝。唯一、敗れたのは昨年暮れの東京大賞典（首差２着）だけという、極めつきの走りを見せる。今年も、よもや主役の座を譲ることはあるまい。

エスポワールシチーは、コーナーが六っつある小回りの1900ｍという特性を十分にいかしたい。先行して自在に動ける機動力はまさに小回り向き。５月のかしわ記念に続いて、前走では南部杯とＧ�Tを連勝中。こちらは地方の馬場では２戦２勝。今回は、ヴァーミリアンの胸を借りてどんな戦いぶりを見せるか、楽しみな挑戦者だ。

ブル−コンコルドは前回、４年前の名古屋ではスプリントの覇者だった。翌年には川崎でマイルを勝った。さらには東京大賞典制覇も光る。ただ、９歳になった今年は南部杯の連覇も途絶えてしまったし、やはり衰えのいろは隠せぬ。Ｇ１を７勝の実績は侮れぬが、現状では惑星までか。

マコトスバルピエロは目下２連勝中。この秋の上り馬だ。今回は強敵相手ゆえに逆に気楽に戦える立場にある。距離的にもこれくらいがベストだろうし、小回りの走りも非常にいい。しかも、ペナルティ明けの安藤勝己騎手が、かつて知りつくした名古屋コースでどんな手綱捌きを見せてくれるか…。これも注目の１頭だ。

メイショウトウコンはいかに末脚勝負に持ち込むかがポイントだが、名古屋コースは走りなれているし、名古屋大賞典を勝ち、名古屋グランプリで２着の実績がある。比較的、走りのいいコースといえる。繰り上がりで気楽に戦える立場であるがゆえ、勝負師・藤田騎手とコンビは何とも不気味だ。

ワンダースピードは今春の名古屋大賞典で、今回と同じ舞台を経験している。しかも、スマートファルコンを半馬身差まで追い詰めて見せた。秋２走目で本番とのローテーションも予定どおりだろう。末脚勝負に持ち込めるようなら、チャンスもあるか。

☆地方所属馬

フリオーソが欠場してしまっただけに、今年の地方勢ではマルヨフェニックスに孤軍奮闘が望まれる。ただ、５歳秋を迎えて、生涯最高ともいえる充実ぶりを誇っているだけに楽しみだ。かつて、大井の帝王賞で０秒４差４着に食い込んだ実績がある。1800〜2000ｍあたりを最も得意としているし、今回は準地元ともいえる名古屋で、地の利も見込める。小回りになったのも好都合。好調な時には、しばしばトモを滑らせてスタートに失敗するケースが見られるが、それをクリアしてくれれば、絶好枠を引いたことでもあり、あるいは４年前のレイナワルツ以上の健闘が見られるかもしれない。

ヴァーミリアンが今年もまた、ぶっつけでこのレースへと駒を進めてきた。過去２年はドバイ以来で７カ月ぶり。今年は６月の帝王賞以来になるが、この馬のパターンの範囲内といっていい。もちろん仕上げにぬかりはなかろう。名古屋は経験ずみであるし、地方コースの走りは極めつきといえる馬だ。中心視は当然。対抗馬には笠松のマルヨフェニックスを指名する。今シーズンは生涯最高の充実ぶりを誇る。

小回りの 1900ｍはベストといえる条件。五分に出て、スムーズな競馬ができるようなら差はないはずだ。もっとも、マコトスバルビエロには名古屋コースを知りつくした勝負師・安藤勝己騎手が騎乗する。ワンダースピードは時計のかかるコースが合いそう。いずれも上位争いに加わってくることは間違いあるまい。

馬単 5→1 5→10 5→12