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【中央所属馬の評価】
　ダノンレジェンドは昨年10月のテレビ静岡賞を勝ち上がってオープン入りすると、２戦目、12月のカペラＳ(G3)を12番人気の低評価ながら５馬身差の圧勝。その後、３月の黒船賞(Jpn3)→４月の東京スプリント(Jpn3)と重賞３連勝を達成。一気にこの路線の中心的存在に躍り出た。断然の１番人気に推された前走の北海道スプリントＣ(Jpn3)はいつものように好位置をとれず苦戦、逃げたシゲルカガ、２番手追走のポアゾンブラックの後塵を拝したが、直線大外から３着まで追い込み、貫録は誇示してみせた。

　ルベーゼドランジェは５月23日の1600万条件・シドニーＴを逃げ切ってオープン入りしたばかり。今回の中央馬にあっては最も格下ということになるが、昨年８月、小倉ダート1000ｍの500万条件戦で56秒９の日本レコードをマークした超スピード馬。兄弟にワイルドソルジャー、クィーンズバーン、ダノンカモンと重賞勝ち馬を３頭も持つ良血だが、兄姉とはだいぶ異なるタイプのようだ。今回は初オープンで厳しい展開が予測されるが、キャリア14戦の５歳馬でまだ上を望める素材。

　エーシンビートロンは昨夏は６月の天保山Ｓでオープン初勝利をマークすると、佐賀のサマーチャンピオン(Jpn3)で重賞制覇。余勢を駆って浦和のオーバルスプリント(Jpn3)でも２着と大活躍だったが、今年は佐賀の1400ｍ戦ではなく、こちらに矛先を向けてきた。これまで1400ｍを中心に使われてきたため、1200ｍは３戦のみのキャリアだが、500万下、オープンの天王山Ｓ、千葉Ｓいずれも３着なのだから適性は「あり」と考えてもよさそうだ。

　サマリーズは昨年のこの競走の覇者。好スタートから２番手につけると直線抜け出し、スイートジュエリー、シルクフォーチュン、アドマイヤサガスらの追撃を凌ぎ切った。全日本２歳優駿(Jpn1)勝ちはあるものの、古馬オープンにおける勝ち鞍はこれのみだから、盛岡1200ｍへの適性はもちろん高い。ハンデも昨年から１キロ増の53キロなら悪くない。

【地方所属馬の評価】
　北海道のポアゾンブラックは園田デビューで兵庫ダービー２着を最後に中央へ移籍し、オープンの春雷Ｓ、エニフＳを勝つなど出世。この春、道営に移籍するといきなり北海道スプリントＣ(Jpn3)でシゲルカガの２着。１番人気のダノンレジェンドに先着する奮闘を見せている。盛岡はなんと言っても昨秋の南部杯(Jpn1)でベストウォーリアの２着があり、相性は悪かろうはずがない。1200ｍは芝でオーシャンＳ(G3)４着、春雷Ｓ勝ち。ダートでは1600万条件で２勝マークと適性は抜群。

　浦和のジョーメテオは中央４勝から南関東に転じて２年が経過。地方での勝ち鞍は浦和1500ｍのゴールドＣ、笠松1400ｍの笠松グランプリの２勝。前走が2000ｍの帝王賞(Jpn1)であるようにスプリンターというイメージはないが、中央にも積極的に遠征し、昨年の根岸Ｓ(G3)が勝ち馬から0.3差の６着、今年の根岸Ｓが0.8差の11着、前走のプロキオンＳ(G3)が1.0差の11着と、着順は悪くても中央勢とそう差がないことを示している。この距離では４月の東京スプリント(Jpn3)でドリームバレンチノ、サトノタイガーに先着の５着確保。軽視はできない。

　岩手のラブバレットは岩手生え抜き。長期休養から今春、戦列に復帰するといきなり２連勝。叩き３走目、浦和のさきたま杯(Jpn2)にキャリア初遠征すると、中央馬と互角の先行争いを演じつつ、小差の４着と大健闘。前走の地元戦・岩鷲賞でも最後はナムラタイタンの底力に屈したが、ゴール際まで大接戦。引き続きデキの良さをアピールしている。

【解説者の予想】
　前走でスキを見せた格好のダノンレジェンドだが、中央の走路とほぼ変わらない盛岡のダートなら普段通りの位置どりさえとれれば中心は動かし難い。相手には時計面では見劣るものの、52キロのハンデが魅力のルベーゼドランジェを指名。牝馬が活躍する真夏のスプリント戦で、昨年もサマリーズ→スイートジュエリーと52キロの牝馬のワンツーフィニッシュだった。
　そして差がなくポアゾンブラック。前々走でダノンレジェンドに先着、南部杯２着のコース実績を考えれば地方馬の勝利も夢ではない。続くのは短距離を専門に使われるサマリーズ、エーシンビートロンの中央勢だが、準地元のラブバレットの健闘も期待したいところ。

◎ダノンレジェンド
○ルベーゼドランジェ
▲ポアゾンブラック
△サマリーズ
△エーシンビートロン
△ラブバレット
△ジョーメテオ