初心者でもOK すぐわかる!須田鷹雄の競輪簡単予想!

まずは競走得点で勢力分布を把握しよう

須田鷹雄氏

【須田鷹雄(すだたかお)】

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬 ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も 手掛ける。

私は仕事としては競馬を主戦場にしていますが、公営競技はすべて大好き。競輪場は廃止になったところも含めると50場踏破(もちろん現存するところはすべて含まれます)しましたし、いまでも旅打ちからネット投票まで、さまざまな形で日々競輪を楽しんでいます。

ちなみに選手を引退し評論家となっている吉岡稔真さんと同い年で、誕生日も1週間違い。個人的には勝手に65期を同期と認定し、現役だと後閑信一選手や古川圭選手(年は上ですが)などを応援しております。

今回は、競馬など他の公営競技はやるけど競輪ははじめて……という方のために、僭越ながらガイド役を務めさせていただきます。

競馬など他の公営競技を先に経験した人は、「競輪の予想は難しい」と考えることも少なくないようです。
しかし、競輪にはひとつ、非常に分かりやすい予想ファクターがあります。それは競走得点(※A)です。競走得点は各選手の実力と近況をまとめて数値化したような指標ですから、これほど簡潔なものはありません。

出走表 ↑クリックで大きな画像が開きます。

例えば競馬においても馬には「格」がありますが、それはあいまいな概念です。それに比べると競走得点は数値ですから、初心者にもその大小は分かります。だからこそ、単純なファクターであってもしっかり利用してほしいところです。

さらに近走の成績も参照すれば、その選手が上がり調子なのか不調なのかもある程度見えてきます。予想に慣れてきたら、近況成績をより重視して、実際の競走得点に自分だけのプラスマイナスαを付与してもいいでしょう。

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ラインとしての強弱を考えよう

ライン(※B)という概念は初心者にとってハードルになってしまうようですが、競輪の持つ最大の魅力でもあります。

競輪選手には、自ら風圧を受けて逃げ、あるいは捲りの戦法をとる自力型選手と、そのうしろにつけるマーク型選手がいます(状況に応じて別な役割で戦うこともあります)。この両者が連携して戦うことをラインといい、同県・同地区・同期などの結びつきで組まれます。マーク型選手は終始自分で風圧と戦っては最後までもちませんし、自力型選手はマーク型の援護がないと、他のラインに捲られたりするリスクが増します。それぞれ利用する関係ですが、もちろん最終的には各選手、自分の着順がより上位になることを目指します。個人戦と団体戦、両方の側面を持つのが競輪なわけです。

競走においてどのようなラインが形成されるか、これはよほどこじれる番組でない限りだいたい予見ができます。予想情報としても提供されています。ですので、ラインも決して初心者に分かりづらいファクターではないのです。

ライン (※B)ライン

初心者にとっておすすめなのは、「ラインとしての総合力」を意識することです。例えば、100点の選手がラインの先頭と番手にいるなら、そのラインの持つポテンシャルは100点とイメージしやすいところです。

しかし、例えば97点の選手がラインの先頭を担い103点の選手が番手につけるとなると、97点の自力が不発に終わって103点が共倒れになる可能性があります。逆に103点の自力選手が捲りを打った場合、97点の番手選手は付けきれずちぎれてしまうかもしれません。逃げの場合は番手選手の援護が受けにくいということになります。

この発想が穴車券にもつながります。競輪ファンは格を重視する傾向があり、格として最上位の選手を軸に順当なスジ決着を買う人は少なくありません。しかし個別の選手でなくライン全体を評価する癖をつければ、格上の番手選手が出番のないまま終わって穴になるケースや、格上の自力選手が勝ったのに番手が付いてこないスジ違い決着を取りやすくなります。

自力 … 逃げ、捲りなど、自ら動くこと。動く選手にくっつく他力本願の「マーク」
対となる言葉。
筋(スジ) … ラインのこと。同じラインで1着2着になることを「モロスジ」
「ドスジ」、違うラインの選手同士で1着2着になることを「スジ違い」という。
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ライン相互の比較をしてみよう

続いては、各ラインの比較をしてみましょう。初心者のうちは、各ラインの先頭を担う自力選手に注目するとよいでしょう。

注目ポイントのひとつは、各自力選手の強さです。先述したように、強い選手が番手・三番手にいたところで自力選手がそれを引き出せなければ威力半減です。

もうひとつは、自力選手の先行意欲です。専門紙だとバック本数などが指標になりますが、オッズパークの場合は決まり手を見ればよいでしょう。

先行が見込める選手が一人ならばいわゆる逃げイチで当然そのラインが有利になりますが、先手争いになると捲りの餌食になる可能性が増してきます。実際のレースは三分戦、四分戦という形で行われることがほとんどです。各ラインを「逃げそうなライン」「逃げてもいいライン」「おそらく捲りのライン」といったように分類し、展開を予想してみましょう。

初心者はまず当てることが先決ですから、以上の整理をしたうえで、一番強いラインで決まる車券、いわゆる「本命ラインのスジ決着」を買うところから始めてよいでしょう。そのうえでレースの雰囲気がつかめてきたら、さらに高い配当を目指していけばよいのです。

バック … バックストレッチのこと。最終バックストレッチを先頭で通過することを
「バックを取る」という。「バックを取った」回数が多ければ多いほど、
積極的な逃げ屋だという評価がされる。
三分戦 … ラインが3本できるレース。各ラインがきっちり3人ずつ揃うことを
「きれいな3分戦」と表現することも。
決まり手 … 1、2着に入った選手の取った戦法。「逃げ」「捲り」「差し(追込)」
「マーク」の4つがある。
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より高配当を取るために都合よく発想してみよう

最後に、少しでも高い配当を取るために少しアレンジを加えてみましょう。

通常競輪で高配当になるというとラインどうしで決まらない、いわゆるスジ違いによるものを意識しますが、ごちゃごちゃした展開は初心者には予想しづらいものです。

では、ある程度ライン戦の体裁が整っていて、それでいながら配当が良いというのはどのような状態でしょうか? 当然、それは弱いラインが強いラインを負かすレースということになります。

天と地ほども実力の違う自力選手どうしなら無理でしょうが、少々の差なら点数下位の自力型が結果を出すということはいくらでもあります。捲りどうしでも中団を取って先捲りを打てば有利になりますし、逃げているところに強い選手の捲りが飛んできても、そのタイミングや番手選手の援護次第では跳ね返せることがあります。

点数通りに評価していては、穴車券は取れません。少しの点数差ならば逆転もアリと考えていくことも必要です。また展開についても、強い自力選手がいちばんピンチに陥る展開を考えてみてもいいでしょう。ある程度自分に都合の良い発想をして、配当の良い車券を追求していくことも必要です。

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実践例(共同通信社杯決勝)

では、実際のレースで見ていきましょう。2014年4月29日に伊東温泉競輪で行われた、共同通信社杯の決勝です。

ラインは

ライン ライン

で、3車・3車・2車に単騎の平原という構成でした。

村上が後ろにつく稲垣は先行意欲が高いはず。点数最上位の深谷は後ろが他地区ですが、稲垣を出すと村上の番手捲りがあるのでそれに待ったをかけたいはずです。一方で新田はこの時点の決まり手が2-8-0-1と捲り主体。平原は単騎ですし、そもそも0-14-3-0という選手です。好位を取っての捲りしかありません。

稲垣と深谷の先行争いを捲りが飲み込む展開を予想したファンが多かったのでしょう。2車単の1番人気は新田が捲って成田が続く9-3でした。同じ捲り前提の平原もある程度は売れていましたが、単騎ということもあり福島ラインには遠く及びません。2車単2番人気は1-7で、これは格上から買う発想だと思われます。

結果は2車単1番人気の発想が正解で、主導権を取ろうとする稲垣に深谷が早めの捲りを打ち、村上の牽制で深谷が圏外に去ったところを一気に新田が捲りきりました。

3着には稲垣の番手に切り替えた岩津。この切り替えまでは予想できないでしょうが、捲りが決まる→先行候補の2人には負荷がかかっている→3着候補は番手選手……と考えれば、9-3のあとに7や2を買う発想は自然。岩津そのものは買えて結果オーライの車券になったはずです。

単騎 … ラインに入らずにひとりで走行すること。
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まずは小額ずつ多くのレースを買って経験値を積もう

実際のレースでは様々な展開があります。また、各ラインの先頭にしっかりした自力選手がいるとは限らず、最初から他ラインに競り込むこともあればイン待ちといったケースもあります。

多種多様な展開を初心者のうちから読み切ろうというのは正直難しいところですし、ベテランのファンになっても簡単というわけではありません。

まずはきっちりとした逃げ・捲りのある三分戦や、四分戦でも自力型のキャラクターがはっきりしたレースを並び情報から選び、「基本的な車券」を買ってみるのがよいのではないかと思います。

といっても人気のスジ車券だけを買えというわけではありません。先述したように人気のライン以外から1着が出ることを想定してもいいですし、1,2着が人気でも3連単の3着が紛れる形を狙ってもいいでしょう。

そうやって車券を買っていると、結果として様々な結果に遭遇します。レース数を消化し、経験する展開のバリエーションが増えると、あらかじめそれを予見できるようにもなってきます。そのレベルに達すると、ここまで書かれてきたことの意味もより深く分かるようになるでしょう。

そのためにも、最初から1レースに突っ込むのではなく、小額ずつでも多くのレースに参加してみることをおすすめします。その経験値が、後々の車券ライフに生きてくることでしょう。

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結果 ※実際のレース結果はこちら

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